アフガニスタンの首都カブールの空港から国外退避することが日ごとに難しくなっていく中、アフガン戦争に参加したアメリカの退役軍人などで構成された精鋭部隊が25日の水曜日の夜、「パイナップル・エクスプレス」と名付けられた大胆なレスキューミッションを開始し、数百人のアフガニスタン人とその家族を空港まで避難させた。
米
『ABCニュース』と英
『インデペンデント』によると、現役の米軍特殊部隊メンバーと退役軍人が、米軍や米国大使館と非公式に協力しながら、アフガニスタンでアメリカに協力してくれた、できるだけ多くのアフガニスタン人を安全な場所に非難させるために大胆な任務を遂行した。
この危険な任務は、先週木曜日にISISの戦闘員と思われる自爆テロが空港を攻撃したとき、まだ進行中であった。パイナップル・エクスプレスの支援で避難した何人かは、この爆発で負傷した。
救助活動を指揮したスコット・マン陸軍中佐(グリーンベレー退役軍人)は、「ISISが爆弾を爆発させる数秒前まで、アフガニスタンに残っていれば危険であったはずの個人、小さな子供を持つ家族、孤児、妊娠中の女性を、夜通しカブールの通りを密かに移動させていた」と語っている。
日没後の真っ暗闇の中、非常に危険な状況下で、米軍や米大使館と非公式に連携しながら、ハミド・カルザイ国際空港の米軍管理側の電線の中を移動したという。1人ずつ、あるいは2人1組など、常に少人数で移動させた。
今回の任務は、「タスクフォース・パイナップル」と呼ばれる非公式のグループによるもので、マン氏と一緒に活動していた元アフガンの兵士が、タリバンから殺害予告のメールを受けていたため、緊急に助けようとしたところから始まった。元アフガンの兵士とその家族6人は救出され、この救助活動は1週間のうちに数百人に拡大したという。
マン氏によると、この作戦では、途中でタリバン兵士と何度も遭遇し、殴られるなどしたが幸いにも身元が判明することはなかったという。マン氏は、「この困難な作戦は、飛行場内の非公式なヒーローたちが、空港の外は助けてはいけないという命令を無視して、下水路に足を踏み入れ、携帯電話でパイナップルを点滅させていた人々を特定して誘導してくれなければできなかった」と述べている。
先週の木曜日の朝の時点で、500人ものアフガニスタン人とその家族を一晩のうちにカブールの空港に移動させ、全員を米軍の保護管理下に引き渡したという。その前の1週間では130人を空港まで連れて来た。
任務に参加した元海軍特殊部隊員のジェイソン・レッドマンは、「一晩中、ジェットコースターのようだった。あの混沌とした環境で、避難しようとしている人々はとても恐怖を感じていた。みんなとても疲れていて、私は彼らの立場に立って考えようとしていた」と語り、少なくとも630人のアフガニスタン人の命を救ったこの活動を振り返って、「自国の政府がこれをやらなかったことに深い不満を感じている。私たちのグループは、アメリカ人としてすべきことをやった。」と述べた。
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アフガニスタンからの米軍撤退に伴い、カブールのハミド・カルザイ国際空港で、数千人の外国人やビザを取得したアフガニスタン人がタリバンの新体制から逃れようとする絶望的な光景を世界が目撃した中、イギリスでは、イギリスと米国のこれまでの特別な関係が「崩壊」し始めているという声が上がっている。
英
『BBC』によると、8月14日以降、英国では15,000人以上が避難しているものの、入国する権利のある数百人の人々が取り残されている。29日付け時点で、英国政府のために働いていた人を含め、約800から1100人のビザを持つアフガニスタン人と、100から150人の英国人が国外退避できていないことが懸念されている。
英『インデペンデント』によると、下院国防委員会のトビアス・エルウッド委員長は、英国はアフガニスタンからの撤退をめぐる「話し合いに含まれていなかった」と述べ、「関係は以前のものではなくなっている」と指摘している。...
