米大手企業約100社、選挙法改正に反対するための緊急会議開く
米ジョージア州で選挙法が改正され、投票所での有権者の本人確認が厳格化されたことに対し、アメリカトップ企業のリーダー100人以上が「ズーム」で緊急のオンライン会議を行った。
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『CBS』によると、緊急オンライン会議は、イェール大学の経営教授、ジェフリー・ソネンフェルドが中心となって企業に呼びかけ、医療、メディア、運輸などの分野のリーダーや、国内有数の法律事務所、投資会社などが参加した。
ブレナン司法センターの調査によると、全米47州の議会で、投票の際の本人確認などに関する改正法案が361件提出されている。これらの法案のうち、少なくとも55の法案が24の州の議会で審議が進められている。...
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『CBS』によると、緊急オンライン会議は、イェール大学の経営教授、ジェフリー・ソネンフェルドが中心となって企業に呼びかけ、医療、メディア、運輸などの分野のリーダーや、国内有数の法律事務所、投資会社などが参加した。
ブレナン司法センターの調査によると、全米47州の議会で、投票の際の本人確認などに関する改正法案が361件提出されている。これらの法案のうち、少なくとも55の法案が24の州の議会で審議が進められている。現在のところ、29の法案が上院または下院のどちらかを通過し、26の法案が委員会での投票を通過した。全体では、3月下旬のジョージア州の法案を含め、5つの法案が可決され、署名されている。
『CBS』は、大手企業が、全米で進んでいる選挙法の改正を阻止するための組織的な対応を準備するために会議を開催したと伝えている。
『AXIOS』によると、大手企業は今後、改正法に賛同している政治家への寄付の中止や、選挙法を改正した州への投資を延期する可能性について話し合われたという。
会議に参加した企業はスターバックス、Linkedin、リーバイス、ボストンコンサルティング、ウォールマート、ゼネラルモーターズ、アメリカン航空、ユナイテッド航空、デルタ航空のCEO、そしてNFLチームのアトランタ・ファルコンズのオーナーなどが挙げられる。
『ウォール・ストリート・ジャーナル』はこうした動きに対し論説で、「ジョージア州の新しい選挙法に関する議論は、デマ、プロパガンダ、パニックのミックスシチューのようになってしまっている。その責任の一端は、民主党の党派的な歪曲にあり、一部はその歪曲を宣伝するメディアにあり、そして今では、良くて無知、悪くて臆病になってしまっている大手企業のCEOにもある。」と伝えている。同紙は、彼らは本当に、新しく成立された法律の中身を読んでいるのかと疑問視している。
米『ブライトバート』によると、ジョージア州の共和党議員バディ・カーターは、ジョージア州の選挙法改正は「投票を制限するものは何もない」と述べており、「実際はその正反対だ。投票を拡げ、投票しやすくする一方で、不正行為をしにくくしている。CEOたちが、大統領や民主党議員が流している誤った情報や嘘に耳を傾けるのではなく、この法律の文言を読んでいけば、実際に投票を拡大するものだと理解できるだろう」と語っている。
『ブライトバート』は、法改正について、4月1日から4日にかけて米国の有権者1,000人を対象に行われた、誤差±3%とされているラスムセン調査の結果を伝えている。
この調査では、「公正で安全な選挙プロセスのために、投票時のIDカード確認は必要だと思うか」と尋ねたところ、75パーセントが「必要」、19パーセントが「必要ではない」、6パーセントが「わからない」と回答した。共和党員では89%、民主党員では65%が、必要だと回答している。また、どちらの政党にも所属していない人の71%も「必要」と回答している。
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米、ゴーストガンなどの銃規制策
バイデン米政権は、相次ぐ銃乱射事件を受け対策を求める声が高まる中、議会承認がいらない大統領令発布の形で新たな銃対策を発表。近年の事件では、ネットで購入し自分で組み立てられ、登録番号もなく追跡ができないため身元確認が必要ない「ゴーストガン」など自家製銃の使用が増加しているという。今回の対策には、この自家製銃や、銃口を安定させる補助装具の規制強化、各州で危険人物から銃器を取り上げられる法律整備などが盛り込まれている。
4月8日付英国
『BBC』は「米国の銃による暴力:バイデン氏が“国際的な恥”への対策」との見出しで以下のように報道している。
バイデン政権は、未登録で追跡できない「ゴーストガン」と呼ばれる自家製銃などの規制策を大統領令として発表。特定の銃への規制を定め、身元調査を早め、地域の暴力防止を支援する。木曜バイデン大統領はホワイトハウスで演説し、「この国は銃による暴力は蔓延しており、これは国際的な恥である」、「一日の銃による死者は106、これは驚異的で阻止すべき。...
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4月8日付英国
『BBC』は「米国の銃による暴力:バイデン氏が“国際的な恥”への対策」との見出しで以下のように報道している。
バイデン政権は、未登録で追跡できない「ゴーストガン」と呼ばれる自家製銃などの規制策を大統領令として発表。特定の銃への規制を定め、身元調査を早め、地域の暴力防止を支援する。木曜バイデン大統領はホワイトハウスで演説し、「この国は銃による暴力は蔓延しており、これは国際的な恥である」、「一日の銃による死者は106、これは驚異的で阻止すべき。犯罪者やテロリストまで、このキットを購入でき30分もあれば銃を組み立てられるのだ」と述べた。
また、大統領は司法省にゴーストガンを減らす規制を1か月以内に設けるよう指示。ゴーストガンは、自分で組み立てられた銃で、登録番号もなく追跡ができないため部品キット購入の際身元確認は必要ない。水曜には若者を含む5人が南加州で犠牲となり、演説の後にもテキサス州で銃による殺傷事件が起きている。専門家は、自家製の銃が犯罪に使用されるケースが増加していると指摘している。政府の銃器当局によると、ロサンゼルスで押収された銃の4割以上が、ゴーストガンだという。
また大統領は、司法省に銃口を安定させる「スタビライジングブレース」装置の規制を2か月以内に行うよう指示。この規制により同装置は銃口が短い銃身のライフルに分類され、より厳しい調査対象となり得る。司法省は各州独自の法を導入できる「レッドフラッグ」法の原案も策定することとなる。
一方、銃を持つ権利は合衆国憲法修正第2条で保障されており、多くの国民は銃規制が権利の侵害だとみなす。上院が両党で割れている今、政権が議会を通し銃規制することは困難となっている。
同日付米国『CBS』は「バイデン氏が銃暴力蔓延を減らす大統領令を発表」との見出しで以下のように報道している。
バイデン大統領が銃暴力を減らす施策を初めて発表。銃器の範囲を変更することで銃規制改革を目指す。また、バイデン大統領は、 アルコール・たばこ・銃器取締局(ATF)の局長に元同局当局者のデビッド・チップマン氏を起用。銃暴力に精通しているとされるチップマン氏は近年、銃規制団体「Giffords」の政策担当部長を務めていた。
一方、全米ライフル協会はこの銃施策撤回を求めており、ツイッターで対抗する意向を示している。バイデン政権の政策は、これまで新型コロナウィルスや景気対策を主軸とし、公に銃規制議論に触れてこなかった。先月の公式記者会見では、ジョージア州やコロラド州で大きな銃撃事件が起きる中にあっても銃の問題に近々に取り組む姿勢は見せなかった。
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