ロシア当局、反プーチン派急先鋒の野党代表ナワルニー氏率いる汚職防止財団の資産を差し押さえ【フランスメディア】(2019/08/09)
8月2日付Globali「
反プーチン派、開かれた選挙制導入なくば、毎週末反プーチン運動展開すると警告」で報じたとおり、9月に行われるモスクワ市議会議員選挙で、野党候補の立候補を認めるよう求めた7月末のデモ行進で、1,000人余りが当局に逮捕されたが、反プーチン派活動家らが毎週反対運動を継続すると政府側に警告した。そして、ウラジーミル・プーチン大統領が2012年に大統領に返り咲いて以来、反対運動の規模が最大に膨れ上がったことから、ついに当局も実力行使に出ることとし、あろうことか運動の中心となっている「汚職防止財団(FFC、注後記)」の資産を“資金洗浄”の容疑をかけて差し押さえた。
8月9日付フランス
『AFP通信』:「ロシア当局、反政府運動リーダーのナワルニー氏設立の反汚職運動グループの資産を差し押さえ」
反政府運動リーダーのアレクセイ・ナワルニー氏(43歳、弁護士)の代理人キラ・ヤーミッシュ女史によると、ロシア当局が8月8日、ロシア政府高官の汚職を暴くために組織したFFCの資産を差し押さえたという。
今回の取り締まりは、7月末より始まった、自由で開かれたモスクワ市議会議員選挙を求める週末デモが拡大していく中で起こった。...
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8月9日付フランス
『AFP通信』:「ロシア当局、反政府運動リーダーのナワルニー氏設立の反汚職運動グループの資産を差し押さえ」
反政府運動リーダーのアレクセイ・ナワルニー氏(43歳、弁護士)の代理人キラ・ヤーミッシュ女史によると、ロシア当局が8月8日、ロシア政府高官の汚職を暴くために組織したFFCの資産を差し押さえたという。
今回の取り締まりは、7月末より始まった、自由で開かれたモスクワ市議会議員選挙を求める週末デモが拡大していく中で起こった。
同代理人によれば、モスクワ地裁が、“資金洗浄”の容疑があるとして、FFCの資産7,500万ルーブル(110万ドル、約1億1,700万円)を凍結したという。
当局によれば、FFCが第三者から犯罪行為によって多額の資金を得たとしているが、FFCウェブサイト上では、全て寄付によって得られた資金だとしている。
そもそも、9月8日に行われるモスクワ市議会議員選挙で、多くの野党候補の立候補が認められないことから、ナワルニー氏が呼び掛けて週末の抗議行動が継続的に行われているが、その規模は現在、2012年にウラジーミル・プーチン大統領が大統領に返り咲いて以降最大規模に膨れ上がっている。
ナワルニー氏は現在、当該デモを扇動した容疑で30日間の禁固刑を受けているが、同氏は、反対派を黙らせるために当局の取り締まりが厳しくなっているが、決して屈することなく運動を続けるよう、独房からブログで呼び掛けている。
そして、反対派は8月10日にも、大規模抗議行動を計画している。
一方、アムネスティ・インターナショナル等の人権擁護団体は、“粛々としたデモ参加者を暴力的に”取り締ることを止めるよう、ロシア当局に訴えている。
なお、FFCはこれまで、プーチン大統領に近しいドミートリィ・メドベージェフ首相やモスクワ市のナターリア・セルグニーナ副市長らの汚職疑惑を暴いている。
(注)FFC:ロシア語表記ではFBK。2011年9月に、ナワルニー氏他が組織したNGOで、ロシア政府高官らの汚職を暴き、腐敗防止を促進することを目標に掲げる。スタッフは30人程で、同組織独自のメディア『レバイアサン(政治思想書の意)』を立ち上げ、原則毎日1件、汚職絡みのニュースを掲載。
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世界の死刑執行数が過去10年で最低に、国際人権団体報告(2019/04/12)
国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルは10日、2018年の世界の死刑執行数が前年対比で約30%減少し、少なくとも過去10年で最低水準となったとの報告書を発表した。同団体は一方で、一部の国では執行数が増加傾向にあるとして警告した。
『AFP通信』や
『BBC』などによれば、アムネスティ・インターナショナルは10日に発表した年次の報告書で、世界の死刑執行数は、2017年には少なくとも993件であったが、2018年は少なくとも690件に減少し、過去10年で最低水準となったとしている。
2018年の死刑執行数が最も多かったのは、イランの253件で、サウジアラビアの149件、ベトナムの少なくとも85件、イラクの少なくとも52件が続き、これら4カ国で全体の77%を占めた。...
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『AFP通信』や
『BBC』などによれば、アムネスティ・インターナショナルは10日に発表した年次の報告書で、世界の死刑執行数は、2017年には少なくとも993件であったが、2018年は少なくとも690件に減少し、過去10年で最低水準となったとしている。
2018年の死刑執行数が最も多かったのは、イランの253件で、サウジアラビアの149件、ベトナムの少なくとも85件、イラクの少なくとも52件が続き、これら4カ国で全体の77%を占めた。アムネスティによれば、ベトナム当局の昨年の執行件数開示の決定は、東南アジア諸国では前例のないことだったという。
アムネスティは、実際に世界で最も執行数が多いのは中国であり、毎年数千人が死刑を言い渡され、執行されていると見積もっている。しかし中国は、死刑に関するデータを国家機密として公表していないため、同団体は年次報告の統計の対象から除いている。
イランでは麻薬取締法の改定後、死刑執行数が半減し、イラク、パキスタン、ソマリアでも減少した。一方で、米国、日本、シンガポール、南スーダン、ベラルーシでは増加しており、タイは10年ぶりに死刑執行を復活し、スリランカも追随する構えだ。アムネスティ・インターナショナルのクミ・ナイドゥ事務総長は、「一部で後退する動きも見られるが、いくつかの最悪の死刑執行国での件数は大幅に減少した。」と評価した。
2018年の日本の死刑執行は15人で、前年の4人から大幅に増加したが、15人中13人はオウム真理教の元信者だった。日本のほか、シンガポール、南スーダンが過去数年で最多件数を記録したが、ナイドゥ事務総長は、3カ国のような国は少数派となっており、「大胆に行動し、この忌まわしい罰を廃止するよう」要求した。
今回のアムネスティの報告書は、世界の死刑廃止の潮流は、確実に勢いを増していると指摘している。西アフリカのブルキナファソは、死刑執行を事実上禁止する新たな刑法を採用し、ガンビアとマレーシアはともに死刑執行を停止した。米ワシントン州の裁判所では、死刑は違憲との判断を示した。アムネスティはまた、昨年12月、国連総会で死刑の執行停止を求める決議が、圧倒的多数で可決されたことを強調している。
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