欧州連合は10日、SNSプラットホームが「テロ」と見なされる写真、ビデオ、オンラインメッセージがサイト上に投稿されているという報告を受けた場合、1時間以内に削除することを義務付けることに合意した。テロ行為の助長や、テロ活動への勧誘のためのオンラインプロパガンダを撲滅していく考えだ。
仏金融紙
『レゼコー』は、欧州は9日、テロとの戦い、そしてデジタルプラットフォームの規制において重要な一歩を踏み出したと報じている。「テロ」と見なされるコンテンツが報告された場合、プラットホーム側で最大1時間以内に撤回することを義務付ける規制が合意に達した。
欧州委員会が2018年に提案した今回の対テロネット規制は、ネットがテロ行為の宣伝や勧誘のための重要なツールになっていることを考慮して、優先的に検討されてきたという。...
全部読む
仏金融紙
『レゼコー』は、欧州は9日、テロとの戦い、そしてデジタルプラットフォームの規制において重要な一歩を踏み出したと報じている。「テロ」と見なされるコンテンツが報告された場合、プラットホーム側で最大1時間以内に撤回することを義務付ける規制が合意に達した。
欧州委員会が2018年に提案した今回の対テロネット規制は、ネットがテロ行為の宣伝や勧誘のための重要なツールになっていることを考慮して、優先的に検討されてきたという。イルヴァ・ヨハンソン内務総局局長は、「テロリストのプロパガンダを止めることは、過激化に対する我々の活動の中心にある。この規制は、オフラインで違法なものはオンラインでも違法であることを保証するものだ」と述べている。
この規制は、欧州議会と理事会でまだ正式に採択される必要があるが、2021年末または2022年初頭に発効される見通しとなっている。
『レゼコー』は、迅速な削除の義務化は、世論やオンラインプラットホームに対する強いメッセージを送ることになると指摘している。時間内に削除しない場合、または取られた措置について十分な透明性を示すことができない場合、「テロコンテンツ」の撤回を要求する加盟国が直接決定できる罰金にさらされることになる。
今回の規制は、WhatsAppやTelegramのようなインスタントメッセンジャーアプリに対しても新たな制約をもたらすことになると見られている。
仏日刊紙『ルフィガロ』によると、中道派とリベラル派を集める「Renew Europe」党の欧州議会議員Maite・ Pagazaurtundua氏は、約2年に及ぶ交渉の末にたどり着いたこの案は、「過剰に、又は内密にではなく、単純に、違法なコンテンツのみを削除するものであり、ユーザーの表現の自由が保証されている」と述べている。
しかし、NGOの「Liberties」は、この規制が「基本的権利への脅威」をもたらすと懸念を表明した。特に「EU内の独裁的政権が、テロコンテンツを漠然と定義することでネットを検閲し、反体制の声を抑圧することが懸念される」と訴えている。
閉じる
ジョン・ラトクリフ米国家情報長官(55歳)は、ドナルド・トランプ大統領(74歳)に反旗を翻して昨年8月に解任された前任者(ダン・コーツ氏、77歳)の後任が9ヵ月間空席のままであったのを今年5月に引き継いだばかりである。しかし、来年1月に民主党政権に取って代わられることから退任は避けられない。ただ、在任7ヵ月間ではあるが、中国が米国及び西側諸国にとって最大の脅威であることは思い知ったようで、後任長官及び議会に対して、中国の悪行を改めて強調する檄を飛ばし、対中強硬政策を継続するよう訴えている。
12月4日付
『AP通信』:「米国家情報長官、中国が米国にとって最大の脅威だと強調」
来年1月に退任を余儀なくされるジョン・ラトクリフ米国家情報長官は12月3日、第二次大戦後の国際社会で中国が米国及び西側諸国にとって最大の脅威となっていると改めて強調し、ジョー・バイデン政権も対中強硬政策を継続するよう訴えた。
同日付『ウォールストリート・ジャーナル』紙に寄稿したもので、同長官は、“中国は明らかに米国及び西側諸国を凌駕して、経済的にも軍事的にも、また最新技術分野においても圧倒的に支配しようと企んでいる”とし、“中国主導の公的プロジェクトも国営企業も、中国共産党の政策を体現する隠れ蓑として活動している”と非難した。...
