11日、100年前物理学者アインシュタインが相対性理論で予言した2つのブラックホールの衝突で発生する重力波を米カリフォルニア工科大などの研究チームが観測したと発表。重力波は音にも変換されており、研究チームの一員でコロンビア大学宇宙物理学者は、「これまで空を見て音楽を聴くことは出来なかったが空はこれまでとは同じではない」と述べた。宇宙の絶え間ない衝突の観測により、これまで机上の空論、SF映画だったものへの探求がはじまり次世代の科学技術発展への新たなドアが開かれた。
2月11日付
『ロイター通信』は、「アインシュタインの重力波の画期的検出」との見出しで次のように報道している。
・これまでの常識では、宇宙は可視光線、赤外線、エックス線、ガンマ線のような電磁波を研究対象としたが、このような波形は宇宙に放たれると干渉を受け、そこから得られるデータは限定的なものとなる。重力波はこのような干渉を受けないため、多くの情報を我々に与えてくれ宇宙の謎を解くカギとなる。...
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2月11日付
『ロイター通信』は、「アインシュタインの重力波の画期的検出」との見出しで次のように報道している。
・これまでの常識では、宇宙は可視光線、赤外線、エックス線、ガンマ線のような電磁波を研究対象としたが、このような波形は宇宙に放たれると干渉を受け、そこから得られるデータは限定的なものとなる。重力波はこのような干渉を受けないため、多くの情報を我々に与えてくれ宇宙の謎を解くカギとなる。例えばブラックホールは電波のような光を発しないが重力波により研究可能となる。
2月12日付
『ヤフーニュース』は、次のように報道している。
・記者会見で研究チームは、9月14日、11億ドルの非常に繊細な2対の大型観測装置「LIGA」(レーザー干渉重力波観測装置)で観測された重力波はより理解し易くする為に波形は音に変換されたが拡声してもやっと聞こえる程度であったとした。
・物理学者の中にはこの発見を2012年の「ヒッグス粒子の発見と同等もしくはより画期的とする意見もあり、ガリレオの天体観測くらい天体の概念を変える大革命である。宇宙飛行士もこの観測を歴史的偉業と湛えた。
・重力波は相対性理論の一部として1916年アルバート・アインシュタインにより初めて仮説が立てられた。この理論を打ち出した際は重力波の観測は非常に困難だった為彼は今後科学者がこれの観測をすることはないと考えていて、20世紀の科学者らは理論の存在をも疑問視していた。
同日付米
『USAトゥデイ』は、「画期的発見:アインシュタインが仮説した重力波」との見出しで以下のように報道している。
・「フィジカル・レビュー」の速報誌で発表。
・過去にはエラーが複数あったため、重力波を捉えた初期段階では信憑性が疑われていたが、数か月に及ぶ分析により本物であることを突き止めた。ルイジアナ州立大学の当発見のスポークスマンであるガブリエイア・ゴンザレス氏によると。エラーである確率は僅か20万年に一度。
・科学者らはブラックホールそのものの片鱗を見たことは一度もなく、ブラックホールの端で形成される重力波の研究はブラックホールの核心に迫るものである。
同日付米
『マッシャブル』は、「やっと重力波を発見、これでタイムトラベルが可能に?」との見出しで以下のように報道している。
・13億年前の重力波の観測に成功し宇宙の法則の解明が進むと、一般人の間には「これでタイムトラベルが可能になるのか」という疑問が湧き上がる。
・宇宙時間を宇宙空間を織りなす織物と例えると、星、ブラックホール、惑星や天体等等の影響を受けて我々が地上で受ける重力が形成されており、これを研究することは宇宙時間のコントロールの可能性を広げ時空旅行が可能となると考えられる。
・しかし今回の発見だけではそれはかなわない。だとしても今回の発見は物理学的には重要。ブラックホールの衝突は宇宙時間に大きな嵐を起し、地球を通過する際宇宙時間の断絶が観測できるようになり赤外線や紫外線だけでなく重力という新たな切り口で宇宙観測ができる。
