トランプ、有罪評決を受けたことから仮に大統領に当選しても多くの国で入国拒否の憂き目?【英国メディア】(2024/06/01)
ドナルド・トランプ前大統領(77歳、2017~2021年在任)は5月30日、ニューヨーク州地裁の陪審から有罪評決を受けた。トランプ陣営や共和党トランプ派はもとより、トランプの盟友とされたロシアのウラジーミル・プーチン大統領(71歳、2000年就任)、ハンガリーのオルバーン・ビクトル首相(61歳、2010年就任)等からは、不当な政治裁判だと非難する声が上がっている。しかし、一旦有罪評決を受けた以上、仮に大統領に返り咲いたとしても、40ヵ国近い国から入国拒否される恐れがあると英国メディアが報じている。
6月1日付
『ジ・インディペンデント』、
『ザ・ガーディアン』紙は、有罪評決を受けたドナルド・トランプ前大統領は、仮に大統領に返り咲いたとしても、日本・英国・カナダ他40ヵ国近い国から入国拒否される可能性があると報じている。
ドナルド・トランプ前大統領は5月30日、ニューヨーク州地裁陪審(12人で構成)から全会一致で「口止め料裁判」に関わる34件の罪状全てについて有罪評決を下された。
トランプ陣営や共和党トランプ派は一斉に、民主党政権による大統領選選挙妨害だと非難する声明を出した。...
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6月1日付
『ジ・インディペンデント』、
『ザ・ガーディアン』紙は、有罪評決を受けたドナルド・トランプ前大統領は、仮に大統領に返り咲いたとしても、日本・英国・カナダ他40ヵ国近い国から入国拒否される可能性があると報じている。
ドナルド・トランプ前大統領は5月30日、ニューヨーク州地裁陪審(12人で構成)から全会一致で「口止め料裁判」に関わる34件の罪状全てについて有罪評決を下された。
トランプ陣営や共和党トランプ派は一斉に、民主党政権による大統領選選挙妨害だと非難する声明を出した。
更に、皮肉なことに米国の民主主義を非難するロシア、ハンガリーからも、トランプを擁護する声が上がっている。
まず、長らく盟友関係にあるウラジーミル・プーチン大統領が、“バイデン政権が政敵を排除しようとしている”と訴えた。
また、ハンガリーのオルバーン・ビクトル首相も、“トランプ氏は名誉ある人物で、世界から評価されていることから、11月の大統領選において米国民から信任票(無罪評決)を受けると信じている”旨擁護した。
一方、一旦有罪評決を受けてしまった以上、仮に大統領に返り咲いたとしても、次の5ヵ国
含めて、多くの国から入国を拒否される恐れがある。
● イスラエル
同国国境警備隊は、罪を犯した疑いのある人物や、前科のある人の入国を禁止する権限を保有。よって、特別な配慮がなされない場合、入国不可となる恐れ。
● カナダ
政府は、重罪で逮捕されたり告発されたりした人物の入国を拒否する権利を保有。従って、(トランプは控訴しているものの)起訴された時点で既に入国拒否される対象となっている。
● 日本
法律で、「1年以上の懲役刑もしくはそれに準ずる懲役刑を受けた者の入国を禁止する」とされていて、例外となるのは政治犯罪で有罪判決を受けた人物のみ。今回のトランプの有罪評決が政治犯罪と解釈されるのかは不明。
● 英国
いくつかの制限が設けられるものの、重罪犯であっても北アイルランド・スコットランドへの入境は可能。しかし、英国全体では、入国審査官が特別な配慮を行って仮に入国を許可したとしても、同犯罪者の罪が英国でも懲役刑に相当とされる限り、同人物との接見は禁止。
● 中国
当局は、ビザ申請する全ての人物の詳細を厳しくチェックしていて、重罪を含む犯罪歴も調べられるため、場合によって微罪であってもビザ発給差し止めの可能性。
その他、重罪犯の訪問を制限している国は以下のとおり;
アルゼンチン・オーストラリア・ブラジル・カンボジア・チリ・キューバ・ドミニカ共和国・エジプト・エチオピア・インド・インドネシア・イラン・アイルランド・ケニヤ・マレーシア・メキシコ・モロッコ・ネパール・ニュージーランド・ペルー・フィリピン・シンガポール・南アフリカ・韓国・台湾・タンザニア・トルコ・ウクライナ・アラブ首長国連邦
