90万年前と現在では、全く異なる2つの問題が存在している。すなわち、現在では、人類が80億人の過剰人口の問題を抱えているが、我々の祖先も、ありふれた種の絶滅の危機を歩んできたと考えられている。
サイエンス誌に投稿した国際科学者グループによると、約90万年前に、ホモサピエンスの祖先は、約10万人から約1000人に減少したことを報告している。
人類の人口増加のボトルネックは、数十万年継続したと見られ、その期間、人類の存在は不安定な状態を維持していた。...
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90万年前と現在では、全く異なる2つの問題が存在している。すなわち、現在では、人類が80億人の過剰人口の問題を抱えているが、我々の祖先も、ありふれた種の絶滅の危機を歩んできたと考えられている。
サイエンス誌に投稿した国際科学者グループによると、約90万年前に、ホモサピエンスの祖先は、約10万人から約1000人に減少したことを報告している。
人類の人口増加のボトルネックは、数十万年継続したと見られ、その期間、人類の存在は不安定な状態を維持していた。フランス国立科学センター(CNRS)古生物遺伝子の専門家のセリーヌ・ボン氏によるとこのことを主張していたのは今回が初めてではなく10年前から従来の遺伝子解析手法でも人類の人口減少を発見していたという。
なお、新たな手法によると、これまでにない正確さでの推定が可能となる。以前の研究によると、有名な‘ボトルネック’は10万年前から100万年前のいずれの時期にも発生していたと予測されていた。今回の科学研究グループは、1000人以下の精度で90年前の人類の絶滅に関する推定が可能になったという。すなわち、専門家たちによると、人類の将来は、子孫を残すことのできる年令にある‘1280人’の双肩にかかっていたという。
この厳密な個体数は、大昔に生存した人口をもとに算出している。国立自然史博物館(MNHN)の古生物学者アントワン・バルゾー氏によると、今回の報告書の興味をそそる点は、過去に関する古生物学的データ解析を‘フィットカオル’と呼ばれる新たな手法(精度95%)を用いて行ったことである。対象となる祖先が生存した集団の遺伝子多様性を調べることで多くの情報が得られるという。例えば、遺伝子多様性が乏しければ、集団の人口規模は小さかったことがわかるという。
新たな手法にも限界はあるが、この手法で現代人の出現の歴史が、ゆったりとした川の流れというよりは、わずかなきっかけによるものに近いと想定されている。今後は、ホモサピエンスがいかに絶滅の危機をかいくぐってきたかを探求するという。
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6月8日付米
『NBCニュース』:「高タウリン摂取で老化抑制効果、動物実験」:
肉や魚介に含まれるアミノ酸であるタウリンはエナジードリンクの成分によく使われ、脳機能を促進すると謳われるが、実証はされていなかった。だが、国際研究チームが8日「サイエンス」に発表した研究によると、タウリンを投与した動物実験では、老化抑制効果がみられた。これがヒトへも効果がある可能性があるという。
ニューヨーク、コロンビア大学医学部のチームは、マウス、サル、ヒトにおいて、加齢とともにタウリン量が減少することを突き止めた。...
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6月8日付米
『NBCニュース』:「高タウリン摂取で老化抑制効果、動物実験」:
肉や魚介に含まれるアミノ酸であるタウリンはエナジードリンクの成分によく使われ、脳機能を促進すると謳われるが、実証はされていなかった。だが、国際研究チームが8日「サイエンス」に発表した研究によると、タウリンを投与した動物実験では、老化抑制効果がみられた。これがヒトへも効果がある可能性があるという。
ニューヨーク、コロンビア大学医学部のチームは、マウス、サル、ヒトにおいて、加齢とともにタウリン量が減少することを突き止めた。タウリンは年齢とともに8割程減少するが、理由は不明。
マウスとサルへのタウリン投与実験では、中年期で健康状態の向上が確認された。マウスでは、加齢に伴う体重増加傾向は減少、骨密度、筋持久性や筋力が上昇し、インスリン耐性は減少、免疫系統の向上もみられ、寿命が1割(ヒト換算で7,8年)伸びた。サルでは、血糖値の改善や骨密度上昇、肝臓や免疫機能でも改善がみられた。
研究チームは、タウリンが加齢を抑制したと結論づけるのは早急だが、一定の効果は確認されているとする。ヒトでの臨床研究はまだないが、データは動物実験結果がヒトへも当てはまる可能性を示している。
ケンブリッジ大学で1993年~98年に行われた40~79歳の男女3万人を対象とした調査によると、タウリン摂取量が多いヒトほど健康で、炎症症状や2型糖尿病、高血圧、肥満の割合が少なかった。運動によりタウリン量が増える運動量との関連性も確認されている。
欧州食品安全機関は、マウスに投与されたタウリンの割合のヒトへの投与は安全だと判断しており、エナジードリングに添加されているタウリンの量も安全だが、専門家が懸念するのはカフェイン量の方である。
人体でも少量のタウリンは生成されるが、殆どは食べ物を通して摂取され、貝類、鶏肉や七面鳥のもも肉に多く含まれる。量は少ないが、牛乳やアイスクリーム等の乳製品にも含まれる。サプリメントではなく、食べ物からの摂取でも同じ効果を得ることは可能。
1970年代の研究では、猫はタウリンを生成できないが、キャットフードでアミノ酸を補うと、盲目など網膜変性機能の改善が見られたと報告され、ペットフードのタウリン不足も心臓病の原因となると考えられた。それ以降、タウリン不足はヒトの加齢由来の疾病と関連性があるとされている。
同日付米『Forbes』:「エナジードリングの主成分タウリンが加齢を抑制し寿命を伸ばす可能性」
多くの食べ物に自然に含まれ、レッドブルやモンスター等のエナジードリングの主要成分であるタウリンが、長寿や健康な生活への鍵となるとする研究が8日発表された。
タウリンは体内で生成され、食べ物にも含まれており、動物の加齢の原因に影響していると考えらている。マウス、サル、ヒトでは、血液検査でタウリン量が測定できる。免疫系統や神経機能、骨密度、肥満などの加齢により衰える傾向にある身体過程。平均80歳で5歳の3分の1に減少する。
タウリン不足が加齢を引起こすかの実験では、ヒトでは45歳ころとなる生後14ヶ月のマウス250匹の半数にタウリンを摂取させたところ、メスで12%、オスで10%となる3,4ヶ月寿命が長くなったという。これはヒトで換算すると7,8年の伸びとなる。
赤毛猿でも同様の効果がみられた。タウリンを6ヶ月投与したところ、体重増加抑制、背骨や足の骨密度向上、免疫向上が確認された。研究チームの遺伝発達学者ヴィジャイ・ヤダブ氏は、タウリンを摂取したマウスは、より健康な生活を送り、ほぼ全ての測定項目で改善が見られたとする。
欧州の60歳以上の成人12000万人を対象とした50項目の健康測定調査では、タウリン量が高い程、健康、糖尿病羅漢も少なかったとの報告もある。運動との関連性も研究されており、激しい運動後にタウリンの増加が見られることから、運動の効用には、タウリン増加の側面が関係しているとも考えられる。
過去25年、科学の世界では、長寿のみならず「健康寿命」をのばす研究が行われてきた。今回の研究は、タウリンが体内の不老長寿の薬であることを示すものかもしれない。
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