12月25日付米
『CNBC』:「2023年は海外旅行が回復傾向、アジアや欧州が人気」:
米国国内ではコロナ禍が収まり、また海外でも渡航制限が解除されたことで、2,3年越しに旅行熱が高まっているという。
観光市場調査会社「デスティネーションアナリスト」が11月に行った調査では、国内旅行より海外旅行に興味があるとした人は31%で、今年2月から6ポイント増加している。一方、旅行予約サイト「Hopper」によると、今月はじめに検索された2023年のフライト便の62%が国際便で、昨年同期比で55%増となった。...
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12月25日付米
『CNBC』:「2023年は海外旅行が回復傾向、アジアや欧州が人気」:
米国国内ではコロナ禍が収まり、また海外でも渡航制限が解除されたことで、2,3年越しに旅行熱が高まっているという。
観光市場調査会社「デスティネーションアナリスト」が11月に行った調査では、国内旅行より海外旅行に興味があるとした人は31%で、今年2月から6ポイント増加している。一方、旅行予約サイト「Hopper」によると、今月はじめに検索された2023年のフライト便の62%が国際便で、昨年同期比で55%増となった。
今年の海外旅行保険の売上は、パンデミック以降2019年並に回復。2020年~21年は健康不安や渡航制限を理由に、国内旅行が主流で、国立公園の来場者は増加し、アウトドア人気からRV車のレンタルが増加した。
今年も海外旅行が回復していたのだが、年始のオミクロン株感染拡大で旅行熱はやや冷え込んだ。そのため積もり積もった旅行熱を表す「リベンジ旅行」がトレンド入りし、リモートワークの浸透で行きたかった国に行くことも現実となった。
中国、リビア、トルクメニスタン、イエメンなどの12カ国は今尚ワクチン接種済でも入国を制限しているが、豪州、ブータン、イスラエル、日本、マレーシア、モロッコ、ニュージーランド、フィリピン、シンガポールなど多くの国では、今年制限が解除された。2023年は制限が大きく解除されたことで、アジア地域に注目が集まっている。他の国がまだのところ、10月に渡航可能となった日本への関心は急激に上昇している。
「Hopper」によると、アジア地域が昨年19%から27%となり最も検察が増え、関心の高さを示す。今月初めの国際線検索の8割がアジアやオセアニアとなった。トップ3は往復料金が1200ドルの東京、ホーチミン、バンコクで、ツアー会社「G Adventures」でも、2023年の売上急増トップが日本、タイ、ベトナムとなっている。
一方、数としては欧州方面の人気も落ちておらず、検索数の3分の1は欧州の人気都市が占めている。欧州の旅行について人々はより「クリエイティブ」になっているという。あまり混雑せず費用も安い3月や晩秋のシーズンオフを狙う。世界的にみても傾向は同様で、芸術祭など国際イベントを目当てにしたスコットランドやオーストラリア等が人気だ。
費用面に影響するインフレも旅行には重要だ。消費者物価指数によると、チケットやホテル代は過去1年でそれぞれ36%、3%増しており、海外旅行は来年も値上がりするとみられている。
同日付米『Travel off Path』:「2023年はアジア旅行が回復、行き先人気トップ7」:
ほぼ3年間続いたコロナ禍の制限から回復しつつある今、自然や仏閣を求めてアジア方面への旅行需要が高まりを見せている。実際、米国では2023年の人気旅行先の7割が海外となっている。
アジアは欧州のようにまだ通常通りとはいかないが、今年初頭より状況は改善した。コロナ禍で観光を全面禁止としていた国でも、今は歓迎ムードとなっている。
オンラインの人気旅行代理店「Kayak」は、「検索数の増加」をもとに2023年の渡航先人気を調査。今年は渡航制限が解除された欧州旅行が多くなった。米国と欧州を結ぶ直行便も多く、欧州は行きやすいといえる。だが来年は直行便がない地域を含めて、より遠くへ旅行する人が増えるとみられる。
最もアジアで人気なのは、ベトナムのホーチミン市。仏教とフランス統治時代や共産主義の影響を受ける文化的首都で、ホーチミンの検索は769%増加した。コロナ制限は解除され、国際便は通常に戻り、治安も良い。来年多くの米国人がここを訪れるだろう。
2位は台湾の台北。エネルギッシュな街で中国のようでありながら、西欧文化に習い先進的で民主的。前年比検索数は289%増加。ただきびしい入国制限があり、要件を満たした一部の人のみが渡航できる。
