米メディア;2024年夏季オリンピックの候補都市出揃う(2015/09/24)
7月29日付「2024年夏季オリンピック招致活動に悶える米国都市」の中で、“米国内での招致活動において、第一候補に選定されていたボストン(マサチューセッツ州)が、市長はもとより、地元の強硬な反対運動に遭って、米国オリンピック委員会(USOC)が候補都市から外す決断を余儀なくされた”と報じた。その後、第二候補だったロス・アンゼルス(カリフォルニア州)が正式候補に選ばれ、この程国際オリンピック委員会(IOC)に立候補届が出されたと米メディアが伝えた。
9月16日付
『NBCニュース』は、「IOCは9月16日、2024年の夏季オリンピックの開催都市に、(アルファベット順に)ブタペスト(ハンガリー)、ハンブルク(ドイツ)、ロス・アンゼルス、パリ(フランス)、ローマ(イタリア)の5都市が立候補を届け出たと発表した。これら5都市は、当初から立候補を表明しており、順当な結果であったが、一方、最終段階で、バクー(アゼルバイジャン)とトロント(カナダ)が立候補を取りやめた。...
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9月16日付
『NBCニュース』は、「IOCは9月16日、2024年の夏季オリンピックの開催都市に、(アルファベット順に)ブタペスト(ハンガリー)、ハンブルク(ドイツ)、ロス・アンゼルス、パリ(フランス)、ローマ(イタリア)の5都市が立候補を届け出たと発表した。これら5都市は、当初から立候補を表明しており、順当な結果であったが、一方、最終段階で、バクー(アゼルバイジャン)とトロント(カナダ)が立候補を取りやめた。」と報じた。
同日付
『ロス・アンゼルス・タイムズ』紙は、「IOCトーマス・バッハ会長は9月16日、500ページ余りに及ぶ詳細な新ガイドラインを公表した。昨年12月に決定した、中長期改革プラン“アジェンダ2020”に基づく、オリンピック開催候補都市に求められる招致活動の諸条件を詳述したもので、総経費を如何に抑えられるかが焦点になる。これは、2014年のソチ(ロシア)冬季オリンピックで、道路やホテル等の新規インフラストラクチャー建設を含めて510億ドル(約6兆円)も費やされたこともあって、2022年冬季オリンピック候補都市選定に当って、膨大な経費負担を嫌って立候補を断念したのが4都市(注後記)にも上り、最終的に北京(中国)とアルマティ(カザフスタン)しか残らなかったことが背景にある。なお、新ガイドラインによると、招致活動は3段階に分かれ、今秋から始まる第一段階では、IOC本部のあるローザンヌ(スイス)における各都市のオリンピック・ビジョン等が審査される。但し、これまでと違って、オリンピック理念に違わず、基本条件を満たしておれば、全ての候補都市が、2017年9月にリマ(ペルー)で行われる最終投票に進める。」と伝えた。
一方、9月17日付
『NBCニュース』は、「9月12日のテニス全米女子オープン決勝で、初優勝を遂げたイタリアのフラビア・ペンネッタ(33歳)は、優勝の喜びと同時に引退を表明したが、この勢いを駆って、2024年の夏季オリンピック候補都市に名乗りを挙げたローマを全面的に支援すると語った。」と報じた。
候補都市の中で、招致最多三度のロンドンに並ぼうとしているのが、ロス・アンゼルス(過去は1932年第10回、1984年第23回大会)、及びパリ(同1900年第2回、1924年第8回大会)、そして東京と同様二度目を狙うのがローマ(前回は1960年第17回大会)である。ハンブルグ及びブタペストは初の招致であるが、ドイツとしてはすでにベルリン(1936年第11回大会)、ミュンヘン(1972年第20回大会、但し西ドイツ時代)で開催した経験があるものの、ハンガリーは国としても初めての招致となる。
なお、2024年大会は通算33回目となるが、第一次、第二次大戦のため都合三度中止
されているので(1916年第6回ベルリン大会、1940年第12回東京大会、1944年第13回ロンドン大会)、実質は30回目となる。
(注)立候補を断念した都市:オスロ(ノルウェー)、ストックホルム(スウェーデン)、リヴォフ(ウクライナ)、クラクフ(ポーランド)
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米メディア;大雨に伴う洪水や地震に耐える日本(2015/09/14)
世界各地で、気候変動に伴う洪水、干ばつ、嵐等の大災害が発生しており、自然の恐ろしさを伝えるニュースが、毎日のように報道されている。その中にあっても、地震が頻発する日本は、火山の噴火に加えて、台風に伴う集中豪雨、洪水被害に見舞われることが多く、米メディアも注目しており、先週の東日本の大洪水と東京の地震について、速報で伝えている。
9月12日付
『CNNニュース』は、「大洪水で、280万人に避難勧告」との見出しで、「総務省消防庁によると、台風に伴う大雨による洪水で、東日本の10県にわたり被害が発生し、3人が死亡、16人が行方不明、そして少なくとも27人が負傷し、280万人の住民に避難勧告が出され、うち約18万3,500人には避難指示が出されたという。特に被害のひどかった常総市(茨城県)では、自衛隊等による救出活動が続けられている。...
