5月下旬に伊勢志摩で、主要7ヵ国首脳会議(G-7サミット)を仕切ることになる安倍首相にとって、7月予定の参院議員選挙をも睨んだ上で、日本経済の立て直し、すなわちアベノミクスの継続的発展は是が非でも際立たせる必要がある。1月末の日本銀行による、史上初めてのマイナス金利導入に理解を示したかと思えば、今度は、ノーベル賞受賞の米経済学者らの進言を踏まえて、既に一度延期されていた来年4月の消費税増税を、更に延期させる手筈を整えようとしている。躍起になって短期戦略を実施しようとしている日本の金融財政事情について、各国メディアが伝えている。
3月25日付米
『AP通信』の報道記事「安倍首相、専門家の助言で二度目の増税見送りを熟考」:
「・安倍首相は、3月中旬及び下旬に開催した“国際金融経済分析会合”において、米国の2人のノーベル賞受賞の経済学者から、増税先送りの助言を受けて、当初2015年10月実施となっていた10%への消費税増税を来年4月に延期していたものの、再度見送ることを考え始めている模様。
・米コロンビア大学のジョセフ・スティグリッツ教授とプリンストン大学のポール・クルーグマン教授から異口同音に、今の日本の経済は脆弱で、再度の消費税増税を実行するタイミングではないとの助言。...
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3月25日付米
『AP通信』の報道記事「安倍首相、専門家の助言で二度目の増税見送りを熟考」:
「・安倍首相は、3月中旬及び下旬に開催した“国際金融経済分析会合”において、米国の2人のノーベル賞受賞の経済学者から、増税先送りの助言を受けて、当初2015年10月実施となっていた10%への消費税増税を来年4月に延期していたものの、再度見送ることを考え始めている模様。
・米コロンビア大学のジョセフ・スティグリッツ教授とプリンストン大学のポール・クルーグマン教授から異口同音に、今の日本の経済は脆弱で、再度の消費税増税を実行するタイミングではないとの助言。
・一時はアベノミクス政策で景気上向き傾向にあったが、予想以上の中国経済成長減速によって産業界が打撃を受け、更に、原油価格の低迷によって、日銀が目指した消費者物価指数2%上昇も全く見通せない状況。」
3月24日付英
『ロイター通信英国版』の報道記事「安倍首相、日銀に円安を望むなかれ」:
「・安倍首相は3月24日、日銀に円安誘導の金融政策を望んでいないと言明。
・日銀の金融政策実施後、円安に振れたが、黒田総裁は決して円安誘導を図った訳ではないし、今後も同様と信じると断言。」
3月25日付英
『Yahooニュース英国版』(
『AFP通信』記事引用)の報道記事「日本の物価
指数、2月は0%」:
「・3月25日の総務省発表によると、2月の消費者物価指数は、2ヵ月連続の0%となり、デフレ脱却を標榜する安倍首相に打撃。
・同指数は、昨年11月及び12月に+0.1%であったが、年明けで減退。
・資源価格の下落と円高に振れたことで、輸入額が減少したことが直接の原因。
・日銀が標榜する物価指数+2%達成時期を来年としているが(原案は2015年達成)、SMBC日興証券の牧野チーフエコノミストは、今後しばらく物価上昇実現を期待するのは困難とコメント。」
3月24日付カナダ
『グローブ&メール』紙(
『ロイター通信』記事引用)の報道記事「日本
企業、預金金利がマイナスになれば現金を金庫保管に変更」:
「・ロイター通信が3月3~17日の間、500社余りの大手・中堅企業に対してアンケートを行ったところ、62%の会社が日銀のマイナス金利政策について、事業及び消費者心理に悪影響を与えるとして失望。
・銀行側がもし多額の普通預金(欧米のチェッキングアカウントに相当)にマイナス金利、すなわち手数料を適用することになったら、複数の会社が現金を金庫保管に変更すると回答。
・家電量販店のヨドバシカメラによると、金庫の売上げが昨年比40~50%増加。」
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先週末パリを襲った同時多発テロが誘発した世界的緊張は、ご他聞にもれず上海市場をも覆った。今後期待された新規株式公開から資金が逃げるのではとの疑惑から上海株は1%超下落した。一方、その後2016-2020期に実施される中国の「第13次五カ年計画」が公表されたが、投資家たちは習近平国家主席が示唆した「年間経済成長率6.9%で充分」とのサインを完全に無視したため、上海株は4%超も急騰した。パリ同時多発テロの発生前11/8には、上海株は20%超の急騰を見せていた。
『ビジネス・オンライン』 11/19--[上海株、新規株公開ラッシュを見込んで上海株下がる]パリ・テロ攻撃直後高まる緊張が世界の市場不安を煽った結果、潜在的新規株式公開が資金流動性を同市場から逃がすのを投資家が懸念したため、上海株は11/18下落した。上海総合指数[SHCOMP]は+0.48%で1%の下げ、香港恒生指数は+1.19%で0.2%の下げ、一方、日経平均株価[NIK]は+1.07%で0.1%の上げ、オーストラリアS&P/ASX 200指数[XJO]は+2.13%で0.3%の上げ、韓国コスピ指数[SEU]は+1.33%で変わらずだった。
『テレグラフ』 11/19--[次期中国五ヵ年計画の詳細が公表され、世界第2の大規模経済国での成長は鈍化するとはいえ、改革への期待を高めたため、上海株が11/18、4%超急騰した、とディーラーは語った]中国の独裁政党の中国共産党は11/17、先週の最高首脳者会議に続いて、資本市場自由化へのアッピールなどを盛り込んだ2016-2020成長計画要綱を出した。年間成長率6.5%で十分だと語った中国主席習近平がほのめかした過去より低い経済成長というサインを、投資家は一笑に付した。中国は第3四半期に世界的金融危機の煽りを食って以降、GDPが直近6年間で最低の6.9%に止まり、過去最低の経済成長率を記録していた。
『グローブ&メール』 11/8--[中国の上がり相場は増収なしと悲観視される]ある人は既にこうした悪夢を経験しており、その時中国株式市場の強気筋にとってハッピーエンドで終わることはなかった。企業収益の低迷の上に築かれた5ヶ月間にわたる株式ブームは、5兆ドルの大暴落を招いたが、今も同じシナリオが展開中だ。指標の上海総合指数は、銘柄構成企業の68%に対しアナリストが追跡推定した第3四半期つまり期待はずれの減益が続く連続8四半期目だったにもかかわらず、指標の上海総合指数は20%超も急騰した。
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