トランプ大統領、金融規制緩和の大統領令(2017/02/06)
就任以来次々に大統領令を発表するトランプ米大統領は2月3日現行の金融規制を見直す大統領令に署名した。具体的には2008年の金融危機を受けてオバマ政権下で成立した金融規制改革法(ドッド・フランク法)を過剰な規制で金融機関の足かせになり銀行の融資拡大の支障になっているとして、全面的に見直す方針を出した。かつて金融危機は銀行・証券会社の強欲資本主義が原因であるという見方が支配し金融機関を厳しく縛る必要があるとの考えからこの法律が制定されたが、金融機関にとっては厳しすぎるという批判もあった。
この決定をウォール街は歓迎しているが、民主党議員は消費者保護が後回しになるとして懸念している。トランプ政権には財界から多くの人材が登用されたが、中でも大手投資銀行ゴールドマン・サックスのナンバーツーのポストから国家経済会議委員長に抜擢されたゲリー・コーン氏が今回の決定に大きく影響していると言われている。
2月4日付
『ヤフーニューズ』(AP通信引用)は、「トランプ大統領、銀行への金融規制につき攻撃開始」という見出しで、トランプ大統領は金曜日実業家、金融機関首脳との会談の後、金融危機後急いで立法された銀行規制を見直すという公約の実現に向けて大統領令に署名し、大銀行を規制から解放すると約束したと報じた。これをウォール街は歓迎したが、彼を支持して投票した多くの労働者を幻滅させる可能性を持つ。金曜日JPモーガン・チェースのダイモンCEOなど財界人との会談でトランプ大統領は、「立派な会社を経営している多くの友人が借り入れが出来ない。...
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2月4日付
『ヤフーニューズ』(AP通信引用)は、「トランプ大統領、銀行への金融規制につき攻撃開始」という見出しで、トランプ大統領は金曜日実業家、金融機関首脳との会談の後、金融危機後急いで立法された銀行規制を見直すという公約の実現に向けて大統領令に署名し、大銀行を規制から解放すると約束したと報じた。これをウォール街は歓迎したが、彼を支持して投票した多くの労働者を幻滅させる可能性を持つ。金曜日JPモーガン・チェースのダイモンCEOなど財界人との会談でトランプ大統領は、「立派な会社を経営している多くの友人が借り入れが出来ない。ドッド・フランク法の規制のため銀行が融資を制限しているため金が回らない」とのべ、規制が過度に経済と雇用創出を圧迫していると語った。
一方同法に基づき設立された消費者金融保護局に力を注いだ民主党のワレン上院議員は異なる見解を持つ。「トランプ大統領は選挙戦ではウォール街を批判したが、大統領になって彼が実際はどちらの見方であるかわかって来た。強欲さと向こう見ずで我が国をメタメタにしたウォール街は今頃シャンペンで乾杯しているであろうが、米国の人々は2008年の金融危機を忘れていないし、今日起こったことも決して忘れないであろう」と語る。消費者保護局は今回の見直しで最大の標的となると言われているが、ブッシュ政権下で財務次官を勤めたスウェーゲル氏は、「一般の産業より金融を優遇する政策であり反動が出てくるだろう」と語ったと伝えている。
2月4日付
『ブルームバーグポリティクス』は、「ドッド・フランク法の見直しを薦めるトランプ大統領側近の中、ゲリー・コーン氏浮上」という見出しで、トランプ大統領の経済政策に新たな顔が加わったが、1ヶ月前までゴールドマン・サックスのナンバーツーを勤めたウォール街の銀行家であると報じた。ゲーリー・コーン氏はゴールドマンからホワイトハウスに移り、財務長官の議会承認を待つ間、その間隙を埋めて重要な役割を果たしている。ホワイトハウスで強い影響力を持つ国家経済会議委員長として同氏はトランプ大統領の金融規制見直し方針策定で大きな役割を演じた。ムニューチン財務長官の議会承認がかつてないほど時間がかかっている中、議会承認を要しないコーン氏のトランプ大統領の経済政策責任者としての存在感が増していると報じている。
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トランプ大統領、NAFTAの再交渉を宣言(2017/01/23)
1月20日に米国の45代目の大統領に就任したトランプ大統領は22日早速選挙戦以来訴えて来た北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉について、メキシコ、カナダとの間で交渉を開始し、有利な改正が出来ない場合は離脱すると宣言した。
1月20日に米国の45代目の大統領に就任したトランプ大統領は22日早速選挙戦以来訴えて来た北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉について、メキシコ、カナダとの間で交渉を開始し、有利な改正が出来ない場合は離脱すると宣言した。
1月23日付
『ヤフーニューズ』(ロイター通信引用)は、「トランプ大統領、間もなくメキシコ、カナダとNAFTA再交渉開始」という見出しで、トランプ米大統領は日曜日間もなくカナダとメキシコの指導者と北米自由貿易協定の再交渉のための協議を予定していると発表したと報じた。...
