韓国のハロウィン群衆事故(2022/10/31)
韓国の首都ソウルの繁華街で、ハロウィンで集まった群衆が転倒するなど史上最悪の事故が起き、韓国政府は国を挙げて喪に服すると宣言、原因究明に乗り出している。韓国の人々が人混みに慣れているため、混みあった道への警戒心が薄い点も指摘されている。
10月30日付米
『CNN』 :「ハロウィン祭りで151人死亡の韓国、事故の原因究明へ」:
韓国の首都ソウルで29日、史上最悪の群衆事故が起き、韓国政府は国を挙げて喪に服すると宣言、原因究明に乗り出している。
コロナ制限開けのハロウィンイベントを楽しむ数千人の若者が人気のナイトスポット梨泰院に集まっていたが、狭い道に群衆が雪崩込み、大混乱となった。当局は今も事故の原因を究明中だ。...
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10月30日付米
『CNN』 :「ハロウィン祭りで151人死亡の韓国、事故の原因究明へ」:
韓国の首都ソウルで29日、史上最悪の群衆事故が起き、韓国政府は国を挙げて喪に服すると宣言、原因究明に乗り出している。
コロナ制限開けのハロウィンイベントを楽しむ数千人の若者が人気のナイトスポット梨泰院に集まっていたが、狭い道に群衆が雪崩込み、大混乱となった。当局は今も事故の原因を究明中だ。死者の中にはイラン、ノルウェー、中国、ウズベキスタン、タイなど少なくとも19人の外国人も含まれる。梨泰院は最先端な飲食店のある夜の歓楽街で、ソウルのイスラム教徒やゲイの街でもある。
事故を受け、30日は韓国全体に衝撃が走った。政府は事故の捜査を開始し、同様の事故再発防止対策の徹底を決めたが、なぜこのような事故が発生したのかに疑問の声が上がっている。
現地の報道によると、最初の緊急通報では、人が潰され、心臓発作を起こしていると通報があったのだが、ガス漏れや火事はないと判断されたという。当局によると、この日は多くの警察や治安部隊が別の場所に配備され、比較的小さなエリアである梨泰院には、あまり群衆が集まらないため、通常レベルの警備体制だったという。事故発覚後は517人の消防隊員を含む1700人の救急隊配備された。
韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は、30日緊急会合を行い、現場を訪れた。政府は事故の対応が終了するまで、国を上げて喪に服すと宣言。韓悳洙(ハン・ドクス)首相によると、11月5日までとされる。同様の事故の再発防止の観点から、ハロウィンイベントだけでなく、地域の祭りの安全性も調査するとしている。
今年はコロナ禍後のイベント再開のため、アジア各地からも梨泰院でのハロウィンに参加する人がおり、近隣のホテルは満室状態で多くの人が訪れることは予見されていた。米国の災害対策の専門家は、ソウルの通常時の群衆サイズも今回の悲劇につながったと分析する。韓国の人々は混み合った場所に慣れているため、混み合った道への警戒があまりなかった可能性がある。原因を一つに絞るのは難しいが、当局は、「事前により多くの人出を予想し、群衆規模をリアルタイムで監視する責任があった」と指摘する。
各国首脳が韓国へ哀悼のメッセージを送っている。バイデン米大統領は声明で、「ソウルで愛する人を失った遺族に深い哀悼の意を送ります」と述べ、サリバン国家安全保障顧問は、「米政府は韓国へ必要な支援をしたい」としている。スナク英首相はツイッターで、「私たちの思いはこの大変痛ましい時の中、対応にあたっている方々、そしてすべての韓国の人々とともにあります」とコメント。マクロン仏大統領は「フランスは皆さんに寄り添っている」と韓国語でもコメントした。
同日付米『CBS』 :「ハロウィン雑踏事故でショックと悲しみに包まれる韓国」:
韓国でハロウィンパーティの群衆が歓楽街の狭い道に殺到し、150人以上が死亡。多くは20代の若者だった。
10万人以上が梨泰院を訪れていたが、ドミノ倒しとなり、心肺蘇生が行われたが、近くでは事態の深刻さを知らず、仮装したまま踊ったり歌ったり刷る人もみられたという。
少なくとも20人は中国、ロシア、イランからの外国人で、米国務省によると米国人2人も含まれている。負傷者の中には重傷者も多く、死者は今後も増えるとみられる。
韓国政府はここ数ヶ月、コロナ制限を緩和しており、韓国ではコロナ禍以来、国内最大の屋外イベントだった。ハロウィンは韓国の伝統的休日ではないが、若者には今も定番のイベントで、近年、バーやクラブでの仮装パーティが人気となっている。2018年移転されるまでソウルにあった旧米軍基地本部の近くにある梨泰院は、外国人にもなじみのある歓楽街で、ハロウィンイベントの中心地でもある。
韓国では、2014年セウォル号沈没事故で多くの高校生が死亡、災害時の訓練や安全基準の不備が指摘されたため、今回の事故で、安全基準が改善しているのか政府への厳しい目が向けられる。インドネシアでも先月1日、サッカー場で警察の催涙ガスから逃げようと殺到した観客132人が死亡。韓国では2005年、南部尚州(サンジュ)市で開かれたコンサートで、11人が死亡60以上が負傷する事故が起き、1960年にも、駅で電車に乗ろうと走ってきた人々で階段が混雑し、31人が死亡する事故が起きていた。
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英国、新型コロナウイルスの死亡者数が間違っていた可能性(2022/03/22)
英国での新型コロナウイルスによる死亡者数は、データの収集方法によって過大に報告されていた可能性があることが示唆されている。
英紙
『メトロ』 と英
『デイリーメイル』 によると、専門家たちは、パンデミックの初期に死亡した人の多くは、新型コロナウイルスの陽性反応が出なかったか、あるいは全く別の原因で死亡していた可能性があることを指摘している。オックスフォード大学と慈善団体コラテラル・グローバルの科学者たちは、一般市民が介護施設や医療機関に送った情報公開請求に対する800件の回答に目を通した。
科学者たちは、新型コロナウイルスによる死亡診断書に記載されていた表現として、「新型コロナウイルスに感染」、「新型コロナウイルス関連」、「新型コロナウイルスが原因」、「陽性反応から28日または60日以内に死亡」など14の異なる用語が使われていることを発見した。...