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9月12日付
『CNNニュース』は、「大洪水で、280万人に避難勧告」との見出しで、「総務省消防庁によると、台風に伴う大雨による洪水で、東日本の10県にわたり被害が発生し、3人が死亡、16人が行方不明、そして少なくとも27人が負傷し、280万人の住民に避難勧告が出され、うち約18万3,500人には避難指示が出されたという。特に被害のひどかった常総市(茨城県)では、自衛隊等による救出活動が続けられている。今回の洪水被害の主たる原因は、台風“アータウ”(台風18号、注後記)に伴う記録的な豪雨による河川の氾濫で、常総市の他、宮城県、栃木県でも堤防が決壊し洪水の被害が出ている。なお、福島原発の所有者の東京電力は、今回の集中豪雨で、同原発内の汚染水が少々海に流出したことを認めている。」と報じた。
同日付
『ロス・アンゼルス・タイムズ』紙は、「洪水で、15人が依然行方不明」との見出しで、「記録的豪雨により鬼怒川の堤防が決壊したため、茨城県では5,000人以上の住民が避難し、そのうち常総市の住民は3,600人にも上る。なお、常総市他では避難所が設けられ、被災者に食糧、飲み水、毛布、トイレットペイパー、おむつなどの必需品が用意されている。」と伝えた。
一方、同日付
『ラピッド・ニュース・ネットワーク』オンラインニュースは、「東京都心で地震発生、しかし建物の損壊なし」との見出しで、「9月12日未明、東京都心でマグニチュード5.2の地震が発生し、少なくとも12人が負傷した。気象庁の発表によると、震源地は東京湾で、震源の深さは海面から70キロメーターという。依然、震度4前後の余震が発生する可能性を警告しているが、この地震は、東京の北に位置する常総市で洪水被害が発生した翌日に起こっており、被害の増大が懸念される。なお、地震発生時、地下鉄や電車は一時的に運行停止されたが、間もなく復旧している。」と報じた。
なお、日本のメディアのその後の報道では、常総市の高杉市長が9月13日、甚大な被害が出た同市の一部の地域の住民に、堤防決壊前に避難指示を出さなかったことについて、ミスだったと謝罪したという。鬼怒川の水位が上昇しているとの情報提供があった地域には避難指示を出したものの、被害に遭った地域の情報がなかったことと、その箇所が決壊するとは予想しなかったとの弁解をしている。2013年10月の台風26号直撃に伴う土砂災害(49名の死者・行方不明者)や2014年8月の広島市の豪雨による土砂災害(75名の死者、44名の重軽傷者)において、行政による避難勧告、避難指示の遅れが犠牲者の増加につながったとの非難の声が多かったにも拘らず、今回も行政側の不手際が露呈することになった。地震含めた自然災害が多く発生する日本において、リスク・マネジメント(想定内は当然として、想定外の事態に備える対策)の不十分さが浮き彫りになるのは、非常に残念なことである。
(注)台風“アータウ”:日本他14ヵ国からなる“台風委員会”が2000年以降、北西太平洋あるいは南シナ海の領域で発生した台風に、予め用意した140個の名前のリストから発生順に命名することにしたもので、“アータウ”は83番目の名前。なお、毎年台風は約26個発生するので、同リストの名前は約5年毎に一巡する。
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