米国から国際指名手配されている元CIA局員スノーデン容疑者、第一子誕生を契機にロシア市民権取得を画策【米・英国メディア】
米中央情報局(CIA)元局員のエドワード・スノーデン容疑者(37歳、注後記)は、米政府による情報収集活動を暴露したため米国から国際指名手配されている。2013年より、ウラジーミル・プーチン大統領の庇護の下で、ロシアに短期滞在(3年毎の滞在許可更新)しているが、この程、第一子が誕生することになったことから、ロシア入出国が自由になることを希望しロシア市民権を取得すべく具体的行動を起こしている。
11月2日付米
『ニューヨーク・タイムズ』紙:「エドワード・スノーデン、第一子誕生を契機にロシア市民権取得に奔走」
モスクワに滞在中のエドワード・スノーデンは昨年、自身の回顧録の中で、同地滞在では心が休まないと吐露している。
すなわち、世界的に著名となったことから、多くの住民がカメラを片手に彼に接触を試みたりするため、彼自身、街を歩く場合は変装したり、公共交通機関も自由に使えないからだと
いう。...
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11月2日付米
『ニューヨーク・タイムズ』紙:「エドワード・スノーデン、第一子誕生を契機にロシア市民権取得に奔走」
モスクワに滞在中のエドワード・スノーデンは昨年、自身の回顧録の中で、同地滞在では心が休まないと吐露している。
すなわち、世界的に著名となったことから、多くの住民がカメラを片手に彼に接触を試みたりするため、彼自身、街を歩く場合は変装したり、公共交通機関も自由に使えないからだと
いう。
しかし、11月2日に明らかにしたところによると、米人妻のリンゼイ・ミルズ(35歳、2017年に結婚)が妊娠していて近々第一子が誕生することになることから、安住の生活を求めてロシア政府に市民権授与の申請をしたという。
スノーデンは、米政府の情報活動を暴露したことから、世界トップランクの国際指名手配犯となっている。
彼はツイッターで、“(2013年以来)自身も妻も両親に会えていないため、これから生まれてくる子供(男の子)には同じ思いをさせたくない”と書いている。
彼のロシア人代理人アナトリィ・クチェリーナ弁護士(60歳)は11月2日、『インテルファクス通信』(1989年設立の非政府系通信社)のインタビューに答えて、“彼の第一子は、12月に誕生した時点でロシア市民権を取得できる”とコメントした。
スノーデン夫妻は現在、ウラジーミル・プーチン大統領の庇護の下でロシアに長期滞在しているが、同大統領にとっては、米政府が行っていた世界中の要人の盗聴行為を白日の下にさらしたスノーデンを英雄として扱い、対米対峙の駒に使ってきている。
但し、スノーデン自身、2013年からのロシア滞在中、ロシア情報機関のために一切働いたことはないとした上で、将来米国に晴れて帰国することを望んでいると語っていた。
そうした中、スノーデン夫妻は先月、ロシア政府から永住権を与えられたこと、及び妻が妊娠していて年末に第一子が誕生する予定であると明かした。
そこで直近のツイッターでスノーデンは、“ロシア市民権を得ることで、米市民権と併せて二つとなり、米ロ間のみならず、他国への移動・訪問が自由になることを希望している”とした上で、“いずれは愛する米国に帰国し、そこで息子を育て、また両親含めた家族皆で暮らせる日を心待ちにしている”と言及している。
現在夫妻はモスクワの賃貸アパートに暮らしていて、国際会議等に出席したりすることで生計を立てているという。
なお、スノーデンは今年9月、ドイツの『ディー・ツァイト』(1946年創刊の週刊全国紙)のインタビューにおいて、10年前にもし将来が見通せたらと質問されて、“(目下滞在している)ロシアは第一希望の場所ではなかった”と告白している。
11月3日付英国『ジ・インディペンデント』紙:「エドワード・スノーデン夫妻、息子誕生に先立ちロシア市民権申請」
スノーデンの妻であるリンゼイ・ミルズは先週、妊娠していて12月に第一子の男の子が誕生する予定であり旨インスタグラムで明かした。
スノーデンもツイッターで、“妻も自分も米国籍は放棄しておらず、そこでロシア市民権を取得した上で、ロシア入出国が自由にできるようにし、そして将来は愛する米国に戻って、そこで息子を育て、家族皆で暮らせることを望んでいる”と言及した。
米当局は、スノーデンを米機密情報窃盗及び漏洩の罪で国際指名手配していて、米国に戻り次第裁判にかける旨コメントしている。
しかし、スノーデンは昨年、自身が米国に帰国する場合、公平な裁判が保障される場合に限ると表明している。