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英紙
『メトロ』 と英
『デイリーメイル』 によると、専門家たちは、パンデミックの初期に死亡した人の多くは、新型コロナウイルスの陽性反応が出なかったか、あるいは全く別の原因で死亡していた可能性があることを指摘している。オックスフォード大学と慈善団体コラテラル・グローバルの科学者たちは、一般市民が介護施設や医療機関に送った情報公開請求に対する800件の回答に目を通した。
科学者たちは、新型コロナウイルスによる死亡診断書に記載されていた表現として、「新型コロナウイルスに感染」、「新型コロナウイルス関連」、「新型コロナウイルスが原因」、「陽性反応から28日または60日以内に死亡」など14の異なる用語が使われていることを発見した。
医療機関によって異なる表現が使われてきたため、新型コロナウイルスが直接死を引き起こしたものなのか、それとも何か他の要因が根底にあったのか、確認することができない状況に陥っている。さらに、病院によっては、コロナによる死亡を証明するための検査を行っていなかったところもあり、死亡者数に関する公式的な発表の信頼性は決して高いと言えない。
介護施設では、医師がビデオ通話で新型コロナウイルスによる死亡かどうかを判断していたため、新型コロナウイルスで死亡した人数が過剰に報告された可能性が指摘されている。また、これらの施設の多くは、死亡した人々の基礎疾患を考慮に入れることを怠っていたという。
ウォルバーハンプトンに住む59歳のゲーリー・ワイルドさんは、母親ジェシーさんが認知症と重度の肺病を患い、呼吸が困難な状態であったことから、新型コロナウイルス以外で死亡した確信している。しかし、ジェシーさんが2020年4月に亡くなったとき、検査は行われなかったにもかかわらず、医師は彼女の死因を新型コロナウイルスと表記したという。息子のゲーリーさんは、「検査が行われなかった場合、死亡診断書にコロナと書くように勧められていると医師から説明を受けました」と話している。
同様に、レスターシャー州の57歳の公務員、ジュリー・パーキンスさんも、83歳の父親テッドさんが2020年5月に脳卒中を起こして死亡したと考えている。老人ホームで暮らしていた父親は、6日間高熱が続いたものの検査は陰性であった。しかし、死亡診断書には新型コロナウイルスで死亡したと書かれたという。
オックスフォード大学Centre for Evidence-Based Medicineのカール・ヘネガン教授は、「コロナによる死亡者としてカウントされている人の中には、ウイルスに感染していなかった人もいるかもしれない。このデータの正確さは極めて重要である。なぜなら、このデータをもとに、莫大な社会経済的コストを伴うロックダウンや規制が行われたからである。もし、死亡者数が最初からずっと間違っていたのなら、国民の信頼を失うことになる。そして、この問題を解決しなければ、さらなるロックダウンや制限を求める声が上がる可能性がある」と指摘している。
昨年初め、国家統計局の監査で、コロナで亡くなったとされる人の約90%は、死亡診断書でコロナが直接の原因として記載されていたことが判明した。しかし、英国慈善団体コラテラル・グローバルが行った調査では、英国の8つの病院での1500以上の死亡診断書には、新型コロナウイルスのみが死亡原因として記載されていたことが明らかになった。調査に加わったトム・ジェファーソン教授は、心臓病や認知症などの基礎疾患を持つ人々が新型コロナウイルスで死亡する可能性がはるかに高いことから、「そうした表記はありえないことであり、その診断書に書かれていることは信用できない」と述べている。
エディンバラ大学が実施した8万人の新型コロナウイルスの患者を対象とした調査では、2020年3月から8月の間に、ほぼ3分の1の症例でPCR検査が実施されていなかったことも明らかになっている。これは、英国で記録された新型コロナウイルスの死亡者数は、公式に発表されている数とだいぶずれている可能性が十分ありうることを示唆している。
なお、新型コロナウイルスの死亡者数に関する懸念は、2020年半ばに初めて問題適された。今は亡きイングランド公衆衛生局が、ある時点で新型コロナウイルスの陽性反応が出た人が死亡したかどうかをNHSのデータベースだけで確認し、死亡者数に含めていたことが明らかになったのである。その際、死亡の何日前に検査結果が出たかは考慮されなかった。ある政府関係者は当時、「例えば2月に陽性と判定され、何の症状もなく、7月にバスに轢かれた場合、新型コロナウイルスによる死亡として記録される」ことを認めていた。
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