・タイムトラベルをあきらめる必要はない。今回の発見で、宇宙と時間の新たな探索が可能となり、何れ宇宙旅行を、時空旅行をも可能にする大発見があるかもれない。その第一歩はまずは宇宙をよく知ることだ。
同日付米
『ニューヨーカー』は、「重力波は存在する。研究者が遂に観測した経緯」との見出しで以下のように報道している。
・10億年以上前、遥か彼方の2つのブラックホールが回転しながら衝突、光の速さの重力エネルギーが発生、宇宙と時空にゆがみが生じた。太陽の62倍のエネルギーは新たなブラックホールを形成。宇宙は再び静寂を取り戻したがわずかな残りのエネルギーが逃げ出した。重力波は四方八方に飛び次第に勢力が衰えていく。その頃地球では恐竜が出現し衰退したが、重力波も進行を続ける。5万5千年前銀河系に突入。百年前アインシュタインが重力波の存在を予言、研究が行われた。22年前大型観測装置LIGOの建設が始まる。そして昨年9月14日午前11時、重力波は地球に到達する。32歳のLIGO共同研究チームの一員マルコ・ドラゴが最初の発見者だった。アルバート・アインシュタイン・インスティテュート社のコンピュータの前に座っていた
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昨年、中国がヒトの遺伝子操作を行うことを発表して話題となったが、今回イギリス
でも同様の研究を進めることが明らかとなった。各メディアは次のように報じてい
る。
2月1日付
『BBCニュース』(英)は受精および胚研究機関(HFEA)が、フランシス・
クリック研究所に対し受精卵の遺伝子操作の許可を与えたと報じている。同記事はこ
れにより人間の生命のごく初期の段階の研究が進むだろうとする。ただし、今回遺伝
子操作が施される受精卵は、あくまで研究目的であり、女性の子宮に戻されることは
ないという。これに対しては遺伝子を自由に組み合わせたいわゆる「デザイナー・ベ
イビー」への道を拓くとする批判もあるという。
中国では昨年、世界で初めてヒトの遺伝子操作が行われて話題になったが、この場合
のガイドラインは非常に曖昧だったとされる。これに対し今回はガイドラインが明示
され、そのガイドラインに則った実験が許可されている。
今回の実験は、7日経過までの受精卵に対してナイアカン博士により行われるとい
う。博士はこの実験の目的を「健康な赤ん坊の出生のための遺伝子的条件を探るこ
と」とする。「流産や不妊は近年珍しいことではないが、仕組みはよく分かっていな
い。これらのメカニズムを解明したい」。
実験は寄付された受精卵により来月から数か月かけて行われる予定だという。
同日付
『ロイター通信』(米)では今回行われる実験では、中国で採用されたのと同
じ方法であるCRISPR-Cas9という方法が用いられることになっており、1つの細胞は7
日間で250に増えると報じられている。
ナイアカン博士には遺伝子操作による「デザイナー・ベイビー」を作る意図はなく、
Oct4と呼ばれる遺伝子を研究することにより、人間の生命形成の初期の謎を解明した
いと語っている。Oct4は受精卵の初期段階において極めて重要な役割を担っていると
考えられている。
同日付
『マッシャブル』(米)によると、イギリスでは流産は妊娠全体数の15~20%
の割合で起こっており、そのうちの85%は12週までの妊娠初期段階でのものだとい
う。
今回の実験結果は遺伝子性疾患である筋ジストロフィーや、HIVの治療法解明にも役
立つとみられている。
遺伝子操作に関する法規制は国によってまちまちで、アメリカでは国による資金提供
は認められていないが、民間レベルでの資金提供は問題無いとされる。
なお、前述の中国による遺伝子操作はうまくいかなかったことが報告されている。
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