潜水艦から飛行機への通信(2018/08/23)
これまで水中に沈む潜水艦と空中の飛行機との間の通信方法は存在しなかったのだが、マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームにより、潜水艦から飛行機に通信する技術が開発された。応用されれば、フライトレコーダーの探知などにも使われる可能性があるという。
8月22日付英国
『BBC』 は「潜水艦から飛行機にメール送信する新技術」との見出しで以下のように報道している。
マサチューセッツ工科大学の研究チームにより潜水艦から飛行機に通信する技術が開発された。現在の技術では、飛行機から水中のソナー信号を受信するのは水面反射により難しいため、困難だとされてきた。だが、研究チームは超高周波レーダーが、通常の水中スピーカーから発せられる水面の小さな揺れを探知することを突き止めたのである。...
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8月22日付英国
『BBC』 は「潜水艦から飛行機にメール送信する新技術」との見出しで以下のように報道している。
マサチューセッツ工科大学の研究チームにより潜水艦から飛行機に通信する技術が開発された。現在の技術では、飛行機から水中のソナー信号を受信するのは水面反射により難しいため、困難だとされてきた。だが、研究チームは超高周波レーダーが、通常の水中スピーカーから発せられる水面の小さな揺れを探知することを突き止めたのである。これにより音信不通となった飛行機と、潜水艦が通信できるようになるという。
潜水艦は水中を伝播するソナー波を使って通信を行うのだが、水面を突き抜けるのは難しいとされる。一方、飛行機は、 無線信号を使って通信を行うが、あまり水を通さない。
その為現在は、潜水艦はメッセージ通信のため水面に浮上せねばならず、これでは位置情報が漏れてしまう。信号をキャッチするためのブイ(浮標)が使用される場合もあり、信号は無線信号に変換される。
MITが開発したシステムでは、水中スピーカーからソナー信号を直接水面に送り、数マイクロメートルの極小さな波を作りだす。この波を水上の高周波数レーダーで探知し、メッセージへ変換する。研究はスイミングプールを使って行われ、水中からのメッセージを水上でキャッチすることに成功した。
しかし、このシステムで大量のデータを送信できるようになるのはまだ先となる。更に、16cm以上の波のあるところでは通信が行えない条件つきで、しかも飛行機からの通信は行えない一方方向の通信である。
今後は、海洋面のノイズを修正し、ソナー信号による微弱な波を取り出す技術開発が期待されている。この技術は将来的には、飛行機やドローンが海に沈んだフライトレコーダーの位置を探知するのに使用されることであろう。
8月21日付『MSN』 は「遂に潜水艦から飛行機への通信に成功」との見出しで以下のように報道している。
これまで空気中と水中の間での信号通信方法は存在しなかった。
水中にある潜水艦から空を飛ぶ飛行機への伝達方法は無く、中継船を介して以外は、コミュニケーションは不可能とされてきた。しかし、今回、MITメディアラボのFadel AdibとFrancesco Tonoliniら研究チームが、Translational Acoustic-RF communication(TARF)と呼ばれるシステムを使用し、水中からの音波を空中のレーダーで読み取る事に成功した。
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全英シングルヒットチャート、集計にミュージックビデオ再生回数などを新たに反映(2018/06/29)
英国では7月6日から、シングルヒットチャートの集計基準に、動画のダウンロードおよびストリーミング再生の回数が新たに取り入れられる。集計を行う「オフィシャル・チャート・カンパニー(OCC)」が、新ルールの導入を25日に発表した。音楽業界ではミュージックビデオの重要性が高まっており、この動きは他国にも影響を与えそうだ。
これまでの全英シングルチャートの集計には、CDやアナログ・レコードの売り上げ枚数の他、音声のダウンロードやストリーミング再生の回数が反映されていた。今後はこれにミュージックビデオのダウンロードやストリーミング再生回数が加わる。対象となる動画は、ユーチューブ、アップルミュージック、スポティファイ、タイダルのサービスによる公式のビデオであり、非公式なものやユーザーが作成したコンテンツなどは除外される。...
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これまでの全英シングルチャートの集計には、CDやアナログ・レコードの売り上げ枚数の他、音声のダウンロードやストリーミング再生の回数が反映されていた。今後はこれにミュージックビデオのダウンロードやストリーミング再生回数が加わる。対象となる動画は、ユーチューブ、アップルミュージック、スポティファイ、タイダルのサービスによる公式のビデオであり、非公式なものやユーザーが作成したコンテンツなどは除外される。
ミュージックビデオは、有料サービスでも無料サービスでもカウント対象となるが、有料サービスの方が計算上高いウェイトで扱われる。有料サービスは100回の再生で1セールスとカウントされるのに対し、無料サービスは600回で1セールスとなる。
アップルミュージックやスポティファイは最近共にビデオサービスを導入しており、ユーチューブも英国でビデオの有料サブスクリプションサービスを立ち上げようとしている。ユーチューブで最も視聴されたミュージックビデオは、プエルトリコの歌手ルイス・フォンシ(Luis Fonsi)の「デスパシート(Despacito)」で、再生回数は52億回を超えており、音楽業界では動画配信の重要性がますます高まっている。
OCCは集計方法の変更の発表とともに、2017年に最も人気のあったミュージックビデオを男女別に発表している。男性アーティストでは、エド・シーランの「シェイプ・オブ・ユー(Shape of You)」が、女性ではデュア・リパの「ニュー・ルールズ(New Rules)」が、それぞれ最多の再生回数を記録した。
OCCのマーティン・タルボット最高経営責任者(CEO)は、今回の変更について、同社の発表する公式ヒットチャートが、引き続き英国で最も包括的で信頼できるものであるための重要な一歩であると説明した。そして、「現代において、アーティストは音楽とともにビジュアル面での高度な感覚を持つ多面的なクリエイターになっている。ビデオの集計への反映により、チャートはアーティストの創造性と、そのビジョンに対する音楽ファンの関わりを可能な限り反映できる。」として、変更の意義を強調した。
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