中国WeChat、豪首相のアカウントを乗っ取り内容修正か
オーストラリアのスコット・モリソン首相は、数ヶ月前に中国のメッセンジャーアプリWeChatの公式アアカウントへのアクセスをブロックされ、中国系オーストラリア人に向けた情報発信が出来なくなっていることが判明した。今年の総選挙を前に中国当局による妨害行為の一環だと見られている。
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『エポックタイムズ』によると、モリソン首相のWeChatアカウントを運営する代理店は、モリソン首相が英国で開催されたG7会議に出席していた2021年半ば、同アカウントへのコンテンツ投稿に問題があることを発見したという。フォロワーは約7万6000人いたが、今月初め、運営チームに知らされないままアカウントが大幅に変更された。モリソン首相の写真は削除され、アカウント名も「スコット・モリソン」から「オーストラリアに住む中国人の新しいライフスタイル」に変更されていた。...
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『エポックタイムズ』によると、モリソン首相のWeChatアカウントを運営する代理店は、モリソン首相が英国で開催されたG7会議に出席していた2021年半ば、同アカウントへのコンテンツ投稿に問題があることを発見したという。フォロワーは約7万6000人いたが、今月初め、運営チームに知らされないままアカウントが大幅に変更された。モリソン首相の写真は削除され、アカウント名も「スコット・モリソン」から「オーストラリアに住む中国人の新しいライフスタイル」に変更されていた。
米『ABCニュース』によると、オーストラリア議会情報安全保障合同委員会のジェームズ・パターソン委員長は、オーストラリアのラジオ番組に出演した際、オーストラリア政府はWeChatに対してアカウントへのアクセス権復活の要請を出しているものの返答がないままであることを明らかにした。そして、中国共産党が5月までに行われる総選挙を前に、首相を検閲していると非難した。また、パターソン氏は、「中国政府が、選挙を行う年にオーストラリアのアカウントを閉鎖したことは、オーストラリアの民主主義に対する外国からの干渉である。他の政治家たちがWeChatを利用して、この検閲を正当化するようなことがあってはならない」と付け加えた。
パターソン氏は、このプラットフォームを利用する120万人の中国系オーストラリア人が、首相のニュースにアクセスできない一方で、野党指導者の政府批判を見ることができるのは問題だと指摘した。
与党自由党の議員で元外交官のデイブ・シャーマ氏は、この妨害は中国政府によって認可された可能性が高いと述べている。同氏は、モリソン首相はオーストラリアの中国人移民とつながるためにWeChatを活用してきたが、プラットフォームは最終的に中国共産党によってコントロールされていると指摘している。「中国政府が許可した可能性が高く、北京の言論の自由と表現の自由に対する態度を示している」。
『ロイター通信』によると、オーストラリアの2大政党自由党と労働党は2019年から、激戦区ではWeChatを活用して中国系のオーストラリア人有権者向けの情報発信を行ってきた。政府は、5月に予定されている総選挙に向けて、2月1日から始まる春節(旧正月)の期間中にモリソン首相のアカウントを利用して政策をアピールすることを狙っていた。しかし、アカウントのアクセス権が止められたことにより、情報発信の手段が奪われてしまった。
なお、2020年12月にも、アフガニスタンにいるオーストラリア兵の画像をめぐってオーストラリアと中国の間で政治的な論争が起こった際、モリソン首相のWeChatアカウントが一時的にブロックされたことがあった。
英『デイリーメイル』は、新型コロナウイルスのパンデミックが始まって以来、オーストラリアと中国の関係が悪化していると伝えている。モリソン首相が2020年に、武漢市で発生したウイルスの起源について独立した調査を行うよう求めたところ、中国が報復として、大麦、牛肉、綿花、材木、海産物、ワインなどの主要輸出品に数十億ドル相当の恣意的な禁止措置と関税を課した。
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ウクライナ問題、米バイデン大統領が久しぶりの正式記者会見で大失言
アメリカのバイデン大統領は就任1周年を迎える前日の19日、昨年11月以来となる久しぶりの記者会見を開いた。しかし、バイデン大統領はウクライナ問題に対する回答で、ロシアに侵入を促すかのような発言をしたことが波紋を呼んでいる。
『AP通信』によると、会見前半、バイデン大統領は、手元のリストをもとに特定の記者に呼びかけるという、予め設定された流れを守って会見をすすめていた。しかし、「CNNの記者が、混乱を招いたアフガニスタン撤退と新型コロナウイルスの検査キット不足など、アメリカ人の多くが政府の能力に懸念を抱いていることに言及した質問を投げかけたことをきっかけに、大統領は暴走し始めた」という。「大統領は手当たり次第に記者を当て始め、極めて伝統的な大統領記者会見が、2時間近くに及ぶ全く別のものになった。...
