韓国メディア;北朝鮮の核保有国宣言と2国対話を否定(2016/05/09)
北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)第1書記が第7回朝鮮労働党大会で事業総括を行い、北朝鮮は「責任ある核保有国」だと宣言し、敵国が自主権を侵害しない限り先に核兵器を使用せず、世界の非核化の実現に努力する等とした。これに対し隣国韓国は、北朝鮮の宣言からは核放棄の意思が全く受け取られず、また、南北関係改善のための対話を提案していることに関してもプロパガンダに過ぎない、等と批判している。
5月8日付
『ロイター通信』は「朝鮮労働党大会で核開発促進宣言」との見出しで以下のように報道している。
・「朝鮮中央通信」によると、北朝鮮労働党大会は自国防衛目的での核開発を「質・量共に」強化する方針をで一致。決議は大会3日目の日曜、党中央委員会の事業総括後に行われた。
・2011年政権についた金正恩(キムジョンウン)第一書記の権力増大を韓国政府が懸念する中、労働党大会は36年振りに開かれた。...
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5月8日付
『ロイター通信』は「朝鮮労働党大会で核開発促進宣言」との見出しで以下のように報道している。
・「朝鮮中央通信」によると、北朝鮮労働党大会は自国防衛目的での核開発を「質・量共に」強化する方針をで一致。決議は大会3日目の日曜、党中央委員会の事業総括後に行われた。
・2011年政権についた金正恩(キムジョンウン)第一書記の権力増大を韓国政府が懸念する中、労働党大会は36年振りに開かれた。
・北朝鮮は、他国による侵害を受けない限り核兵器を使用しないとの宣言も盛り込まれ 「経済発展と同時に核開発を計画的に押し進める」などとした。
同日付韓国
『コリアタイムズ』は「北朝鮮の金正恩が核保有国宣言」との見出しで以下のように報道している。
・北の金正恩第一書記は第7回労働党大会で、自国が侵害されない限り核兵器を使用しないとしながら核保有国宣言。党大会は1月に行われた4度目の核実験に続き、5度目の核実験実施が懸念される中行われた。
・金氏は世界の非核化に努力するとし、責任ある核保有国として、敵国から核兵器による攻撃を受けないい限りはこれを使用しないとした。金氏が政権についてから非核化に言及するのは初めて。専門家は、金氏の非核化への言及は、米国との平和条約へ向けた交渉への道を模索したいとの意図があると見ている。
・33歳(とされる)の若年リーダーはまた、近近の課題は朝鮮2国間の関係強化であると述べ、2国間の緊張を解くため、北と韓国の防衛会合の必要性にも言及。
・電力供給網の発展を重点とした経済成長促進の5か年計画を公表したが、専門家によるとこの計画は具体性を欠く。
・韓国政府は金第一書記の発言を明らかに核放棄する意図がいないとして軽視。世界各国が核放棄しない限り、北も核放棄しないと意図していると見なす。政府は軍事対話の提案についても信憑性のない表面的なプロパガンダだとする。
5月9日付韓国
『KBS』は、「政府は金正恩の核と経済計画を否定」との見出しで以下のように報道している。
・韓国統一報道官は、金第一書記の3時間に及ぶ演説放映に関し、核放棄の明確な意図が全くないと批判。国際社会は北の核保有を決して容認しない、核放棄への真摯な態度見せるべきとした。また、2国間の関係改善交渉の提案を中身のないプロパガンダと美辞麗句だと一喝。
・韓国外務省高官も同様の見解を述べ、金氏の発言は北のこれまで主張の要約に過ぎず、これまで同様核兵器開発への意思に変わりはない事を示したものであると批判。
・韓国政府は、北朝鮮が核保有をやめない限り引き続き各国と連携して、北朝鮮に強い制裁を課す。
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韓国総選挙で与党が過半数割れ、朴政権の危機(2016/04/14)
韓国で13日行われた第20代総選挙で、与党セヌリ党は過半数割れとなり、野党第1党「共に民主党」、「国民の党」が大躍進となった。獲得議席は、300議席(一院制)中、サヌリ党130議席程度、野党「共に民主党」で116議席程度、「国民の党」は38議席となる見込み。北朝鮮の核脅威による緊張が高まる中行われた総選挙では、与党割れの原因として、対北太陽政策に加え、来年の大統領選挙をにらんだセヌリ党内で候補擁立をめぐり内部紛争がおき選挙を遅らせた事、経済政策等内政へ不満があると見られている。朴槿恵(パククネ)大統領の残りの任期はねじれ国会となり、海外報道では見られないが、日本にとって重要な慰安婦問題をめぐる日韓合意にも影響が出ると懸念されはじめている。
4月14日付韓国
『コリアタイムズ』は「朴大統領と与党への審判;与党過半数割れ、共に民主党と国民の党が予想以上の議席獲得」との見出しで以下のように報道している。
・第20代総選挙は13837か所の投票所で、小選挙区253議席、比例代表47議席。
・与党セヌリ党が水曜行われた選挙で過半数割れし、朴槿恵(パククネ)大統領への大打撃となる見込み。与党過半数割れは16年振り。
・政治アナリストの分析によると、候補公認をめぐる党内対立への国民の不満、国内問題への取り組みへの不支持が背景見られ、経済、社会問題に対処せねばならない朴氏の残りの任期に大きく影響、今後現与党は来年の大統領選挙までねじれ国会となる。...
