新型コロナウイルス、キューバやドバイなどで「ワクチン観光」が台頭(2021/02/18)
新型コロナウイルスワクチンの世界的な不足を背景に、キューバやアラブ首長国連邦のドバイのような、観光産業を基盤としている国々が、観光業を復活させる機会として「ワクチン観光」に期待を寄せている。新型コロナウイルスワクチンを接種するために遠出を躊躇しない観光客向けに魅力的なパッケージを提案し、需要を掘り起こそうとしている。
仏放送局
『フランスアンフォ』によると、アラブ首長国連邦のドバイは、新型コロナウイルスの感染拡大防止対策にいち早く取り組んだ国だという。最初の感染者が確認されるやいなや大々的なPCR検査を実施し、現在はワクチン接種キャンペーンを積極的に繰り広げている。年内には国民の7割が摂取できることを目標としている。ドバイは世界の大手メーカーと契約を結び、国内居住者であれば駐在員を含め、無料でワクチンを選択して接種できる。...
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『フランスアンフォ』によると、アラブ首長国連邦のドバイは、新型コロナウイルスの感染拡大防止対策にいち早く取り組んだ国だという。最初の感染者が確認されるやいなや大々的なPCR検査を実施し、現在はワクチン接種キャンペーンを積極的に繰り広げている。年内には国民の7割が摂取できることを目標としている。ドバイは世界の大手メーカーと契約を結び、国内居住者であれば駐在員を含め、無料でワクチンを選択して接種できる。既に300万人が接種しているが、テレワークで働ける外国人向けに数ヵ月の短期ビザも発行するようになり、接種対象を広げようとしている。
仏ニュースメディア『マリアンヌ』や米『フォーブス』によると、イギリスの高級会員制旅行会社「ナイツブリッジ・サークル」は65歳以上の会員向けに、ドバイの太陽を満喫しながら2回分の予防接種を受けられるツアーを提供しているという。ツアーパッケージには、ファーストクラス航空券またはプライベートジェット機の利用、接種証明書、そして最大1ヵ月間の宿泊費が含まれる。摂取したいワクチンも米ファイザー製か中国シノファーム製のワクチンのうちどちらかを選択できる。この5万5千ドル(約580万円)のツアープランが宣伝されるようになってから既に2000人が会員申し込みの申請を行ったという。
また、『フランスアンフォ』によると、キューバでは今のところ、4つのワクチンすべてがまだ試験段階にあるものの、開発が最も進んでいるソベラナ2は4月までに市場に出回る可能性があり、地元当局は夏までに全人口に注射し、その後、観光客にも対象を広げることを期待している。1100万人の人口に対し、1億回分のワクチンを生産する計画を立てている。キューバは、経済の大事な柱となっている観光産業の復興のために、夏休みを兼ねた海を満喫できるワクチンツアーの提供を考え始めている。
『フォーブス』によると、外国に行って治療を受けるという医療観光そのものはワクチン観光以前から、人気が高いものだったと報じている。世界における医療観光のガイド本「Patients Beyond Borders」は、メキシコとコスタリカは歯科治療、美容整形外科、処方箋薬で最も人気のある旅行先であり、タイ、インド、韓国は整形外科、心臓血管、癌、不妊治療などのより複雑な処置で最も人気があると紹介している。
今後は、コロナワクチン接種のための旅行も、人気の医療観光に含まれる可能性が考えられる。
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トルコ、欧州との関係改善を望む姿勢を見せる(2021/01/18)
2020年、東地中海におけるギリシャとの海底資源争いなどを巡り、欧州との関係が悪化したトルコ。しかし2021年に入り、突如欧州との関係修復の希望を表明した。エルドアン大統領は12日、トルコの首都アンカラで欧州各国の大使を前に、「欧州との関係を元に戻したい」との意向を笑顔で述べた。
仏
『ヨーロッパ1』によると、トルコのエルドアン大統領は12日、地中海東部の海底資源探査を中心に多くの問題で強い緊張が続いてきたトルコと欧州連合(EU)の関係を「軌道に戻す」準備ができていると述べた。同大統領は、「我々は、我々の関係を軌道に乗せる準備ができている」とし、「我々はEUの友人が同じ意志を示すことを期待している。」と演説で述べた。
実は12月に開催されたブリュッセルで開催されたEU首脳会議で、トルコのギリシャとキプロスに対する地中海での「違法かつ攻撃的」な行為を処罰することが決定された。...
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『ヨーロッパ1』によると、トルコのエルドアン大統領は12日、地中海東部の海底資源探査を中心に多くの問題で強い緊張が続いてきたトルコと欧州連合(EU)の関係を「軌道に戻す」準備ができていると述べた。同大統領は、「我々は、我々の関係を軌道に乗せる準備ができている」とし、「我々はEUの友人が同じ意志を示すことを期待している。」と演説で述べた。
実は12月に開催されたブリュッセルで開催されたEU首脳会議で、トルコのギリシャとキプロスに対する地中海での「違法かつ攻撃的」な行為を処罰することが決定された。会議では、トルコの東地中海における探査活動に関与する個人を対象とした個別制裁措置が採択された。
その後トルコ当局は、ここ数週間で、ギリシャとトルコの海事紛争に加えて、シリア、リビア、そして最近ではナゴルノ・カラバフでの紛争におけるトルコの役割に関連する摩擦解消を解決するために、欧州との対話の呼びかけを増やした。
インド『ビジネス・スタンダード』によると、エルドアン大統領はEU大使らを前に、トルコのEU加盟は英国の離脱によって引き起こされた不確実性を克服するのに役立つと信じているとも語った。ブレグジットによってもたらされている不確実性は、トルコがEUの中に正当な地位を獲得することによってのみ解消することができると述べた。
英『デイリー・エクスプレス』によると、トルコのメブリュト・チャブシオール外相も15日、スペインのアランチャ・ゴンサレス・ラ外相との会談に先立ち、トルコがEUに加盟したいとの意向を改めて表明した。
しかし欧州議会議員の中からは、反発の声が上がっている。イタリアの欧州議会議員ステファニア・ザンベリは「トルコが再び欧州に上陸しようとしている。私たちはいつも言ってきた。トルコがヨーロッパに上陸することはない。」とツイートした。フランスの欧州議会議員エレーヌ・ラポルテも「ノーです」とツイートした。
仏ニュース誌『マリアンヌ』によると、イスタンブールにあるガラタサライ大学の政治学者アフメット・インセル氏は、トルコのこの方向転換は驚くべきことではないと述べている。「正直言って、エルドアン大統領の戦略に目新しさは感じない」と語り、「態度をころころ変えることは、ヨーロッパに対してここ何年も使ってきた方法だ」と指摘している。今回の態度は、トランプ政権よりも厳しい姿勢を取る可能性のあるバイデン政権と疎遠になることのないように、様子見の姿勢ではないかと思う」と説明している。
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