米メディア;中国共産党政府主催の戦勝70年記念軍事パレード(3)(2015/09/03)
8月26日付「中国共産党主催の戦勝70年記念軍事パレード(2)」の中で、“中国外交部は、9月3日に開く「中国人民抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利70周年」の記念式典に、ロシア、韓国、ベラルーシ、エジプト、ミャンマー、パキスタン、ベネズエラの大統領を含めて30ヵ国からは首脳が、また、豪州、ブラジル、フランスの外相含めて19ヵ国からは閣僚級が出席すると発表した”と報じた。いよいよその記念行事を間近に控えて、中国政府が過剰なまでに対応している姿を米メディアがシニカルに伝えている。
9月1日付
『Yahooニュース』(
『AP通信』記事引用)は、「中国の記念軍事パレード、プーチン大統領以外大物出席せず」との見出しで、「9月3日の戦勝70年記念行事には、プーチン大統領、韓国の朴槿惠(パク・クネ)大統領、そして国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長が出席するものの、他の主要国首脳は一斉に出席を見合わせた。特に、連合国側で一緒に戦った、米国、英国、フランス、豪州の首脳が出席しないことで、中国習政権が世界に向けて、平和国家と世界に台頭する中国を示そうとした思惑が外れたと言える。...
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9月1日付
『Yahooニュース』(
『AP通信』記事引用)は、「中国の記念軍事パレード、プーチン大統領以外大物出席せず」との見出しで、「9月3日の戦勝70年記念行事には、プーチン大統領、韓国の朴槿惠(パク・クネ)大統領、そして国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長が出席するものの、他の主要国首脳は一斉に出席を見合わせた。特に、連合国側で一緒に戦った、米国、英国、フランス、豪州の首脳が出席しないことで、中国習政権が世界に向けて、平和国家と世界に台頭する中国を示そうとした思惑が外れたと言える。米国は、中国の南シナ海での傍若無人ぶりを声高に非難しており、駐中国大使を派遣するのみで、また、英国は、抗日の色合いが濃い今回の行事に懸念を抱き、一線を引いている、トニー・ブレア元首相を派遣するのみである。日本も、安倍首相は出席を見合わせ、代わりに、親中派の村山富一元首相を送ることにしている。」と報じた。
同日付
『ロス・アンゼルス・タイムズ』紙は、「中国の軍事パレードに、1万2千人の兵士、数百台の戦車等の他に、85万人の市民ボランティア、そしてサル・ハヤブサも」との見出しで、「軍事パレードを成功させるため、中国政府は(警察や武装警察に加えて)85万人の市民を治安ボランティアとして動員し、街の目抜き通りに立たせてトラブル発生に備えさせ、更に、サルやハヤブサも駆り出して、街路樹の鳥の巣などを徹底的に洗い出し、パレードの通る長安大通りから鳥などを追い出している。もちろん、長安大通り際の住民は外出禁止で、パレード行進中は窓は締めたままとし、また、バルコニーから眺めることも禁止している。」とし、「近郊の工場は操業停止とし、市内への車の乗り入れも半分に制限することで、記念行事開催中はスモッグ発生を抑え、北京に青い空を取り戻そうとしている。また、教育部の通達で、北京の小・中学生は全員記念行事を祝って、手に中国国旗を掲げ、紅歌(注後記)を歌うよう指導している。」と伝えた。
スモッグ対策はてき面のようで、微小粒子状物質PM 2.5の市内平均値が、8月31日まで12日間連続で1立法メーター当り20マイクログラムを割り込む、“最高ランク”を達成しているという。なお、一年程前までの北京の同数値は、1立法メーター当り250マイクログラムを上回っていた。これは大規模火災発生時の煤煙濃度以上にひどい数値である。一方、日本の環境省が定める環境基準値は、1立法メーター当り35マイクログラムで、この数値が2倍となった場合、外出の自粛等の注意喚起をすることになっている。
(注)紅歌:中国の共産主義革命や、毛沢東を賞賛する中華人民共和国の楽曲全般を指す用語。
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米メディア;史上最大のエルニーニョ現象で世界は大混乱(?)(2015/08/26)
8月19日付「2015年は地球上の最高気温を更新?」の中で、“米航空宇宙局(NASA)及び日本の気象庁(JMA)のデータによると、今年7月の気温は、記録が残る1800年代以降で最も高い。また、このままでいくと、2015年が地球上の気温が最も高くなった年となることが必至で、人工的に排出される温室効果ガスの増加と、今年のエルニーニョ現象(注後記)が特に強かったことが主要因と考えられる”と報じた。そして、米海洋大気局(NOAA)によると、今年のエルニーニョ現象は、過去最強だった1997~1998年の規模に匹敵し、更に上回る可能性があるとしているが、その影響で引き起こされる異常気象で、世界中が大洪水や大干ばつによる食糧危機等によって、大混乱に陥るおそれがあると米メディアが伝えた。
8月22日付
『ロス・アンゼルス・タイムズ』紙は、「1997-1998年の最強のエルニーニョ現象再来で今冬に起こるリスク」との見出しで、「1997-1998年の最大級のエルニーニョ現象の結果、カリフォルニア州では数ヵ月の豪雨や嵐による大洪水で、17人が犠牲となり、5億ドル(約600億円)以上の被害が発生した。しかし、今年3月にエルニーニョ現象が発生したと発表されて以来、ペルー沖の海水温は8月12日現在、平均より華氏3.6度(摂氏2度)も上昇していることから、今年のエルニーニョ現象は最大規模になると予想される。...
