習近平国家主席;金正恩委員長の後見役及び指南役の真打ちとして愈々訪朝(2)-対北朝鮮制裁緩和か?【米メディア】(2018/08/22)
8月19日付Globali
「習近平国家主席;金正恩委員長の後見役及び指南役の真打ちとして愈々訪朝」で触れたとおり、習近平(シー・チンピン)国家主席は、米中貿易問題で中国国内からの突き上げもあって、何とか別の形での成果をみせようと考えたためか、愈々初の訪朝をして、金正恩(キム・ジョンウン)委員長を直接指南し、改めて米国に対して存在感をアピールしようとしている。そして、その後の米メディアの報道では、同国家主席は、国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁緩和政策を正攻法で進めるには常任理事国の米国の拒否権発動に遭うとみて、禁輸製品の取り締まり緩和等非公式な制裁緩和を具体化し、北朝鮮への後見人として支援し、金委員長を更に手懐けようと考えているという。なお、金委員長の中国詣出に嫉妬してか、ウラジーミル・プーチン大統領は、習国家主席が出席するとみられる北朝鮮建国70周年式典への招待を断った模様である。
8月20日付
『ボイス・オブ・アメリカ』:「訪朝が噂される習国家主席、訪朝時に対北朝鮮制裁緩和か」
シンガポールの『ストレーツ・タイムズ』紙の8月18日付報道では、習近平国家主席が金正恩委員長の招待に応えて、9月9日開催の北朝鮮建国70周年記念式典に出席する予定だという。
中国外交部(省に相当)は未だコメントを控えている。
ただ、韓国の『デイリィNKオンライン(市民団体の北朝鮮民主化ネットワーク発行)』及び『コーリア・タイムズ』紙報道によれば、習国家主席の訪朝を見越してか、中朝国境の警備強化がされ、また、北朝鮮が一時的に観光客の訪問受け入れを停止したという。
習国家主席が予定どおり訪朝した場合、東華大学(トンホァ、1951年設立、上海在)の武蘇根(ウー・スーケン)教授/北朝鮮問題研究家は、“敵の敵は味方”の諺に従って、習国家主席が米国を欺いて、対北朝鮮制裁を非公式に緩和に向け舵を切る可能性があると分析している。
国連安保理が採択している対北朝鮮制裁については、度重なる北朝鮮の核・ミサイル実験に辟易して、中国も賛同に回っていた。この理由もあって、最近まで金委員長は中国を敵視してきた可能性が高い。
ただ、米朝首脳会談の前・後で、金委員長からの要請で直々の相談に与った習国家主席としては、国際的な経済制裁に喘いでいる北朝鮮を、これ以上見捨てるわけにはいかないと考えるのは当然であろう。
しかし、米国は依然、対北朝鮮制裁を強化・継続を叫んでいることから、北朝鮮の直近の軟化対応だけでは、仮に中国が正式に国連安保理に制裁緩和を求めても、米国は必ず拒否権を行使してその提案を握りつぶすであろう。
そこで、直近で報じられているのが、中国側が、北朝鮮の核実験停止の発表を支持して、非公式に対北朝鮮制裁対象の禁輸貨物の流通見逃しである。
そして更に、習国家主席の訪朝を機会に、非公式な対北朝鮮経済援助の手が差し伸べられることが想定されている。
閉じる
米・英・ロシア・韓国メディア;暴走北朝鮮、ミサイル再発射?(2016/10/11)
9月29日付
Globali「暴走北朝鮮に対する米国のハードスタンス」の中で、“米政府は、北朝鮮の銀行と取引がある遼寧省丹東の丹東鴻祥(タントン・ホンシャン)実業の米国内にある資産を凍結しただけでなく、北朝鮮制裁を破っている他の中国企業の摘発にも注力している。そしてまた、北朝鮮の軍事的脅威に対抗するため、韓国配備を決定している終末高高度迎撃ミサイル・システム(THAAD)を可及的速やかに配備すると表明している”と報じた。そうした中北朝鮮は、朝鮮労働党の創立71年記念日を迎え、金正恩(キム・ジョンウン)委員長の下、核やミサイルの開発を一層推し進める姿勢を強調している。
10月9日付米
『ロイター通信米国版』:「米国連大使、米政府は北朝鮮封じ込めのためあらゆる手段を講じると表明」
「●米国のサマンサ・パワー国連大使は10月9日、北朝鮮の核・ミサイル開発を阻止すべく北朝鮮を孤立させるため、米政府はあらゆる手段を講じる決意であると発言。
●同大使は、南北朝鮮の非武装地帯を訪問した後、ソウルでの会見で表明。」
同日付英
『ザ・テレグラフ』紙(
『AFP通信』記事引用):「ロケット発射場の活発な動きから、北朝鮮が新たなミサイル発射実験実施か」
「●米のジョンズ・ホプキンス大研究グループが10月9日にリリースした衛星写真によると、北朝鮮北西部のロケット発射場や同北東部の核実験場などで活発な動きがみられることから、北朝鮮が近々ミサイル発射実験を実施する可能性。...