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中国歩み寄り姿勢の豪州労働党政権に対し、中国軍がまたしても豪州海軍機に挑発行為【欧米メディア】(2024/05/08)
昨年来既報どおり、9年振りに返り咲いた豪州労働党政権は、危機的な対立関係となった対中国政策を見直し、中国に歩み寄る姿勢をみせている。しかし、こと安全保障問題では前政権を踏襲して米英豪3ヵ国軍事同盟(AUKUS、2021年発足)を継続・強化する対応を取っている。そこで豪州側対応を嫌気してか、中国軍戦闘機がまたしても豪州海軍機に対して挑発行為に出ている。
5月7日付米
『ボイス・オブ・アメリカ』、欧米
『ロイター通信』、8日付米
『AP通信』、英国
『ジ・インディペンデント』紙、フランス
『AFP通信』は、豪州首相が中国軍機による豪州海軍機への挑発行為を強く非難したと報じている。
豪州労働党政権は、2022年5月に9年振りに政権に返り咲いて以来、前政権下で危機的な対立関係となった対中国政策を見直し、歩み寄る姿勢をみせてきている。
しかし、こと安全保障問題では米同盟国としての立場を踏襲しており、インド太平洋地域の平和と安定を維持する上で、中国対峙も止む無しとしている。...
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5月7日付米
『ボイス・オブ・アメリカ』、欧米
『ロイター通信』、8日付米
『AP通信』、英国
『ジ・インディペンデント』紙、フランス
『AFP通信』は、豪州首相が中国軍機による豪州海軍機への挑発行為を強く非難したと報じている。
豪州労働党政権は、2022年5月に9年振りに政権に返り咲いて以来、前政権下で危機的な対立関係となった対中国政策を見直し、歩み寄る姿勢をみせてきている。
しかし、こと安全保障問題では米同盟国としての立場を踏襲しており、インド太平洋地域の平和と安定を維持する上で、中国対峙も止む無しとしている。
ところが、そうした対応が気に喰わないのか、中国人民解放軍(PLA、1927年創設)所属の成都J-10戦闘機が5月4日、黄海上空を飛行中の豪州海軍ヘリコプター「シーホーク」に向けてフレア(赤外線誘導の兵器を惑わすために使うおとりの閃光弾)を発射する事態を引き起こした。
豪州政府発表によると、同ヘリコプターの操縦士は、万が一フレアに衝突して墜落するのを避けるため“緊急回避行動”をとらねばならなかったとする。
かかる挑発行為は、昨年11月にも、日本海で停泊中の豪州軍艦「トゥーンバ」(2005年就役)乗船の豪州人潜水夫に対して、PLA駆逐艦「寧波」(2006年就役)がソナー(水中を伝播する音波を用いて、海中・海底の物体に関する情報を得る装置)を浴びせる事態が起こっている。
潜水夫は、同艦のスクリューに絡まった漁網を取り除く作業をしていたが、そのソナーパルスのために軽傷を負っている。
しかしながら、中国側は今回の事態に対しても、豪州軍側の落ち度を責めるコメントをしている。
すなわち、中国外交部(省に相当)の林剣報道官(リン・チァン、47歳、2024年就任)は5月7日の記者会見で、“豪州軍ヘリコプターが中国の領空近くで「挑発的行動」を取ったため、中国軍戦闘機が然るべく対応をした”として、豪州側を非難した。
これに対して、アンソニー・アルバニージー首相(61歳、2022年就任)は5月7日、地元ラジオ局のインタビューに答えて、“(中国報道官が中国領空近く、と言及しているとおり)豪州軍ヘリコプターは正に国際法上で認められた空域を飛行していたことは間違いない”とした上で、“国連安全保障理事会採択の、対北朝鮮制裁状況を監視する任務に就いていたものであり、中国側非難は全く的外れだ”と強硬に反論している。
同首相は更に、“PLA戦闘機が取ったプロ意識に欠ける行動は全く容認できないし、中国報道官が何と言おうと、PLA戦闘機の行為を危険だとする豪州国防軍の評価を何ら棄損するものではない”とも強調した。
なお、同首相は、李強首相(リー・チャン、64歳、2023年就任)が来月来豪した際、本件も話題に上げると付言している。
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