【Globali】
米メディアが見る中ロの動き(2015/08/19)
中国とロシアが20日から28日まで、ウラジオストク沖の日本海などで、史上最大規模の合同軍事演習「海洋協同2015」を行う。米国では中国とロシアが今後どのような動きを見せるかに注目していて、その見方が2つに割れている。日本としては安倍首相が中国政府主催の“第二次大戦戦勝70周年記念式典”に出席し、習近平国家主席と会談する可能性がある(米メディア;安倍首相、中国の戦後70年式典に出席へ)中、関係改善を目指す日本にとっては、日本海で行われる中ロ合同軍事演習は、こうした動きに水を差すものでしかない。米メディアは、中ロの動きについて以下のように報じた。
8月16日付
『フォーリンアフェアーズ』(米国)は、「ロシアと中国の未来、そして米国はどう対峙するべきか」との見出しで、「中ロ関係の可能性について考える2つの学派が、米国内にある」と紹介した上で、「ひとつの学派には元米高官やジョセフナイなどの著名な学者が含まれており、こちらの学派は中ロ関係は利便性を重視して結びつきを強め、中国とロシアは持続的に戦略的パートナーシップを構築していく可能性があるとする立場」と紹介。...
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8月16日付
『フォーリンアフェアーズ』(米国)は、「ロシアと中国の未来、そして米国はどう対峙するべきか」との見出しで、「中ロ関係の可能性について考える2つの学派が、米国内にある」と紹介した上で、「ひとつの学派には元米高官やジョセフナイなどの著名な学者が含まれており、こちらの学派は中ロ関係は利便性を重視して結びつきを強め、中国とロシアは持続的に戦略的パートナーシップを構築していく可能性があるとする立場」と紹介。もうひとつの学派については、「中国とロシアがポスト冷戦の新世界秩序を目的に強力な同盟を構成し、米国の優位性に挑戦していくという野望を持っていると主張する立場だ」と伝えた。現在の中国、ロシアの動きは後者の主張する動きにかなり近いようだ。
8月18日付
『ワシントンタイムズ』(米国)は、「中国とロシアが、史上最大の合同海軍軍事演習を行うと米海軍が警告」との見出しで、「中国海軍とロシア海軍は、史上最大の共同軍事演習“海洋協同2015”のための準備を進めており、20隻以上の船を太平洋上に繰り出し、対潜水艦作戦や離島への上陸作戦などを予定している」と報じた。
8月18日付
『ディプロマット』(米国)は、中国、ロシアにパキスタンを加えた新興国同盟の動きを伝え、「すでに中国とパキスタンの親密な関係はよく知られているが、ロシア、中国、パキスタンが連携する可能性もあり、これらの国々が組めば(米国の)最も手ごわい同盟国になる。これらの国々は、内部の問題から目をそらすために外部の敵を必要としている」と報じた。
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世界が見る中国の南沙諸島埋め立て工事(2015/04/10)
AIIB(アジアインフラ投資銀行)の参加国拡大により勢いづく中国だが、その陰でスプラトリー諸島(南沙諸島)の岩礁埋め立て工事や建物の建設を急ピッチで進めていることが、最新の衛星画像から判明、近隣諸国の不安が高まっている。AIIBのガバナンスが不明瞭なことから日米は参加を見送ったが、南シナ海で建設中の施設の目的もはっきりしておらず、ここでも中国の不透明な動きが問題視されている。各国は急ピッチで進む中国の南沙諸島埋め立て工事について以下のように報じた。
4月9日付
『フォーリンアフェアーズ』(米国)はCSIS(戦略国際問題研究所)による最新の衛星画像で、「南シナ海のスプラトリー諸島での中国の埋め立て工事が急激なピッチで進んでいることが確認できた」と報じた上で、「画像からは中国の船舶の他、港湾や大規模な高層建築物、滑走路などが確認され、これらの施設が何のために造られているのか秘密のベールに包まれている」と伝えた。さらに「中国は南シナ海において覇権を確立し、近隣諸国を監視し、圧力をかけるという能力を大幅に向上させている。...
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4月9日付
『フォーリンアフェアーズ』(米国)はCSIS(戦略国際問題研究所)による最新の衛星画像で、「南シナ海のスプラトリー諸島での中国の埋め立て工事が急激なピッチで進んでいることが確認できた」と報じた上で、「画像からは中国の船舶の他、港湾や大規模な高層建築物、滑走路などが確認され、これらの施設が何のために造られているのか秘密のベールに包まれている」と伝えた。さらに「中国は南シナ海において覇権を確立し、近隣諸国を監視し、圧力をかけるという能力を大幅に向上させている。南シナ海における中国の戦略は、すべて習近平国家主席の胸先三寸で決まっていく」とのCMSI(米海軍大学中国海事研究所)のアンドリューエリクソン氏の分析を紹介した。
4月10日付
『AFP通信』(フランス)は、「オバマ大統領はジャマイカで行われたタウンミーティングの演説の中で、中国の強い経済と国際社会においての役割拡大を歓迎する一方で、”だからと言って南シナ海で領有権を主張する近隣国を押しのけてもいいということにはならない”と発言し、中国をけん制した」と報じた。また「南シナ海での中国の埋め立て工事で、地域の国々が不安にさらされている。建設中の施設は、中国の最新鋭の軍事拠点になる可能性があり、我々はこの地域を注意深く監視していく必要がある」とのジェフラスク報道官(米国国務省)の発言を紹介した。
4月10日付
『ボイスオブアメリカ』(米国)は、「オバマ大統領は”領有権問題ではどの国の肩も持たない立場である”と述べたが、南シナ海での領有権争いで、中国に国際的な規範やルールを守らせるために国際的なメカニズムを利用したいと考えている」と報じた。
4月10日付
『ニューヨークタイムズ』(米国)は、スプラトリー諸島の岩礁埋め立てについて「このような工事は、中国の主権の範囲内で行われているものであり、あくまで合法的なものであり、どの国にも影響を与えるものではない」との中国外務省の華報道官の発言を紹介した上で、「最後に彼女は、島が中国の軍事目的のためにも使用されると付け加えたが、詳細は明らかにしなかった」と報じた。
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