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8月22日付
『ロス・アンゼルス・タイムズ』紙は、「1997-1998年の最強のエルニーニョ現象再来で今冬に起こるリスク」との見出しで、「1997-1998年の最大級のエルニーニョ現象の結果、カリフォルニア州では数ヵ月の豪雨や嵐による大洪水で、17人が犠牲となり、5億ドル(約600億円)以上の被害が発生した。しかし、今年3月にエルニーニョ現象が発生したと発表されて以来、ペルー沖の海水温は8月12日現在、平均より華氏3.6度(摂氏2度)も上昇していることから、今年のエルニーニョ現象は最大規模になると予想される。」と報じた。
同日付
『USAトゥデイ』紙は、「専門機関、異常気象で飢饉の発生を予測」との見出しで、「米英異常気象・世界食糧事情研究機関によると、異常気象によって食糧難などが発生することが判っているが、今後、食物生産計画の改善や物流の高度化等がなされないと、特に穀物輸入国などで深刻な食糧危機が30年毎に発生するおそれがあるという。世界最大の食糧生産地のカリフォルニア州では、異常気象によって今後30%の耕地を失い、20億ドル(約2,400億円)近い被害が発生する可能性がある。特に今発生しているエルニーニョ現象が、“ゴジラ”レベルの最大級と予想されることから、今冬にかけて十分な対策が必須であるとしている。」と伝えた。
また、8月26日付
『Foxニュース』(
『AP通信』記事引用)は、「干ばつが続くカリフォルニア州、エルニーニョ現象が引き起こす嵐に備えられるか」との見出しで、「大干ばつのために森林や土地が疲弊しているところへ、最大規模のエルニーニョ現象によって引き起こされる嵐が襲来すると、森の木々はすぐになぎ倒され、これまで以上に早く洪水が発生するおそれがある。従って、カリフォルニア州公共土木部広報担当によると、同州では、池や運河の浚渫作業を急いで行い、急な増水に耐えられるように準備を始めているという。」と報じた。
一方、同日付
『ハフィントン・ポスト』紙は、「キューバで最大級の干ばつ発生」との見出しで、「一年近く続く干ばつに襲われているキューバでは、100万人以上の市民が政府手当ての給水で急場をしのいでいる。また、カリブ海の国々全体では、10人に1人が給水頼みという。しかし、今年発生のエルニーニョ現象の勢力が強いことから、今冬には干ばつが更にひどくなるおそれがある。キューバ政府は、あらゆる手段を講じる準備はしているというが、今現在でも貯水池に水がほとんどないため、コーヒー、米、サトウキビ等主要作物の多くが収穫できない状態であり、収入が大幅減少するだけでなく、今後の食糧危機が深刻である。」と伝えた。
なお、日本では、エルニーニョ現象が発生すると、冷夏と暖冬になる傾向があり、1997年は記録的な暖冬になった。ただ、JMAによると、今夏は偏西風の蛇行で、日本付近に高気圧が張り出した影響の方が大きく、猛暑になっているという。
(注)エルニーニョ現象:赤道付近のペルー沖から太平洋中部にかけて、4~5年に一度、海水温が平年より高くなる現象。発生海域のみならず、世界的な異常気象の原因となる。
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