米、メキシコ国境との壁の製造業者を選定中(2017/09/01)
トランプ米大統領が選挙公約に掲げていたメキシコ国境との壁について、その製造業者を最終決定するため、数社に試作品を作らせて競わせることが明らかになった。米国土安全保障省が8月31日、コンクリート製の壁の試作品を作成する4社を発表した。複数の米国メディアが報じている。
同省の税関・国境警備局は、今年の3月に2種類の壁について業者からの提案を求めた。1つはコンクリート製の壁のデザインで、もう1つはコンクリート以外の材料からなるものである。200社以上の会社が応募し、今回はコンクリート製の壁の試作品を発注する候補4社について発表したが、来週コンクリート以外の材料の会社についても発表する予定。
税関・国境警備局のロン・ヴィティエリョ副長官によれば、同局が候補の会社と会って今後の予定につき調整を行った後、試作品の建設が開始される。...
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同省の税関・国境警備局は、今年の3月に2種類の壁について業者からの提案を求めた。1つはコンクリート製の壁のデザインで、もう1つはコンクリート以外の材料からなるものである。200社以上の会社が応募し、今回はコンクリート製の壁の試作品を発注する候補4社について発表したが、来週コンクリート以外の材料の会社についても発表する予定。
税関・国境警備局のロン・ヴィティエリョ副長官によれば、同局が候補の会社と会って今後の予定につき調整を行った後、試作品の建設が開始される。建設の発注が数週間以内に出され、その後30日以内に完成するとのことである。壁の建設はこの4カ月間、様々な理由で遅れており、当初は6月に試作品の建設を行うとしていたが、11月に延期された。
試作品は高さ30フィート(約3m)、幅も30フィートで、近年設置された現存する国境の壁を補完する新たな壁のサンプルとなり、税関・国境警備局は、2カ月程かけて、外観、強度や浸み込みに対する耐性、犯罪防止等の観点から検査を行う。カメラ、センサー他の監視技術やケーブルの導管など、様々な種類のツールやテクノロジーの一部として全体を評価するという。
米国議会は2017年度予算で、壁の試作品の建設に2,000万ドル(約22億円)を当てているが、壁そのもの以外には予算手当をしていない。4社との契約はそれぞれ40-50万ドル程度になると見込まれている。ワシントンポスト紙の報道では、政府の2018年度予算要求では、「高優先順位の戦略的なインフラと国境の安全保障のテクノロジー」のために26億ドル(約2,860億円)、内訳は壁そのものに16億ドル、付属のインフラと技術に10億ドルとされている。
現在、米国議会は9月30日以降に政府機関の閉鎖をさせないよう厳しい交渉が続けられており、上院民主党は壁の費用を予算に盛り込むことに反対している。トランプ大統領は8月、もし議会が9月中に壁の予算を認めなければ、政府機関が閉鎖されると警告した。
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米司法省が機密情報漏洩の取り締まり強化、メディアへの締め付けも(2017/08/05)
ジェフ・セッションズ米司法長官は4日、司法省で行われた記者会見で、米国の安全保障を損なう、政府関連の機密情報の漏洩事件が非常に増えていることを説明した上で、漏洩に関与した人物の訴追を徹底するとともに、報道機関からの証拠の提出要求や事情調査等を行う等、取り締まりを強化する考えを示した。多くの米国メディアが報じている。
セッションズ長官は、トランプ政権の発足後、特にこの数カ月で司法省が扱う漏洩事件の数が激増し、オバマ政権終了時の3倍以上になったと懸念を示し、FBIの情報漏洩問題を扱う要員を増強して専門組織を新設し、既に4人を訴追したこと等を明らかにした。
長官は、「信じ難いほど膨大な数の情報漏洩案件」が、政権のこの国を守る能力を蝕んでおり、「いかなる政府も、首脳が機密事項について議論したり、外国の首脳と秘密裡に会談したりする自由がなければ、効率的な業務はできない。...
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セッションズ長官は、トランプ政権の発足後、特にこの数カ月で司法省が扱う漏洩事件の数が激増し、オバマ政権終了時の3倍以上になったと懸念を示し、FBIの情報漏洩問題を扱う要員を増強して専門組織を新設し、既に4人を訴追したこと等を明らかにした。
長官は、「信じ難いほど膨大な数の情報漏洩案件」が、政権のこの国を守る能力を蝕んでおり、「いかなる政府も、首脳が機密事項について議論したり、外国の首脳と秘密裡に会談したりする自由がなければ、効率的な業務はできない。」と警告した。3日に、ワシントンポスト紙が、トランプ大統領の就任直後に行われた、メキシコ・オーストラリア両国首脳との電話会談での激しいやり取りの記録を公開したばかりである。
また、オバマ政権時代に導入された、記者から取材源などの情報の提出を求めることを制限している方針を見直していると説明し、「報道機関が果たしている重要な役割は尊重するが、無制限ではない。」と述べた上で、「報道機関の役割と、国家の安全保障と情報機関、軍隊、法を順守する米国民の生命を保護することとのバランスを取らねばならない。」と主張した。
こうした司法省の締め付けとも言える姿勢に対し、メディア側は、政権は記者に仕事をさせないようにしていると早速批判した。「司法長官が示唆したことは、自国のリーダーが何をしようとしているのか、そして何故そうしようとしているのかを知り、理解するという、米国人の自由に対する危険な脅威である。」と報道の自由のための記者委員会のデビッド・ボードマン会長は警告している。アメリカ自由人権協会も、「全ての米国人は、トランプ政権の内部告発者や記者に対する圧力を強化する脅しについて、懸念を持つべきだ。」と声明を出して、これを非難した。
トランプ大統領は、メディアが連日ロシア疑惑等に関する内部情報を報道しており、情報の漏洩に激怒している。司法省はロシア疑惑より、情報漏洩の調査をすべきであり、取り組みへの姿勢が弱腰であるなどと、連日ツイッターでセッションズ長官を攻撃していた。
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