全部読む
12月4日付
『AP通信』:「米国家情報長官、中国が米国にとって最大の脅威だと強調」
来年1月に退任を余儀なくされるジョン・ラトクリフ米国家情報長官は12月3日、第二次大戦後の国際社会で中国が米国及び西側諸国にとって最大の脅威となっていると改めて強調し、ジョー・バイデン政権も対中強硬政策を継続するよう訴えた。
同日付『ウォールストリート・ジャーナル』紙に寄稿したもので、同長官は、“中国は明らかに米国及び西側諸国を凌駕して、経済的にも軍事的にも、また最新技術分野においても圧倒的に支配しようと企んでいる”とし、“中国主導の公的プロジェクトも国営企業も、中国共産党の政策を体現する隠れ蓑として活動している”と非難した。
更に同長官は、“中国の経済スパイは、「略奪し、模倣し、そして取って代わる」との策略の下、米国企業の情報や技術を盗み出し、模倣し、そして世界市場で優位に立とうとしてきている”とも強調した。
これに対して、当然のことながら中国は反発し、外交部(省に相当)の華春瑩報道官(ホア・チュンイン、50歳)は12月4日の定例会見で、“中国の評判を落とし、また米中関係を棄損するため、このような偽情報を流し、政治的偏見を植え付けようとしている”と非難した。
トランプ政権は、一時は習近平国家主席(シー・チンピン、67歳)と友好的関係にあったが、直近では台湾問題、チベット族弾圧、貿易不均衡、香港人権問題、更には南シナ海領有権争いを理由に対中制裁を科してきている。
また、機密情報漏洩問題を契機に、中国の通信機器大手メーカーの華為技術(ファーウェイ、1987年設立)を締め出し、ソーシャルメディアのティックトック(バイトダンス社運営の動画共有サービス)及びウィーチャット(テンセント社開発のインスタントメッセンジャー・アプリ)の禁止措置を講じている。
ラトクリフ長官自身、退任について言及していないが、今後国家情報業務を担う高官に対中強硬政策継続を望むとして、国家情報部門の総予算850億ドル(約8兆8,400億円)の多くを対中政策に充てるように予算編成をしたと表明している。
一方、司法省は、米機密情報漏洩事件摘発の一例として、中国の発電用風力タービン・メーカーの貨鋭風電(シノベル、2004年設立)が、米エネルギー技術メーカーのAMSC(1987年設立)と締結した8億ドル(約840億円)の技術提携契約を悪用して、全額支払うことなくAMSCの風力タービン独自技術を盗み出したと認定した。
この結果、AMSCの700人近くの雇用が失われ、また同社に10億ドル(約1,040億円)余りの損害を与えたという。
なお、トランプ大統領はジョー・バイデン次期大統領(78歳)のことを対中軟弱政策主義者だと批判しているが、バイデン氏は、中国が国際貿易ルールを遵守せず、中国企業に不公平な補助金を与え、また米国の最新技術を盗み出しているという指摘に同意している。
同日付『ウォールストリート・ジャーナル』紙:「米国家情報長官:中国は米国及び西側諸国の最大の脅威と強調」
ラトクリフ長官は本紙への寄稿の中で、中国が米国企業や国家機関から最新技術を盗み出しているとの事例をいくつも挙げた。
一例として、習国家主席が主導する人民解放軍最新鋭化のために、ファーウェイ製通信機器などを使って、米国防総省の機密情報も盗み出していると指摘した。
そして同長官は、米議会議員に対して、中国が仲介者を使って如何に米議会工作を行っているかについても詳細に助言したとも言及した。
なお、バイデン次期大統領は、次期国家情報長官として、エイブリル・ヘインズ元中央情報局CIA副長官(51歳)を候補に挙げている。
閉じる