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4月14日付韓国
『コリアタイムズ』は「朴大統領と与党への審判;与党過半数割れ、共に民主党と国民の党が予想以上の議席獲得」との見出しで以下のように報道している。
・第20代総選挙は13837か所の投票所で、小選挙区253議席、比例代表47議席。
・与党セヌリ党が水曜行われた選挙で過半数割れし、朴槿恵(パククネ)大統領への大打撃となる見込み。与党過半数割れは16年振り。
・政治アナリストの分析によると、候補公認をめぐる党内対立への国民の不満、国内問題への取り組みへの不支持が背景見られ、経済、社会問題に対処せねばならない朴氏の残りの任期に大きく影響、今後現与党は来年の大統領選挙までねじれ国会となる。
・「共に民主党」の予想外の結果でキムチョンイン代表は続投となるが、北と南(湖南地区)での敗北を認めざるを得ないのは痛い結果だ。
・「国民の党」は、湖南地区で堂々勝利をおさめ、安哲秀(Ahn Cheol-soo)共同議長の発言力は高まり、次期大統領選まで3党体制に重要な影響力を発揮できる。
・激戦区の一つジョンゴ(jongo)地区では、「国民の党」のChung Sye-kyun氏が元ソウル市長を破り、安氏もセヌリ党の新人Lee Junseok氏を破った。
・総選挙委員会によると、4210万人の有権者のうち2443万人が投票、投票率58%で過去数回より投票率上昇。与党優勢の複数の選挙区でこれを下回った。ソウルは59.8%。新しい選挙区設定と各党の候補擁立に時間がかかった事が結果に悪影響を与えた。
同日付韓国
『ソウルタイムズ』は「野党陣営の勝利;朴大統領のセヌリ党を有権者は支持せず」との見出しで以下のように報道している。
・政治分析家は、与党敗北の主な理由は朴氏の独裁的行動に失望した保守派層が考えを変え、野党に投票したと見ている。
・野党に占められレームダックとなった朴政権にとっては苦しい局面となる。
4月13日付
『ロイター通信』は「韓国総選挙で与党保守党が過半数割れで敗北」との見出しで以下のように報道している。
・野党保守党が総選挙で敗退、朴氏に大打撃を与える。サヌリ党の敗北は低迷する経済対策を押し進める朴政権が窮地にある事を意味する。また、来年末予定される大統領選で5年続投が危ぶまれる。
・サヌリ党は300議席(一院制)のうち122議席、一方野党第1党の「共に民主党」は123議席、「国民の党」は38議席を獲得。
・セヌリ党は声明で、「結果を謙虚に受け止めている。国民の落胆と批判をしっかり読み取れていなかった。」とした。
・韓国の大統領制度は憲法で1期と定められているが、国政と外交政策に大きな影響力をもつ。
・経済停滞と政治混乱で有権者を遠ざけると考えていたアナリストや政治家の予測を覆し、投票率は過去2回の選挙より上昇。
・有権者は政府が雇用やアジア圏での国家安全を軽視し、政治利権に固執したことに不満を表した。
・韓国の経済成長は昨年比2,6%↑。若年失業率は2ケタの12,5%(2月時)で統計開始以来過去最高。(他の世代は1ケタ)
4月13日付英
『BBC』は与党敗北を次のように分析している。
・韓国では経済への不安が蔓延しており、主に2つの問題がある。
1、経済再生のため押し進めた雇用の規制緩和が逆効果となり、競争力が低下した。
2、政府を批判する異端排斥に対する不満。左派党が禁止され、北朝鮮に同情した代表者が逮捕された。
・家計の負債が増加し、若者の失業率が過去20年で最高。北朝鮮でなく、経済不安が影響を与えた。
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