ロシアは、追加動員を余儀なくされる程ウクライナ戦争では旗色が悪い。そうした中、そのロシアと緊密な提携をしてきているキューバにおいて、若者を誘拐しロシア兵としてウクライナ戦争に送り込もうとした犯罪集団が摘発されている。
9月8日付欧米
『ロイター通信』、9月9日付英国
『メトロ』オンラインニュース、ニカラグア
『ハバナ・タイムズ』、キューバ国営
『プレンザ・ラティナ（ラテン・アメリカ通信社）』等は、ロシアと盟友関係にあるキューバにおいて、若者を誘拐してロシア兵としてウクライナに送り込もうとした犯罪集団が摘発されたと報じている。
キューバ内務省の幹部セサル・ロドリゲス氏は9月7日晩、TVニュース番組に出演して、キューバ人の若者を言葉巧みに誘導して、ウクライナに送り込みロシア兵として戦わせようとした犯罪集団を検挙したと発表した。
同氏は、“誘拐組織集団による犯罪捜査の結果、目下のところ17人を逮捕した”と言及した。
同氏は逮捕者の氏名等を明らかにしなかったが、犯罪集団頭目がキューバ居住の2人を使って、若者を誘拐さながらに騙してロシア軍に兵力として有償提供しようとしたとしている。
救出された2人のキューバ人青年の話によると、「フェイスブック」を通じてロシア側での労働者の求人があり、内容はウクライナ戦争で損壊したビルや家屋の修繕等の業務であったという。
しかし、当人らがロシアに到着した途端、パスポートやその他重要書類が取り上げられ、強制的にロシア軍の訓練に派遣されたという。
今回無事に助けだされたのは、彼らの母親らが息子の消息が不明でキューバ当局に掛け合ったことから、具体的捜査が進められたためだとする。
ホセ・ルイス・レイエス検察官は、逮捕された犯罪者たちは、人身売買や、騙して外国で傭兵として戦わせようとした罪によって、懲役30年、あるいは終身刑、最悪の場合死刑が宣告される可能性があるとコメントした。
ロシアは、旧ソ連時代より共産主義の盟友として長い間キューバと緊密であったことから、経済低迷の本国を脱出して移住するには重要な行先であり、2022年だけで約1万1千人のキューバ人がロシアに渡航している。
ウラジーミル・プーチン大統領（70歳、2000年就任）自身も昨年、ロシア軍の兵力確保のため、外国人が傭兵として希望すれば市民権を与えるとする大統領令に署名していた。
この背景には、苦戦に喘ぐウクライナ戦線で、ロシア軍が40万人を目標として志願兵を募る必要があったと言われている。
なお、キューバ政府は、ウクライナ戦争に関わる意向はないとし、また、市民権を餌にキューバ人を傭兵として酷使しようとするロシア側政策を非難している。
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9月23日付米
『Yahooニュース』（
『AFP通信』記事引用）：「日本の首相、“新しいページを開く”ためキューバ訪問」
「●安倍晋三首相は9月22日、日本・キューバ間の“新しいページを開く”ため、現役首相として初めてキューバ訪問。
●安倍首相は、フィデル・カストロ前評議会議長及びラウル・カストロ現議長とそれぞれ会談し、両国間の関係再構築と核なき平和の達成に相互協力していくこと等を確認。
●日本は、1970～1985年の間、キューバにとって2番目に大きな貿易相手国であったが、1990年代初めのソ連崩壊に伴いキューバ経済の逼迫もあって二国間貿易が激減し、2014年には僅か3,500万ドル（約35億円）まで減少。
●なお、日本政府は9月19日、日本が抱える対キューバ債権を6億600万ドル（約615億円）まで減額することに合意したと発表。」
同日付米
『Foxニュース』：「安倍氏、現役首相として初めてキューバを訪問し、経済連携強化を模索」
「●日本とキューバは9月22日、日本がキューバに対して、約10億円（990万ドル）の医療関係機器・機具買い付け用に無償資金協力を行うことで合意。
●安倍首相は、キューバ両巨頭それぞれとの会談において、北朝鮮の核開発の危険性が世界にとって大きな問題になっていることを訴え、北朝鮮との関係が緊密なキューバ政府に対して、北朝鮮との対話による問題解決への協力を依頼。
●なお日本政府は、安倍首相のキューバ訪問に弾みをつけるためか、これに先立つ9月19日、日本が保有する対キューバ債権額1,800億円のうち、1,200億円（11億9,000万ドル）を免除することに合意。」
同日付英
『メール・オンライン』（
『ロイター通信』記事引用）：「日本の首相、フィデル・カストロ氏との会談で北朝鮮の核開発問題を提起」
「●外務省の川村泰久報道官は9月22日、フィデル・カストロ前評議会議長と会談した安倍首相が、北朝鮮の核開発は国際社会の平和と安定にとって大きな問題になっていることを訴え、北朝鮮と緊密な関係にあるキューバに対して協力を要請したと発表。
●フィデル・カストロ氏は2003年、世界で初めて原爆を投下された広島を訪問し、核兵器廃絶の思いを強くしているが、今回安倍氏に対して、対話を通じて北朝鮮の問題を平和裏に解決すべきとの見解を表明。
●なお、安倍氏は、ラウル・カストロ現評議会議長と会談し、両国間の経済連携の再構築に向けて協議。
●これに先立ち、日本側はキューバに対する中長期債権額の7割近くを免除しているが、中国初め、キューバとの貿易を活発化している日本の競争相手は、既に対キューバ債権の大幅減額済み。」
同日付キューバ
『ハバナ・タイムズ』オンラインニュース：「キューバ、安倍首相の訪問を
歓迎」
「●安倍首相のキューバ歴訪は初のことだが、これに先立つ2015年5月、岸田文雄外相が初めてキューバを訪問して、両国間の関係再構築の端緒。
●一方、キューバ側からは、2003年にフィデル・カストロ氏が広島訪問して以来初めて、ミゲル・ディアス＝カネル副議長が訪日して、両国間関係修復の地ならし。」
一方、同日付香港
『サウス・チャイナ・モーニング・ポスト』オンラインニュース：「日本
の安倍晋三首相と中国の李克強首相、キューバとの関係強化のため相次いでキューバ訪問」
「●安倍首相の9月22～24日間のキューバ訪問に続いて、李克強（リー・コーチアン）首相も9月24～28日にキューバ訪問。
●日中とも、首相級のキューバ訪問は初めてだが、それぞれキューバとの経済連携強化が目的。
●なお、中国は現在、キューバにとって2番目に大きい貿易相手国であり、習近平（シー・チンピン）主席は既に2度キューバ訪問済みであり、更に、両巨頭であるカストロ兄弟も複数回訪中。
●日中両首相の相次いでのキューバ訪問で、日中両国が東南アジアはもとより、アフリカでもしのぎを削っていることが浮き彫り。」
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