連日新規感染者数が10万人を超えている英国。ロンドンでは大勢の市民がウイルスを保持しており、英国内の感染拡大の勢いが止まらない。こうした中、企業や店舗などがまたもや人手不足に陥っている。
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『CNBC』によると、ロンドン市民の12月16日時点で約20人に1人がコロナに感染していた可能性があり、これが19日には10人に1人に急増した可能性があることを示唆されている。そのため、多くの産業や交通網が、病人の自己隔離による人手不足に悩まされ、英国の病院では患者の安全性に影響を及ぼす危険性があると警戒されている。
仏ラジオ局『フランス・アンフォ』は、オミクロン株が英国経済に影響を与えていると報じている。...
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『CNBC』によると、ロンドン市民の12月16日時点で約20人に1人がコロナに感染していた可能性があり、これが19日には10人に1人に急増した可能性があることを示唆されている。そのため、多くの産業や交通網が、病人の自己隔離による人手不足に悩まされ、英国の病院では患者の安全性に影響を及ぼす危険性があると警戒されている。
仏ラジオ局『フランス・アンフォ』は、オミクロン株が英国経済に影響を与えていると報じている。22日には、運転手不足により数十本の列車が運休となった。ロンドンの自然史博物館は、職員の病欠のため休館を余儀なくされている。劇場では、役者たちが濃厚接触者になっているため、プログラムがキャンセルされている。こうした状況により、規制や外出禁止令は出されていないものの、英国経済は苦境に立たされているという。
ロンドンにあるレストランのオーナーは、1日に約2万ユーロ(約258万円)の損失を出しており、少なくとも12月31日までの2週間ほど、経営している2つのレストランが休業しているという。従業員のうち42人が感染、または濃厚接触者となっているためだ。英国のホテルやレストランのオーナーたちは、今年の12月は普段の回転数の40%から60%を失っている。
仏金融ニュースサイト『ブルソラマ』によると、公共サービスの分野でもオミクロン株の影響で学校の教師が不足しており、ナディーム・ザハウィ教育相は退職した教師に一時的な復職を呼びかけている。ロンドンでは、労働組合が、消防士が「前例のない」人手不足に直面していると警告している。ウェールズでは、12月26日からすべてのスポーツ競技が無観客で行われることになった。しかし、当局が最も恐れているのは、オミクロン株の波によって圧迫される恐れのある病院サービスが、スタッフの感染や自己隔離によりによってさらに弱体化することだという。
イギリス産業連盟(CBI)は、12月に入り購買の伸びが鈍化し、通常なら1年で最も店が混雑するはずの直近1週間で、売り上げが低迷していると警告している。パンデミック発生以来、数カ月間の休業に追い込まれている接客業や小売業にとっては、パンデミックやブレクシットの影響でオミクロン発生以前から深刻だった人手不足に加え、こうした困難が重なり、多くの企業が限界に達しているという。
一時帰休助成金、付加価値税の減免、緊急融資などの政府の支援がすべて停止していた中、英国政府は21日、最も影響を受けた企業に対して10億ポンド(約1534億円)の支援を発表した。イングランドでは、レジャー・サービス業は店舗ごとに最高6千ポンド(約92万円)の補償を受けることができる。財務省は声明で「地方自治体が企業を支援するために、1億ポンド(約153億円)以上の資金が用意される」と述べている。また、政府は全国の中小企業のコロナ関連の病気休暇を負担し、さらに文化復興基金を通じて3千万ポンド(約46億円)の資金を提供する予定だという。
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イーロン・マスク氏の宇宙開発会社「スペースX」でのセクハラや女性差別を元エンジニアの女性が告白。同社は昨年にも元社員から同様の内容で提訴されている他、先月から今月にかけ、マスク氏の電気自動車会社「テスラ」でも、工場の職員複数名がセクハラを無視されたとして同社を提訴している。
12月14日付米国
『CNBC』:「スペースX元社員が性差別的社風を手記で訴える」:
元スペースX従業員の女性が14日公開の手記で、同社では差別が横行し、人事部はセクハラ被害者を保護していないと訴えているという。アシュリー・コサックさんは4年のインターンを経てエンジニアとして勤務、ブログで社風は絶望的で機能しておらず、解決するには会社を辞めるしかなかった等と告白。今年11月に退職した後はアップル社で勤務しているという。...
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12月14日付米国
『CNBC』:「スペースX元社員が性差別的社風を手記で訴える」:
元スペースX従業員の女性が14日公開の手記で、同社では差別が横行し、人事部はセクハラ被害者を保護していないと訴えているという。アシュリー・コサックさんは4年のインターンを経てエンジニアとして勤務、ブログで社風は絶望的で機能しておらず、解決するには会社を辞めるしかなかった等と告白。今年11月に退職した後はアップル社で勤務しているという。
コサックさんは2017年インターンを開始し、2019年にはフルタイムとなった。インターン時、社員寮にいるとき皿を洗っている時に男性インターンにお尻をつかまれたという。上司を含む2人に報告したが、人事には報告が上がらず状況も改善されなかった。その後2年のインターン時代で、多くの男性職員からのセクハラ行為があった。コロナ禍でリモートワークをしている間も、会社の男性から誘いを受けたりしたが、個人的なことで公に話す内容ではないと言われたという。
スペースXは全米で約1万人の従業員がおり、コサックさんの周りはロスの本社やフロリダの打ち上げ施設に配属されていた。中にはグウィン・ショットウェルにように社長兼COOになった女性もいるが、女性エンジニアは往々にして、オンラインで視聴可能なウェブキャストを担当するという。
13日発売のタイム誌のインタビューでマスク氏は、テキサス州のスターシップ開発施設は「技術修道院のようなもの」で、男性主体の職場だと表現。女性は少数で殆どいないと述べている。
社風を内部批判されているのは他社も同様で、今年ジェフ・ベソス氏のブルーオリジン社についても元社員が同様の告発文を公表している。
同日付米国『ビジネスインサイダー』:「イーロン・マスクのロケット企業での“女性蔑視横行”を元エンジニアが告白」:
元エンジニアがスペースXで性差別が横行していると批判する文書を公表した。
ミッションインテグレーション部門で働いていた元エンジニアの女性は、同社でセクハラにあったが上司や人事が適切な対処をしなかったと訴える。14日にはVergeで、更に4人から、同社勤務中にセクハラ被害や目撃をしたという告白が報じられた。
元エンジニアの女性は寮のキッチンで、同僚男性に後ろから捕まれ、チーム交流会では、同僚が服の上から体を触られたという。男性社員の中には、同意なしに女性社員にハグをしたり、仕事中視線を送ってきたり、会社関係のイベントをデートと勘違いしている男性社員もいるという。上司に訴え人事に報告したが、殆どフォローがなく誰も頼りにならないと感じたという。
女性COOや人事部長と面会したが彼らは苦情が上がっていることすら知らず、解決方法のリストを提出するよう求められたという。結果、精神科医からパニック発作や動機を理由に退職を勧められ転職した。現在COOは同社のハラスメント改善を強調し人事部へ第三者による聞き取りを行う姿勢をみせている。
同社の職場環境への不安を訴える例は他にもあり、昨年には元インターンがセクハラを人事に報告したことでフルタイム職を解かれたとして同社を提訴したが、双方の和解で終わった。また過去1か月、マスク氏の電気自動車会社テスラの工場の職員8人が、セクハラを無視されたとして同社を提訴している。
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