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『AP通信』によると、会見前半、バイデン大統領は、手元のリストをもとに特定の記者に呼びかけるという、予め設定された流れを守って会見をすすめていた。しかし、「CNNの記者が、混乱を招いたアフガニスタン撤退と新型コロナウイルスの検査キット不足など、アメリカ人の多くが政府の能力に懸念を抱いていることに言及した質問を投げかけたことをきっかけに、大統領は暴走し始めた」という。「大統領は手当たり次第に記者を当て始め、極めて伝統的な大統領記者会見が、2時間近くに及ぶ全く別のものになった。」
そうした中、政治専門誌『ザ・ヒル』によると、バイデンは、ロシア軍による「小規模な侵攻」であれば、米国からそれほど攻撃的な反発を受けないかもしれないと示唆した。この発言はソーシャルメディアで話題になり、記者会見の後半で2人目の記者がバイデンにこの件について再度質問した。しかし、その質問への受け答えにも失敗し、今度はロシアの限定的な侵攻となれば、NATO側からの統一した対応が難しくなることをほのめかした。
同誌は、「バイデンの饒舌さは、過去に問題を起こしたことがあるが、19日に再びそれが証明された。」と伝えており、「問題の核心は、バイデンの発言が弱々しく、臆病に聞こえたことであり、プーチンはこれを最大限利用することが懸念される。」と述べている。「特に、今回、ロシアとの交渉におけるアメリカ政府のアプローチは、本気であることを示すことにあった。しかし、バイデンは記者会見で、明白な理由もなく、自らの戦略に墓穴を掘ってしまった」。また、「国内政治の面では、このような発言は、民主党は世界の舞台では弱々しいとする保守派の非難を一層強めるものとなる。」と指摘している。
米日刊紙『ロサンゼルスタイムズ』と英『デイリーメイル』によると、ホワイトハウスと西側諸国首脳は20日、ウクライナへの侵攻を阻止することを目的とした数週間に及ぶ米国主導の激しい外交が台無しになることがないよう、バイデン大統領の失言による被害の収拾に努めたという。
バイデン大統領は翌日の20日、用意された原稿を読み上げ、「プーチン大統領にははっきりと伝えている。誤解はない。もしロシアの部隊がウクライナの国境を越えるならば、それは侵略である。一致された、厳しい経済制裁で対応することになる」と述べた。
英国のジョンソン首相は、「どんな規模であれ、ウクライナへの侵攻は、ウクライナだけでなく、ロシアにとっても大惨事となるだろう」と述べた。また、NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長はCNNで、「ロシアはウクライナに対して軍事力を行使しない」ように呼びかけ、バイデンの発言は侵略を促すものではないと説明した。
一方、ウクライナの大統領は、自国への「小さな」侵攻でさえも破滅的であり、「大国には、小さな侵略や小国というものは存在しないことを認識してもらいたい。愛する人を失うことに対し、取るに足りない死傷者、少しだけの悲しみなどは存在しない」と反論した。同国の外相は、「小規模な侵略」は「半分攻撃的」であると言っているようなもので、非論理的であると指摘した。
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