(注)エドワード・スノーデン:2005~2013年、米国家安全保障局 (NSA) 及びCIAに所属した元局員。2013年初め、NSAで請負仕事をしていた米コンサルタント会社、ブーズ・アレン・ハミルトンのシステム分析官として、米連邦政府による情報収集活動に関与。同年6月、香港で複数の新聞社の取材やインタビューを受け、それまで陰謀論やフィクションで語られてきたNSAによる国際的監視網(PRISM)の実在を告発。同月下旬、米司法当局により香港政府に臨時逮捕と引き渡しの要請が出され、エクアドルなど第三国への亡命を検討しているとされていたが、同年8月にロシア移民局から期限付きの滞在許可証が発給されて以来、ロシアに滞在。なお、2014年1月、ノルウェーの元環境大臣からノーベル平和賞候補に推薦されている。
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東京オリンピック;主催者側は新型コロナウィルス対策を実行の上で開催とするが、それは果たして可能?【米・英国メディア】
下馬評どおり、東京都知事選に圧勝した小池百合子知事は、早速安倍晋三首相や森喜朗東京オリンピック・パラリンピック組織委員会々長と会談し、来年に延期された東京大会の開催に向けて意見交換した。国際オリンピック委員会(IOC)も、今のところ同大会延期や中止の話は考えていない模様だが、感染症専門家らからは、新型コロナウィルス(COVID-19)用ワクチンが準備できない限り、同大会開催は難しいとの声が上がっている。米メディアも、具体的な感染対策が示されないまま、大会開催に突き進む危惧につき報じている。
7月6日付米
『AP通信』:「東京オリンピック主催者はCOVID-19防止対策を挙げるが、果たしてそれは可能?」
森喜朗東京大会組織委員会々長は、来年に延期された東京大会開催に当たって、選手団や競技観戦者らの検疫体制等をしっかり準備する必要があると説いている。
IOC側も、大会開催に当たって、余分なものを取り除いて簡易な形とすることを提言しているが、競技そのものの削減-すなわち、206ヵ国・地域からの約1万1千人の選手団の縮小は考えていないとしている。...
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7月6日付米
『AP通信』:「東京オリンピック主催者はCOVID-19防止対策を挙げるが、果たしてそれは可能?」
森喜朗東京大会組織委員会々長は、来年に延期された東京大会開催に当たって、選手団や競技観戦者らの検疫体制等をしっかり準備する必要があると説いている。
IOC側も、大会開催に当たって、余分なものを取り除いて簡易な形とすることを提言しているが、競技そのものの削減-すなわち、206ヵ国・地域からの約1万1千人の選手団の縮小は考えていないとしている。
上記には、パラリンピック大会選手団や各国関係スタッフ、また大会関係者含めて更に4,400人が来日することになる。
そこで問題になるのは、競技観戦者も含めて大勢の人たちをどうやってCOVID-19感染から守るかという点である。
森会長は、7月5日の東京都知事選で再選されたばかりの小池百合子知事と早速会談した際、“防疫対策の一環で、もし競技観戦者の規模を縮小したら、今年開催前提で既に観戦チケットを入手している人たちをどうするのか、という問題が生じる”と吐露した。
一方、安倍晋三首相は、小池知事と会談した際、COVID-19用ワクチン開発に全力を尽くしている旨発言している。
この背景には、何人もの感染症専門家らが、ワクチン開発が間に合わなければ、同大会を安全に開催することは困難だと表明していることがある。
しかし、IOC大会運営担当のピエール・デユクリー氏は、詳細を明らかにしないまま、ただ大会開催に楽観的な発言をしている。
同氏は先月、国際スポーツ科学技術振興機構(AISTS、注後記)のインタビューに答えて、“現段階で、ひとつの対策に絞ることはできず、いろいろな対応策を並行して検討していく必要がある”とした上で、“目下関係者全員が、競技観戦者らに安全な環境を提供するための様々な対策について思いを巡らしている”とコメントした。
一方、トーマス・バッハ会長は、 “自身は余りやりたくないが、競技観戦者数を絞ることも検討対象になりうる”と表明している。
同日付英国『ジ・インディペンデント』紙(『ロイター通信』配信):「世論調査で、77%の日本人が来年のオリンピック“開催は無理”と回答」
『ジャパン・ニュース・ネットワーク』(JNN、TBSがキー局の放送網)が7月6日に発表した世論調査の結果、回答者の77%が、来年に延期された東京オリンピックの“開催は困難”だとしているという。
同大会主催者は当初、延期に関わる追加費用の削減とCOVID-19感染リスク軽減のため、同大会を“簡素化”すると表明していた。
しかし、JNNの結果によると、開催支持を表明したのは僅か17%であった。
なお、調査内容について、何故開催が困難と思うのかとの理由までは明らかにされていない。
(注)AISTS:2000年設立の非営利団体で、本拠はローザンヌ(スイス)。主として、スポーツ・マネジメント全般に関わるセミナー、研究、監修を行っている。世界87の国際スポーツ協会が加盟。
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