プーチン大統領;盟友トランプ大統領の悪あがきを忖度してか、依然バイデン氏の当選を認めず【米・英国メディア】(2020/11/23)
既報どおり、世界の多くの首脳がジョー・バイデン民主党候補(77歳)の当選を祝福しているが、ドナルド・トランプ大統領(74歳)の盟友とされる、ロシア、ブラジル、北朝鮮等の首脳は事態を静観するばかりである。そうした中、ウラジーミル・プーチン大統領(68歳)が改めて、米国内の法的手続きが決着するか、あるいはどちらか一方が敗北宣言をしない限り、次期大統領と認めることはしないと断言した。
11月22日付米
『ニューヨーク・ポスト』紙(
『ロイター通信』配信):「プーチン大統領、米大統領選が最終決着する前にバイデン氏の当選を祝福する意向はないと断言」
ウラジーミル・プーチン大統領は11月22日、先の米大統領選に関し、米国内の法的手続き一切が終了するか、あるいはどちらか一方が敗北宣言をしない限り、次期大統領として認めることはないと表明した。
同大統領はロシア国営テレビのインタビューに答えて、“ロシアは、誰が大統領となっても米ロ間関係を継続していく”とした上で、“但し、一方の政党が他方の勝利を認めるか、あるいは米国内の法的手続き一切が終了して勝利者が確定するまで、いずれの候補者にも祝意を述べるつもりはない”と断言した。...
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11月22日付米
『ニューヨーク・ポスト』紙(
『ロイター通信』配信):「プーチン大統領、米大統領選が最終決着する前にバイデン氏の当選を祝福する意向はないと断言」
ウラジーミル・プーチン大統領は11月22日、先の米大統領選に関し、米国内の法的手続き一切が終了するか、あるいはどちらか一方が敗北宣言をしない限り、次期大統領として認めることはないと表明した。
同大統領はロシア国営テレビのインタビューに答えて、“ロシアは、誰が大統領となっても米ロ間関係を継続していく”とした上で、“但し、一方の政党が他方の勝利を認めるか、あるいは米国内の法的手続き一切が終了して勝利者が確定するまで、いずれの候補者にも祝意を述べるつもりはない”と断言した。
同大統領は、依然ジョー・バイデン氏の勝利を祝福していない十数ヵ国の首脳のひとりとなっている。
同日付英国『ザ・サン』紙:「プーチン大統領、トランプ氏が敗北を認めておらず、また“合法的”な手続きが完了していないので、バイデン氏を次期大統領と呼べないと表明」
プーチン大統領は、他の多くの首脳がバイデン氏の当選を祝福しているのに、また、トランプ氏が起こした訴訟が悉く退けられているにも拘らず、事態が最終決着するまでバイデン氏に祝意を述べる意向はないと断言している。
米『ブルームバーグ』によると、プーチン大統領のこの決意は、“正規の手続き”的な話であり、そこに何ら隠された意図はないとしている。
同大統領は、ロシア国営メディアの質問に答えて、“大統領選当選者への祝福が遅れたからと言って、米ロ関係が毀損されることはない。何故なら、両国関係はとっくに損壊しているから”だとも強調した。
この大統領のコメントの背景には、直前にバラク・オバマ前大統領(59歳、2009~2017年執務の第44代大統領)が出版した回顧録「約束された土地(プロミスト・ランド、注後記)」がある。
すなわち、オバマ氏は同回顧録の中で、2009年に行われた同氏・プーチン大統領との会談について、プーチン大統領を不快にさせる次のような内容を述べていたからである。
・朝食を取りながらの会談の席上、プーチン大統領は、米国について“45分もの間怒声で以て”非難し続けた。
・同大統領は、米国から受けたロシア人の苦痛について、ひとつひとつ不当に扱われたとされる事態を上げて“長々と”責め続けた。
・一例を挙げると、同大統領はジョージ・W.・ブッシュ大統領(74歳、2001~2009年執務の第43代大統領)と盟友関係にあり、2001年の9.11同時多発テロ発生の際には、宿敵とされたサダム・フセイン(1937~2006年、イラク元大統領)の扱いについて協力もすると申し出たにも拘らず、“ブッシュ大統領はイラク侵攻をして、中東情勢をめちゃくちゃにしてしまった”と非難した。
・オバマ氏の随行員が、30分程でプーチン大統領の暴言を止めさせるべく割って入ろうとしたが、オバマ氏はそれを止めた。
・その代わり、オバマ氏はプーチン大統領に言いたいだけ述べさせた上で、そのひとつひとつに説明やコメントをしたので、当該会談は都合2時間に及んだ。
(注)プロミスト・ランド:オバマ氏が11月17に発刊した回顧録で、同氏にとって4冊目の著書。発売当日の米国・カナダでの売り上げが89万部近くに及び、これはこれまで記録となっていたビル・クリントン氏の「マイ・ライフ」(発売初日の売り上げ約40万部)及びジョージ・W.・ブッシュ氏の「ディシジョン・ポイント」(同約22万部)を大きく上回っており、大統領回顧録として史上最大のベストセラーになると見込まれている。
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トランプ大統領のプーチン大統領会談に米国内外で物議を醸すも、プーチン氏にとって米ロ首脳会談は追い風?【米・ロシアメディア】(2018/07/12)
訪欧中のトランプ大統領の思惑どおり、北大西洋条約機構(NATO)諸国に国防費の国内総生産(GDP)比2%までの引き上げを認めさせた。ただ、欧州各国は、同大統領の威圧的態度も、また、国防費増額の対象であるロシアによるクリミア併合違法論に賛同しないという矛盾した姿勢等、大いに不満を持っている。そこで、米ロ関係改善のためとして設定された7月16日の米ロ首脳会談について、トランプ大統領は前のめり気味だが、米国内はもとより、欧州諸国からも批判的な見方が強い。一方、欧米諸国からの経済制裁でかなりダメージを受けているプーチン大統領にとって、トランプ大統領と会談するという事実だけで追い風となると踏んでいる模様である。
7月12日付米
『ロイター通信米国版』:「プーチン大統領にとって、ヘルシンキでのトランプ大統領との会談に臨むだけで大きな収穫」
ドナルド・トランプ大統領は7月16日、欧州歴訪の途上、ヘルシンキ(フィンランド)でウラジーミル・プーチン大統領と首脳会談を持つ予定である。
ロシアは、米国民や同盟国から半ば嫌われ者とされているが、その首脳との会談に積極的なトランプ大統領に対して、米国内外からの批判は少なくない。...