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英
『BBC』によると、8月14日以降、英国では15,000人以上が避難しているものの、入国する権利のある数百人の人々が取り残されている。29日付け時点で、英国政府のために働いていた人を含め、約800から1100人のビザを持つアフガニスタン人と、100から150人の英国人が国外退避できていないことが懸念されている。
英『インデペンデント』によると、下院国防委員会のトビアス・エルウッド委員長は、英国はアフガニスタンからの撤退をめぐる「話し合いに含まれていなかった」と述べ、「関係は以前のものではなくなっている」と指摘している。
軍人としてアフガニスタンに派遣された経験を持つエルウッド委員長は、ラジオ番組のインタビューで、「なぜ英国は立ち上がって、タリバンに追われることになるアフガニスタン人、米国が守る義務がある彼らを国外退避させたいのであれば、まず軍を撤退させるのでなく、民間人を脱出させてから自分たちが撤退させるべきだと、アメリカに指摘しなかったのか。」と語っている。そして、「我々は話し合いに参加させてもらえなかった。我々が提供できるのは、ある程度のハードパワーと効果的なソフトパワー以外に、特に思想的リーダーシップであったはずなのに、英国はその逆を行ってきた」と語った。
「英国は物事を別の視点から見て、別の見解を提供することができたが、裏ルートが消えてしまっており、以前のような関係ではなくなってしまった。その結果、地政学的に大きな決断が下され、国際的な法のルールを実際に支持し、守る、英国と米国が善の力としての立場のあり方に、より大きな影響が出てくると思う。」と述べている。
2010年から2012年まで英国政府の初代国家安全保障顧問を務めたリケッツ卿は、米国のアフガニスタン撤退への対応を受けて、英国は外交政策のスタンスを「再考」する必要があると述べている。リケッツ卿はラジオ番組のインタビューで「英国にとっては屈辱的な期間であった」と述べ、「残念ながら、ジョー・バイデンは米国の政治をNATO同盟の結束よりも優先させ、英国はその決定においてあまり重要ではなかったということがわかった。」と述べている。「しかし、私たちは、アメリカ人を、私たちの意見を考慮しながら、同盟国と協力するところに戻す必要がある。アメリカ人なしに外交政策を考案することはできない。だから、気持ちを入れ替えて、バイデンと率直に話し合い、彼と一緒に仕事をするようにしなければならない。」と主張している。
英『エクスプレス』によると、アフガニスタンに派遣された際、勇敢な行動により、戦功十字勲章を授与されたトレバー・コルト氏は、エクスプレスの取材に対し、バイデン大統領は「精神的に不安定」であり、大統領の意思決定は理にかなっていないと指摘した。同氏は「バイデン政権がなくなるまでは、アメリカとは二度と同盟関係を結ぶべきではないと思う。」と語った。
また、コルト氏は、バイデン大統領がすでに100人以上の米軍幹部から大統領としての意思決定能力の欠如、健康状態、自由世界のリーダーとして仕事を遂行する能力に対して懸念を抱いているという不信任決議の手紙を受け取っていることを指摘した。「124人のアメリカ人将校がホワイトハウスに手紙を出し、バイデンがその地位にいることに満足していないことを公にしたのは、今年の5月のことだった。明らかに彼らは我々よりも何かを知っていた。バイデンは自分を窮地に追い込む道を進んでいる。」と述べている。
そして同氏は、バイデン大統領の試みが失敗に終わったことで、米国の特殊部隊の退役軍人たちがアフガニスタンでの避難活動を支援するためのタスクフォースを編成し、自らアフガニスタン人の救出のために動いていることを指摘した。「英国がうんざりしているだけでなく、アメリカ人も、アメリカ軍も、アメリカ市民も、我々と同じようにうんざりしている。」と述べた。
英『ファイナンシャルタイムズ』は、今から約20年前、当時イギリスの首相だったトニー・ブレアは、アメリカのジョージ・W・ブッシュ大統領に「何があっても私はあなたと一緒にいる」と誓った。この言葉は、2001年のアフガニスタン侵攻の際にも証明され、ここ数日の混乱した撤退の際にも変わっていないと伝えている。しかし、英国は、バイデン大統領の8月末までの米軍撤退決定に同意していないことを、公私ともに明らかにしてきた。英国防参謀長であるニック・カーター将軍は、バイデン大統領が4月に発表したわずか2日後に、これは「我々が望んでいた決定ではない」と認めた。
そして今月23日、オンライン首脳会議でのバイデン大統領のスピーチは、アフガニスタンからの米軍撤退の決定を真っ向から支持するもので、英政府の多くの人々は衝撃を受けた。英国の外交政策に携わるある高官は、「厳しい口調」と「人道的大惨事に対する謙虚さの欠如」を批判した。保守党のある幹部は、バイデンの演説を「完全に異常」と評し、「アメリカ・ファーストではなく、アメリカ・オンリー」だと付け加えた。
こうした中、英『テレグラフ』によると、カブール陥落後に英内閣関係者の一部が米大統領のことを「ぼけているように見える」、「頭がおかしくなっている」とコメントしたことに対して、バイデン大統領は英国に「恨みをおぼえる」ことになるだろうと米関係者がテレグラフ紙に語ったという。そして、「英国人は自分たちの意見を持っている。しかし、彼らは気をつけなければなりません。注意が必要です。バイデンはなかなか忘れません。」と指摘した。
「誰かが自分について本当に悪いことを言った場合、その人には二度と話さないというのがバイデンのやり方です。彼は恨みを抱く人です。ジョンソン首相はそれを認識するべきです。」と述べている。
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