2月7日付Globali「ASEAN国防相会議で南シナ海における行動規範制定間近と期待するも、中国は着々と人工島に最新鋭4Gネットワーク導入」で触れたとおり、中国は東南アジア諸国との対話を継続する姿勢を見せる一方で、南シナ海域の中国主権と主張する島嶼・人工島の領土としての開発を着々と進めている。そして今度は、平時には貨物輸送に、有事では監視や戦闘に投入可能な大型無人船舶開発のための世界最大のテストサイトを、南シナ海入口の珠海(チューハイ)に建設し始めた。
2月13日付シンガポール
『ザ・ストレーツ・タイムズ』紙(
『AFP通信』配信):「中国、無人船舶開発のためのテストサイトの建設に着手」
中国国営メディア『新華社通信』は2月13日、中国が南シナ海入口の珠海に、平時・有事に利用可能な大型無人船舶のテストサイトの建設に着手したと報じた。完成すれば、770平方キロメーターの広さの世界最大規模のサイトになるという。
無人船舶が開発されれば、乗員スペースが不要となる分多くの貨物が積載でき、かつ、人件費がかからず大幅にコストが削減され、また、有事の際も様々な用途で投入可能という。...
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2月13日付シンガポール
『ザ・ストレーツ・タイムズ』紙(
『AFP通信』配信):「中国、無人船舶開発のためのテストサイトの建設に着手」
中国国営メディア『新華社通信』は2月13日、中国が南シナ海入口の珠海に、平時・有事に利用可能な大型無人船舶のテストサイトの建設に着手したと報じた。完成すれば、770平方キロメーターの広さの世界最大規模のサイトになるという。
無人船舶が開発されれば、乗員スペースが不要となる分多くの貨物が積載でき、かつ、人件費がかからず大幅にコストが削減され、また、有事の際も様々な用途で投入可能という。
なお、無人船舶の開発は欧州や米国で盛んに行われており、ノルウェーは今年、世界で初めて電動の自律航行貨物船を進水させる予定である。
同日付香港『サウス・チャイナ・モーニング・ポスト』オンラインニュース:「中国、南シナ海入口に世界最大の無人船舶テストサイト建設開始」
広東省(クワントン)の『広州(クワンチョウ)デイリィ』ニュースサイトによると、中国が建設に着手した、完成後は世界最大規模となる無人船舶開発テストサイトは、広東省珠海市が管轄する万山(マンシャン)諸島に施設を設けるという。
珠江(チューチアン)デルタ(注後記)域内に建設される万山海洋テストサイトには、最新鋭通信設備、ナビゲーション・レーダー、自動係留設備などが設営される。
同テストサイト建設報道の数日前、『人民日報』は、中国が初めて、珠江デルタ域内の東莞市(トンコワン)沖を6.8メーター長の無人船に監視航行させたと報じている。
軍事専門家によると、同テストサイト建設は、平時及び有事に投入可能な大型無人船舶を開発していく長期戦略の一環だという。
同日付中国『環球時報』:「世界最大規模の無人貨物船テストサイト建設が南シナ海で始まる」
2月12日付『科技日報』によると、アジア初、そして完成すれば世界最大規模となる無人船舶テストサイトは、771.6平方キロメーターの広さで、無人船舶開発・実験航行のための様々な設備が設営されるという。
中国当局の意図は、同サイトにおいて無人船舶の技術開発に取り組み、やがてこの分野で世界をリードすることであるとする。
なお、中国における無人操作技術開発は進んでおり、2017年12月、世界最速の国産無人自動車“天星(チアンシン)-1”を世に出している。
また、無人船舶についても、世界に先駆けて2019年に、自律航行貨物船“筋斗雲(チントーユン)”を進水させる計画である。
(注)珠江デルタ:中国珠江河口の広州、香港、深圳市(シェンチェン)、東莞市、マカオを結ぶ三角地帯を中心とする地域の呼称。英語名パール・リバー・デルタ。
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