1月14日付米
『ロイター通信米国版』:「北京、2017年のスモッグ濃度削減目標を設定するも依然WHO基準の2倍以上」
「●北京市の蔡奇市長は1月14日、北京市人民代表大会(市議会に相当)において、2017年のPM 2.5(微小粒子状物質)平均濃度を1立方メーター当り60マイクログラムまで減少させるとの目標を発表。
●ただ、この目標値は、世界保健機構(WHO)が基準としている20~25マイクログラムの倍以上。
●北京市は、これまでの大気汚染対策の結果、PM 2.5平均濃度は2015年の76.6マイクログラムから、2016年には73マイクログラムまで改善していると報告。
●しかし、12月からの直近数週間でも、北京を含めた華北地域のスモッグ被害は深刻で、航空便のキャンセル、港湾荷役の中断、そして学校の休校等の事態が発生。
●なお北京市は先週、大気汚染につながる屋外活動(野外バーベキューやゴミ焼却等)を取り締まる環境警察隊を創設すると発表。」
1月13日付英
『メール・オンライン』(
『ロイター通信』配信):「スモッグのため中国港湾で膨大な数の船舶が滞船」
「●昨年12月20日からスモッグ被害が深刻となり、中国北部の天津(ティエンチン)港や河北(ホーペイ)省曹妃甸(チャオフェイヂァン)港では、視界不良で何日も荷役操業が中断し、百隻余りの船舶が渤海(ポーハイ)で沖待ち。
●また、北東部の大連(ターリエン)港などまで含めると、今後沖待ちの船舶は300隻にも上る見込み。
●船舶の多くは石炭や鉄鉱石を積載し、揚げ荷役待ちしているもので、寒さがピークとなるこの時期、電力需要を賄うために石炭火力発電所をフル稼働させるため、更には1月末の旧正月の長期休暇前に在庫積上げのため、多くの船舶が中国埠頭に集中しているもの。
●滞船の影響で、天津、曹妃甸、仁丹(チンタン)、秦皇島(チンホワンタオ)石炭埠頭の石炭在庫総量が1,630万トンと、先週比▼6%余りも減少。
●なお、荷主にとっては、滞船料(18万トン級の大型船で1日当り12,000ドル)が追加海上運賃としてかかってくるだけでなく、船主にとっても、滞船している船舶をいつ次の傭船に回せるか確約できず運送業に影響。」
1月15日付中国
『チャイナ・デイリィ』(
『新華社通信』配信):「北京市にまた新たなスモ
ッグ発生」
「●中国国家気象センターは1月15日、日曜夜からスモッグが発生し、華中・華北地域を襲うと予報。
●影響を受けるのは、北京、天津、河北省、山西(シャンシー)省、河南(ホーナン)省、陝西(シャンシー)省で、1月19日頃まで続く見込み。」
一方、1月13日付英
『ザ・ガーディアン』紙:「インド北部の全ての都市で大気汚染が深刻」
「●国際環境NGOグリーンピースが今週発表した調査結果によると、インド北部の全ての都市での大気汚染が深刻で、国際基準を上回っており、このまま放置すると毎年100万人以上が犠牲となり、また、国内総生産(GDP)も3%悪化すると報告。
●2010~2015年の間に、インドの各都市の大気汚染濃度は13%悪化。
●一方、同時期に中国、米国、欧州の大気汚染濃度は15%改善。
●
『ランセット(査読性の医学週刊雑誌)』掲載の報告によると、インドの大気汚染によって毎日3,283人(年換算120万人)が死亡。
●デリー市の2015年のPM 2.5平均濃度は128マイクログラムにも上り、同時期の北京市は81マイクログラム。
●インドの大気汚染の原因は、道路の埃・野焼き・車の排気ガスなどで、デリー市高等裁判所は今週、毎年10月頃行われる焼畑・野焼きを今年から差し止めるよう役所に命令。
●また、インドの最高裁判所も昨年、ディーワーリー(注後記)祭での花火が大気汚染濃度を42倍も悪くするとして、デリー市においては昨年のお祭りから花火を禁止した他、工場や石炭火力発電所の煤塵規制を命令。」
(注)ディーワーリー:インドのヒンドゥー教の新年のお祝い。別名「光のフェスティバル」とも呼ばれ、時期は10月末から11月初め頃。
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