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1月20日に米国の45代目の大統領に就任したトランプ大統領は22日早速選挙戦以来訴えて来た北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉について、メキシコ、カナダとの間で交渉を開始し、有利な改正が出来ない場合は離脱すると宣言した。
1月23日付
『ヤフーニューズ』(ロイター通信引用)は、「トランプ大統領、間もなくメキシコ、カナダとNAFTA再交渉開始」という見出しで、トランプ米大統領は日曜日間もなくカナダとメキシコの指導者と北米自由貿易協定の再交渉のための協議を予定していると発表したと報じた。トランプ大統領は大統領補佐官の宣誓式で、「NAFTA、移民、国境の安全保障について再交渉を開始する」と述べた。大統領は選挙期間中当選したらNAFTAの条項を米国に有利なものに改定するよう再交渉すると公約していた。1994年に発効したNAFTA及び他の貿易協定は、トランプ氏に大統領の地位をもたらした米国の工業地帯を成す州の有権者の怒りの矢面に立って来た。
貿易専門家、学者、政府関係者はカナダ、メキシコも同様に交渉には厳しい態度で臨むし、NAFTAの関税ゼロの改定は極めて困難と思われ、再交渉には数年を要するだろうと語る。
メキシコのペニャニエト大統領は汚職スキャンダルと高インフレで人気が低下しているが、トランプ大統領は同大統領を賞賛し、再交渉でメキシコ、米国、関係者全員にとって良い結果になると語る。トランプ大統領は当選以来メキシコへ生産を移転する米国会社へ関税を課すことを警告して来たが、米国の工場や雇用のメキシコ移転を中止させること以外に再交渉の具体案については触れていないと報じている。
1月23日付
『ブルームバーグポリティクス』は、「トランプ大統領、NAFTA交渉は良い結果に終わると誓う」という見出しで、トランプ大統領は、ホワイトハウスでの最初の仕事として選挙期間中中心的公約だった反自由貿易の旗を降ろすつもりはなく、NAFTAの再交渉を再確認したと報じた。世界の政治家や企業は、トランプ大統領が選挙期間中の保護主義的発言をどう政策に反映させるのかのヒントを得ようと大統領の発言に耳をそばだてている。大統領就任式及びホワイトハウスでの発言で見る限り、米国の利益に反する場合は共和党の伝統的自由貿易主義に捕らわれないと見ることができる。就任演説では、「我が国から製品の生産を奪い、会社を奪い、雇用を破壊する外国の略奪から国境を保護しなければならない。保護主義は繁栄と強さに貢献する」と発言した。トランプ大統領は今週英国のメイ首相と会談するが、カナダのトルドー首相とは土曜日電話で会談した後数日後に再度会談を予定しており、メキシコのペニャニエト大統領とは31日に会談予定であると報じている。
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