8月21日付米
『ブライトバート』オンラインニュース:「マレーシア首相、中国推進の“OBOR”プロジェクトを拒否」
マレーシアのマハティール・モハマド首相は8月21日、中国が推し進めていた“OBOR”構想下の2つの大プロジェクトを中止することで、中国側を説得したと発表した。
同首相は訪中の上、習近平(シー・チンピン)国家主席及び李克強(リー・コーチアン)首相とそれぞれ会談し、大きな負債を抱えるマレーシアにとって、それらのプロジェクトをこれ以上進める財力はないことを説明し、了解を得られたとする。...
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8月21日付米
『ブライトバート』オンラインニュース:「マレーシア首相、中国推進の“OBOR”プロジェクトを拒否」
マレーシアのマハティール・モハマド首相は8月21日、中国が推し進めていた“OBOR”構想下の2つの大プロジェクトを中止することで、中国側を説得したと発表した。
同首相は訪中の上、習近平(シー・チンピン)国家主席及び李克強(リー・コーチアン)首相とそれぞれ会談し、大きな負債を抱えるマレーシアにとって、それらのプロジェクトをこれ以上進める財力はないことを説明し、了解を得られたとする。
対象となったプロジェクトは、東海岸環状鉄道建設(ECRL、タイ南東端の南シナ海側~マレーシア南西岸のマラッカ海峡までの688キロメーターを繋ぐマレーシア最大のプロジェクト)及び天然ガス輸送パイプライン建設(ボルネオ島北東端のサバ州に662キロメーター敷設されるプロジェクト)で、併せて総額220億ドル(約2兆4,400億円)に上る。
同首相によれば、中国側も、同プロジェクトを無理に建設してマレーシアが破綻することを望んでいないとした。
なお、『ワシントン・ポスト』紙の取材に答えて、ハイデルベルク大学(1386年設立のドイツ最古の大学)中国研究所のマリーナ・ラドヤック助講師兼博士研究員は、マレーシアの同プロジェクト建設拒否は、世界規模の地域戦略を進めようとしていた中国指導部にとって打撃となろうとコメントした。
更に同研究員は、習国家主席にとってOBOR構想は、中国の“新時代”を形成していく上で重要な政策であるが、マレーシアの反発が中国による経済外交の失敗を意味するところとなるとも付言した。
一方、シンガポールの『ストレーツ・タイムズ』紙報道によると、マハティール首相の評価チームによる分析によると、今回のプロジェクトにおいて、人も資材も全て請負先の中国企業が中国国内で手当てする契約となっており、マレーシアには何ら利益をもたらさないとしているという。
また、インドの『エコノミック・タイムズ』紙は、中国の横暴な進出を後退させることになるとして、マハティール首相の英断を称賛する記事を掲載している。
更に同紙は、マハティール首相が、中国のやり方について“植民地政策”と批評していたと報じている。ただ、同首相は、さすがに習国家主席・李首相の面前ではそのような表現は用いなかったとしている。
8月22日付マレーシア『マレーシア・ネットニュース』:「国の経済破綻を懸念して、マレーシアが中国の大プロジェクト推進をキャンセル」
5日間の訪中の最終日の8月21日、マハティール首相は、同国の経済破綻を招きかねないと説明し、OBOR構想下の大プロジェクトを中止することで中国指導部の了解を得たと発表した。
ECRL総費用が200億ドル(約2兆2,200億円)、天然ガス輸送パイプラインプロジェクト費用が20億ドル(約2,200億円)であることから、目下マレーシアが抱える債務超過問題を解決せずに同プロジェクトを推進すれば、やがて同国の経済破綻は必至であるとしている。
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