全部読む
10月9日付米
『ロイター通信米国版』:「米国連大使、米政府は北朝鮮封じ込めのためあらゆる手段を講じると表明」
「●米国のサマンサ・パワー国連大使は10月9日、北朝鮮の核・ミサイル開発を阻止すべく北朝鮮を孤立させるため、米政府はあらゆる手段を講じる決意であると発言。
●同大使は、南北朝鮮の非武装地帯を訪問した後、ソウルでの会見で表明。」
同日付英
『ザ・テレグラフ』紙(
『AFP通信』記事引用):「ロケット発射場の活発な動きから、北朝鮮が新たなミサイル発射実験実施か」
「●米のジョンズ・ホプキンス大研究グループが10月9日にリリースした衛星写真によると、北朝鮮北西部のロケット発射場や同北東部の核実験場などで活発な動きがみられることから、北朝鮮が近々ミサイル発射実験を実施する可能性。
●10月10日は朝鮮労働党創立記念日であるが、10年前の10月9日、北朝鮮は初めて核実験を実施。
●そして北朝鮮は、8月に潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験を行い、また、9月には米東岸までも到達が可能とする新型ロケット・エンジンの開発に成功したと発表。」
10月10日付韓国
『KBSニュース』:「米シンクタンク、北朝鮮が2020年までに核兵器100
発製造と予測」
「●米シンクタンクのランド社(カリフォルニア州)は10月9日、北朝鮮は2020年までに核兵器を100発製造する能力があり、更に、2025年までには、弾道ミサイルに核弾頭搭載も可能となるとみられるとのレポートをリリース。
●北朝鮮は、米東岸までの射程距離を有する長距離弾道ミサイルをも開発中とも分析。
●北朝鮮核・ミサイル開発は、米政府にとって5つの重要問題のトップ。
●他の4つは、ロシア、中国、過激派組織イスラミック・ステート、及びサイバー攻撃問題。」
一方、10月8日付ロシア
『スプートニク・インターナショナル』オンラインニュース:「中
国、北朝鮮リーダーの金正恩失脚を画策」
「●韓国
『コーリア・タイムズ』紙の報道によると、中国の安全保障関連研究の哲(スン)教授がワシントンで開催された安全保障フォーラムで、1ヵ月内に2度も核実験を実施した金正恩委員長に業を煮やした中国政府幹部が、同委員長の失脚含めた強硬策を検討中と発表。
●中国としては、米韓による金正恩殺害計画をひとつのオプションとして支持。
●更に過激な方法は、中国軍を北朝鮮に進軍・駐留させ、武力で以て北朝鮮の核開発放棄を迫るというもの。」
過日、NHKの報道番組で報じていたが、国連安全保障理事会が採択した北朝鮮制裁決議も、
日米韓がどんなに制裁履行を喧伝しても、肝心の中ロはもとより、北朝鮮と国交や貿易関係にある全ての国がきちんと守っていない現状から、実効性は乏しいという。現に、依然
北朝鮮と武器やIT機器・工業製品等の交易を行っている国は、中ロの他、キューバ、ミ
ャンマー、パキスタン、マレーシア、モンゴル、アフリカではケニア、コンゴ、ウガンダ、
赤道ギニア、エジプト、ナミビア、ジンバブエ、また中東でも、イラン、エジプト、シリ
ア、パレスチナ等、非常に多い。
閉じる
その他の最新記事