欧州で女性宇宙飛行士の積極採用へ(2021/02/17)
欧州宇宙機関(EPA)は、新たに宇宙飛行士を採用するにあたって、女性や障害のある人に門戸を広げ、ダイバーシティ(多様性)推進に努める意向を示している。
2月17日付英国
『ガーディアン』は「欧州で女性や障害のある宇宙飛行士を積極採用へ」との見出しで以下のように報道している。
欧州宇宙機関が月や火星ミッションに26人の宇宙飛行士を採用へ。16日同機関は11年ぶりの新規採用ではダイバーシティ(多様性)を確保し、女性や障害のある人を起用する意向を示している。
3月末から8週間の期間で行われる公募では、非常に多くの募集があるとみられ、2022年10月まで厳しい選考プロセスが続くだろうとしている。...
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2月17日付英国
『ガーディアン』は「欧州で女性や障害のある宇宙飛行士を積極採用へ」との見出しで以下のように報道している。
欧州宇宙機関が月や火星ミッションに26人の宇宙飛行士を採用へ。16日同機関は11年ぶりの新規採用ではダイバーシティ(多様性)を確保し、女性や障害のある人を起用する意向を示している。
3月末から8週間の期間で行われる公募では、非常に多くの募集があるとみられ、2022年10月まで厳しい選考プロセスが続くだろうとしている。採用条件は自然科学、エンジニアリング、数学、コンピュータサイエンス分野での修士号と三年の実務経験となる。
イタリア人宇宙飛行士のSamantha Cristoforetti 氏は、有人飛行におけるテクノロジーの進化で障害のある人にも機会が訪れた。宇宙旅行に関しては、我々の誰もが障がい者なのだ。」としている。有人飛行はスペースX等の民間企業の協力で、カザフスタンの草原にあるバイコヌール宇宙基地のみで行われている。
2月16日付米国『AP通信』は「欧州宇宙機関が新規宇宙飛行士に多様性求める」との見出しで以下のように報道している。
欧州宇宙機関が11年ぶりに宇宙飛行士を募集、ダイバーシティ拡大が目標の一つだとしている。欧州のNASAにあたる当機関は、今年宇宙渡航を夢見る障がい者や、女性宇宙飛行士を増員する計画だという。
これまで宇宙に渡航した560人のうち女性は65人のみで、その65人中51人はアメリカ人女性である。ESA所属の女性飛行士は2名のため増員でバランスを取る。また、宇宙機関で障がい者に門戸を開いたのは今回のESAが初めてだという。
飛行士ロボット探査部長David Parker氏は、「社会のあらゆる層の人を入れることは非常に重要だ。ESAは出身、年齢、経歴、性別だけでなく、身体的障害の多様性も考慮する」としている。同機関は、国際パラリンピック委員会の基準に基づく下肢障害や身長130CM未満の人の採用を考慮するとしている。
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フランス軍、未来の脅威を予想する「SF作家」隊の活動始まる(2020/12/14)
フロランス・パルリ仏国防相は4日、未来の脅威を予想する活動を担う「レッドチーム(Red Team)」を正式に発足させた。10名のSF作家で構成されたこのチームは、2030年から2060年にかけてフランスを襲うと思われる脅威を、作家としての自由な発想力を活かしながら、予想を立てていく。
仏金融紙
『レゼコー』によると、この「レッドチーム」プロジェクトは、装備総局(DGA)傘下の防衛イノベーション機構(AID)が2019年末に立ち上げたもので、国防省はこのプロジェクトについてSNSやYoutube、Vimeoなどで積極的に発信してきた。
AIDに寄せられた600人の応募のうち、当選したのは10人。SFシリーズ『オマル 導きの惑星』の作者ローラン・ジュヌフォールなどをはじめ、フランス国内で有名な漫画家や脚本家、スリラーの作者などが選ばれている。...
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仏金融紙
『レゼコー』によると、この「レッドチーム」プロジェクトは、装備総局(DGA)傘下の防衛イノベーション機構(AID)が2019年末に立ち上げたもので、国防省はこのプロジェクトについてSNSやYoutube、Vimeoなどで積極的に発信してきた。
AIDに寄せられた600人の応募のうち、当選したのは10人。SFシリーズ『オマル 導きの惑星』の作者ローラン・ジュヌフォールなどをはじめ、フランス国内で有名な漫画家や脚本家、スリラーの作者などが選ばれている。また、文章で提出されたものの視覚化していく担当のイラストレーターやデザイナーや、調査や研究の専門家として著名社会学者などがメンバーとなっている。
軍事省はレッドチームの公式サイトで、「彼らの仕事は、軍の、さらには省外の活動における戦略的、作戦的、技術的、組織的思考を養うことを目的としており、極秘扱いとなる内容も出てくる」と説明している。
レッドチームは、海面上昇、コンピュータの脅威、ロボット兵士など、フランス軍と共に技術や軍事的な課題を予測するために、未来を想像していく。パルリ国防相は「サイエンス・フィクションを通してフランスの利益、順応性、戦略的自律性を守るための行動を起こしていく」と述べている。
レッドチームのメンバーの1人、作家のローラン・ジュヌフォールは、仏政治ニュース誌『ル・ポワン』のインタビューで、レッドチームに参加を決めた理由を語っている。自分で考えたことだけを書いていく、問題を起こさない、以外は完全に自由にやってよいと言われた点や、ハイレベルの専門家と仕事をすることができる点が決め手だったと言う。
活動内容については、「私たちは、知識の厳密な応用というよりは、想像力を駆使しているものであり、先見の明に近い。未知の事柄を既知の事柄から推定していくことに取り組んでおり、それが現実的であるかどうかは問題ではない、最も重要なことは、考える体験である」と語っている。
軍と一緒に仕事をすることで、フランスのSF界で批判されたり排斥されたりするのは怖くないのかという質問に対し、ジュヌフォール氏は、次のように答えている。「自分たちのやっていることを調べようともしないような人たちに批判されたり、判断されたりすることになるだろう。独断的な、議論が不可能になるようなことを警戒している。」また、「SF界で議論が起こるとするならば、それは健全なことだ。 生きた社会であることを証明している。これが罵りや嫌がらせ、脅迫になってくるとすれば、それは問題だ」と語った。そして、匿名を希望するレッドチームのメンバーがいることも理解できると付け加えた。
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