一卵性双生児の一方が突然変異(2021/01/08)
新たな遺伝学研究によると、一卵性双生児のうちの一人にのみ存在する突然変異が発見された。これまで一卵性双生児は遺伝的に同一であると仮定され、その違いは遺伝要因が大きく影響していると考えられていたが、胎芽の初期段階での突然変異により、ゲノムが変化すると考えられるという。
1月8日付米国
『ABC』は「一卵性双生児は完全なクローンではないとする研究」との見出しで以下のように報道している。
新たな研究によると、一卵性双生児のDNAの違いは受精後の最初の2週間で現れるという。双子の兄弟にそっくりだと言われるのに抵抗がある人にとっては、遺伝子が同じではないのだから、それが一理あるということになる。
アイスランド大学とdeCODE社の遺伝学者Kari Stefansson氏は、7日「ネイチャー・ジェネティクス」に掲載された論文で、387組の一卵性の双子とその親、子どもや配偶子のDNA配列を解析、初期の胎芽が二つに分裂する前に突然変異が生じることを突き止めた。...
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1月8日付米国
『ABC』は「一卵性双生児は完全なクローンではないとする研究」との見出しで以下のように報道している。
新たな研究によると、一卵性双生児のDNAの違いは受精後の最初の2週間で現れるという。双子の兄弟にそっくりだと言われるのに抵抗がある人にとっては、遺伝子が同じではないのだから、それが一理あるということになる。
アイスランド大学とdeCODE社の遺伝学者Kari Stefansson氏は、7日「ネイチャー・ジェネティクス」に掲載された論文で、387組の一卵性の双子とその親、子どもや配偶子のDNA配列を解析、初期の胎芽が二つに分裂する前に突然変異が生じることを突き止めた。一方の細胞に変異が見られ、もう一方には全く見られない。しかし、時に、双子の第二番目には、一部の細胞(全部ではない)に変異が見られたという。
一卵性双生児は初期遺伝の違いが平均5.2あるが、15%、一部には100%までに相違が見られることが分かったという。これらの変異は初期の遺伝コードでは小さな量だが、背の高低が似ていない双子や、一定のガンのリスクがより高い双子がいるという現象を説明できるものである。
これまで多くの研究者が、一卵性双生児の身体的な相違点は殆どが栄養状態やライフスタイルなどの環境的要因だと考えてきた。カリフォルニア州立大学で双子の研究をするNancy Segalは、この研究を非常に高く評価。「これは遺伝子学と環境の影響について新たな見地を切り開くもの。双子は良く似ているが完全に同じではない。」としている。
同日付英国『ガーディアン』は「一卵性双生児はそれほど似ていないとする論文」との見出しで以下のように報道している。
一卵性双生児について、生まれつきか、生育環境の影響かを巡る議論に新風を巻き起こす新たな研究。一卵性双生児の双子は、分裂した一つの受精卵を持つが、「ネイチャー・ジェネティクス」誌に掲載された研究によると、初期の胎芽発達で遺伝的相違が始まるという。これは、一卵性の双子は遺伝的相違点が最少減だと考えられていたため、重要な発見となる。
身体的、行動的な相違が生じた場合、環境要因が大きな原因だと想定されていた。典型例は、離れて育った一卵性双生児で、双子のうちの1人が自閉症を発症すれば、環境が原因だと解釈されてきたが、これは非常に危険な結論つけである。疾患は双子の一方(反対側ではない)の初期遺伝変異によるものである可能性があることになる。
この研究では、胎芽の成長過程で起きる突然変異を解析。突然変異とはDNA配列の変異であり、遺伝的に善悪両方の微小な変化、身体的特徴や一定の病気への感受性を決定付ける。そして一卵性双生児は初期の発達変異は5.2と示され、双子の15%においては、分岐変異がより高い割合で見られたという。双子一方にのみ、もう片方の双子の細胞から派生した遺伝変異が生じたと考えられる。
著者は、ツインの発達を考える上でこの変異は興味深いという。遺伝子が異なるという前提だと、「一卵性でそっくりなという言葉自体が双子の誤解を生む事に繋がるだろう」と述べている。
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中国がオーストラリアの中国国営テレビ局のキャスターを拘束(2020/09/01)
オーストラリア外務省によると、オーストラリアの中国国営テレビの英語ニュースキャスター、チェン・レイ(Cheng Lei)氏が中国当局に拘束されたという。中国の新年の党大会などの政治報道や、企業や大使館などのイベントの司会で中国でも有名な人物だという。中国とオーストラリアは、貿易や安全保障問題を巡り緊張関係が続いている。
8月31日付豪
『ABCニュース』は「オーストラリアの中国政府系英語ニュース局CGTNのアンカー、チェン・レイが中国で拘束される」との見出しで以下のように報道している。
中国政府系英語ニュースの有名なキャスターが中国で拘束され、豪州と中国の関係に新たな問題が生じている。
ペイン外相によると、、8月14日にチェン・レイ(Cheng Lei)氏が中国当局に逮捕されたとの正式な通達があり、先週豪州の外交官がビデオ電話で会話を許されたという。...