3位は東南アジアで最も発展した都市とも言われるシンガポールで、検索は201%増加。まだ入国に制限があり、旅行保険や渡航2日以内の陰性証明が必要となる。
4位は香港。日本やタイとも違い、コロナ対策で観光客の制限はしないが、厳しい検査体制を敷き、到着後5年間の追跡調査の対象となる。そのため今は良い時期とは言えないが、検索数は190%増加。中国の軍事的動きがあるが、人気は衰えていないようだ。
5位は東南アジアの中で米国人に最も人気なタイで166%増加した。壮大な寺院や古代王宮、ナイトライフ、安価な食も充実している。
6位は日本の東京。美しく、秩序だっていながらも雑多な街東京。有名な寺、壮観な庭園、美術館や博物館など、近代的なビル群が非常に魅力的だ。今厳しい入国制限が解除されたことで、日本への興味は急上昇し、東京の検索は150%増加した。米国からはコロナで減便されていたフライトも再開されている。
7位は中央アジアに位置するテレアビブ。地中海に面した歴史あるメトロポリス。中東で最もリベラルだと評され、134%増加した。
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月輸送プログラムの構築をめざす日本の宇宙ベンチャー企業「ispace」の月面探査計画「HAKUTO-R」の一環となる月着陸船「ミッション1」が11日米国から打ち上げられた。成功すれば月着陸は民間企業として初めてとなる。
12月11日付米
『CNBC』:「スペースX、月周辺輸送開発をめざす日本のベンチャー企業アイスペースの月面着陸船打ち上げ」:
日本の月開発ベンチャー「ispace」が11日、期待されていた初の打ち上げミッションを敢行。フロリダ州のスペースXファルコン9の月着陸ロケットに搭載され打ち上げられた。この「ミッション1」は、月へ向かい来年4月頃の着陸が予定されている。
spaceの創業者でCEOの袴田氏は、「まさに新時代の始まりだ」としている。10年以上前に設立された同社は、月面探査レース「Google Lunar XPRIZE」の出場チームから始まった。チーム名は「Hakuto(ハクト)」で、日本の神話の白ウサギから取った名前。このレースが(月への到着者なしで)中止されると、ispaceは月周辺の商業開発に焦点をあてたという。
順調に成長を続け、世界に200人以上(デンバー支社は約50人)の従業員を持つまでになり、投資家からの支援を集めた。「ミッション1」には、米国、カナダ、日本、アラブ首長国連邦の政府機関や企業の小型探査機、観測機器が搭載されている。
同ミッションには10のマイルストーンがあり、これまで3つは成功しており、次は軌道に入り1ヶ月飛行し、最終的に月の軌道に入るのが目標。成功すればこれまで成功した大国に続く、初の民間による月着陸となる。
同日付『ロイター通信』:「日本のアイスペース、世界初となる民間による月面着陸船打ち上げ」:
日本の宇宙開発企業が月に向け探査船を打ち上げた。成功すれば日本初、民間企業初となる。
二度の延期を経て、「HAKUTO-R」はフロリダ州のケープカナベラルからスペースXのロケットに搭載された。東京では打ち上げを見守った100人以上の視聴者が歓声を上けた。
これまで米国、ロシア、中国の国家宇宙機関が過去四半世紀の間に月への着陸に成功しているが、民間企業での成功はまだ無い。中国との競争激化、ウクライナ侵攻でロシア製ロケットへの搭載が叶わない状況の中、このミッションの成功は日米の宇宙開発協力のマイルストーンとなるであろう。
ここ数日は宇宙関係の話題が多く、月周回旅行を目指す前澤氏も、8人の同乗者を発表している。
「ハクト」という名は、月に白ウサギが住んでいるという日本の神話からきており、西洋では月に人が住んでいると考えられているのと似ている。来年はアジア暦で兎年にあたる。
ドイツで組み立てられた「ミッション1」(「HAKUTOーR」の一貫)は、アトラスクレーターへの着陸前に、NASAの水源調査小型衛星を月の軌道に乗せる。また、JAXAの野球ボールサイズの二輪探査機や、アラブ首長国連邦製の四輪探査機「Rashid」を搭載している。
アイスペース社は2025年までに月に探査機を輸送し、2040年までに月に常駐スタッフを送ることを目標としている。
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