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7月12日付米
『ロイター通信米国版』:「プーチン大統領にとって、ヘルシンキでのトランプ大統領との会談に臨むだけで大きな収穫」
ドナルド・トランプ大統領は7月16日、欧州歴訪の途上、ヘルシンキ(フィンランド)でウラジーミル・プーチン大統領と首脳会談を持つ予定である。
ロシアは、米国民や同盟国から半ば嫌われ者とされているが、その首脳との会談に積極的なトランプ大統領に対して、米国内外からの批判は少なくない。
すなわち、クリミア併合、シリア/アサド政権擁護、更には、2016年米大統領選不当介入容疑と、これら諸問題が何ら解決・改善されない状況下、米大統領がロシア首脳と会うことの意義について懐疑的である。
しかし、ロシアにとっては、悪化の一途を辿っている米ロ関係について、少しでも風向きを換える機会になるのではないかとして、期待されている。
すなわち、プーチン大統領にとっては、会談の中味ではなく、トランプ大統領と首脳談を持ったという事実だけで、地政学的に言って勝利を得ることになるとみられる。
与党・統一ロシア党の傑出した政治家であるアレクセイ・プシコフ上院議員は、米ロ首脳会談の画期的な成果は、米国はロシアを孤立化できないし、無視もできないということが明らかになることである、と語っている。
ロシア外務省に近い外交問題シンクタンク、ロシア国際評議会のアンドレー・コーツノフ議長は、米ロ首脳会談が持たれることで、少なくとも安全保障上、ロシアは米国と対等の立場にあることが証明される、とコメントした。
また、政治問題著者のビタリー・トレチャコフ氏は、ロシア国営テレビの番組で、プーチン大統領は今回、“国際政治初心者”の米首脳に対して、クリミア併合の背景やロシアの政策について噛んで含めるように説明できる機会だと捉えていると言及した。
更に、公正ロシア党のセルゲイ・ミロノフ下院議員は、首脳歴18年のプーチン大統領は、昨年就任したばかりでまだ再選されたこともないトランプ大統領との会談では、間違いなく上座に座って会談をリードすることになろう、と表明した。
ロシアにとって、経済関係の観点からは、中国・インド・欧州との関係の方が大切であろうが、ロシアの政治家にとっては、国際社会におけるロシアの力を米国と対峙することで推し量る傾向にある。
一方、ロシア国民の多くは、今回の首脳会談で、欧米による対ロ制裁の解除等に繋がることはあるまいとみている。
ロシア公共世論センターが7月9日、1,600人の成人に対して行った調査の結果、半分以上が今回の首脳会談で目に見える成果が得られるとは思っていないという。
一方、同日付ロシア『イタル・タス通信』:「ロシア政府、ヘルシンキでの米ロ首脳会談ほど複雑なものはないと表明」
ロシア大統領府のドミートリィ・ペシコフ報道官は7月12日、7月16日に予定されている米ロ首脳会談ほど複雑なものはないとコメントした。
何故なら、トランプ大統領が直前に、ノルド・ストリーム2プロジェクト(注後記)の件でドイツ等を非難するコメントしていることでもあり、米ロ首脳会談での協議事項に両国で折り合えない可能性が大きいからだとしている。
すなわち、同会談に臨むトランプ大統領は7月11日、NATO事務総長と会談した際、米国が多額の国防費を払ってロシアから守っているNATO加盟国が、ロシア企業とのノルド・ストリーム2を支持しているのは矛盾していると批判した。
更に同大統領は、同パイプラインのお蔭でドイツは、60~70%のエネルギーをロシアに頼ることになっており、ロシアにすっかり牛耳られていると言った上に、同プロジェクト事業会社のノルド・ストリーム社の会長にドイツのゲアハルト・シュレーダー前首相が就任していることも不適切だと厳しく非難しているからである。
(注)ノルド・ストリーム2プロジェクト:バルト海海底を経由してロシア・ドイツ間を繋ぐ天然ガスパイプライン敷設計画。ロシア国営企業ガスプロムとドイツ・フランス等の合弁事業として2011年に稼働開始したノルド・ストリームを増強するもので、2019年完工予定。
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