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8月31日付豪
『ABCニュース』は「オーストラリアの中国政府系英語ニュース局CGTNのアンカー、チェン・レイが中国で拘束される」との見出しで以下のように報道している。
中国政府系英語ニュースの有名なキャスターが中国で拘束され、豪州と中国の関係に新たな問題が生じている。
ペイン外相によると、、8月14日にチェン・レイ(Cheng Lei)氏が中国当局に逮捕されたとの正式な通達があり、先週豪州の外交官がビデオ電話で会話を許されたという。
同氏の友人が数週間メッセージに返信がないことを心配し、局の同僚の間で懸念が広がっていたという。
CGTNで8年のキャリアがある局ホームページからは同氏の紹介動画が削除されていた。
起訴はされていないが、特定の場所で監視された状態にあるという。正式逮捕の前に、捜査官が弁護士や外部からの接触を断ち、最大6か月間容疑者を投獄や尋問可能。
チェン氏の支援者は、司法手続きを進めているという。
同氏の小さな子ども達はメルボルン市内の家族のもとにおり、家族は声明を出している。
チェン氏はCGTN局で司会者やレポーターとして8年務め、中国の新年の党大会の報道など、政治問題を扱える司会者として信頼されてきた。最初に中国で2001年就職、ビジネスアナリストとして、CGTNの前身CCTV局に2002年入局しており、同局でのキャリアはビジネス分野からスタート。
中国とシンガポールの金融チャンネルCNBCアジアで9年務めた。
ビジネス協会や豪州大使館などの様々なイベントの司会を務めており、北京の豪州コミュニティでも有名人。
豪州のアンカーが中国で拘束されたのは、昨年スパイ行為で逮捕された元中国政府職員Yang Hengjunに続き2人目。
7月、豪政府は中国への渡航情報として、任意に拘束される危険があると警戒勧告を追加している。
同日付豪『シドニー・モーニング・ヘラルド』は「オーストラリアのテレビアンカー、チェン・レイが中国で拘束」との見出しで以下のように報道している。
中国系オーストラリアのテレビ司会者チェン・レイが中国で拘束されたという。
チェン氏は中国出身のジャーナリスト、クイーンズランド大学卒、メルボルンのCadburyとExxonMobilで5年勤務、2003年中国帰国前に豪市民権を取得。
米国テレビ局CNBCの中国特派員を9年務めた。2013年からは英語ニュースの国営メディアCGTNでビジネス担当記者となった。
2018年には外務省推進プログラムの一環で、豪の教育システムを賞賛。
コロナウィルス、香港問題、ウイグル人弾圧、東シナ海進出を巡り、オーストラリアと中国の貿易関係が緊張状態にある中、この問題が生じた。同じ中国系オーストラリア人で民主化活動家のYang Hengjun氏も中国の国家安全保障を脅かした疑いで、中国国家安全局に逮捕され、1年半以上刑務所に入っていた。
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