【Globali】
世界が見る日中関係の今後(2015/03/16)中国全人代は、経済の減速に対応する”新常態”の下で安定を探っていく方針を打ち出し、”4つの全面”との理念を打ち出して閉幕。李克強首相が記者会見を開き、安倍首相の戦後70周年談話を念頭に「先人の業績を引き継ぐだけでなく、先人がもたらした歴史の責任も負わなければならない」と発言した。戦後70周年談話懇談会の北岡座長代理は、「私は歴史的にも侵略だと思っている。首相にもそう言ってほしい」と明言したが、安倍首相の談話について、日本では村山談話や小泉談話などで使用されたキーワードを引き継ぐか否かの議論に終始している印象。李首相の発言は「引き継ぐのは当然で、それ以上に踏み込んだ発言が必要」ということを仄めかしている。一方で李首相は、「今年は中日関係にとって試練の年であり、日本の指導者が歴史を直視すれば中日関係を改善、発展させることができる新たなきっかけにすることもできる」と発言している。中国側には安倍首相の歴史認識に国際的な注目を集めさせ、自分達の軍事状況、領土的野心から目をそらせる狙いもある。各国は、日中関係の今後について以下のように伝えた。
3月15日付『ロイター通信』(英国)は、「今年は中日関係にとって試練、チャンスの年でもある」との見出しで、「日本と中国の今後の関係は、日本の指導者が適切に戦時の過去の罪を償うことができるかどうかにかかっている。それは試練でもあると同時に、(関係改善のための)チャンスでもある」との中国の李克強首相の発言を紹介した。
3月14日付『チャイナデイリー欧州版』(中国)は、戦後70周年談話にからみ「安倍首相は終戦記念日に世界が注目する談話を出すことにしているが、終戦記念日は、隣国や世界と仲良くする機会にもなりえる」と報じ、そうした機会にするために「 日本がアジアを侵略し、植民地化し、中国や韓国などのアジアの近隣諸国にはかり知れない苦しみを与えたことを談話の中に入れること」が必要だと報じた。...
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世界が見る日韓関係の行方(2015/03/06)駐韓米国大使のリッパート大使がソウルで男に刃物で切りつけられ、大怪我を負うという衝撃的な事件が起きた。当初、米国国務省シャーマン次官の発言が、韓国に批判的かつ日本寄りともとれたことが男の犯行動機として挙がっていたが、取調べで男はこれを否定、米韓合同軍事演習が南北の融和を妨げていることが直接の犯行動機だとしている。米国はシャーマン次官の発言は、特定の国を批判したものではないと説明しているが、韓国側が”米国は日本寄りなのではないか”と疑心暗鬼になっていることは確かで、日本の存在をことさら意識しているように見える。さらに、韓国には日本の外務省がインターネット上に発表した韓国の紹介文の中から、以前にはあった「自由と民主主義、市場経済などの基本的価値を共有する」という部分が削られたことに対して不満を露わにしており、その理由について日本政府に説明を求めている。韓国側から「今年の日韓関係は首脳会談なき正常化だ」との声も挙がっている中、各国は日韓関係の行方について以下のように報じた。
3月5日付『フォーリンアフェアーズ』(米国)は「日本と韓国の行方」との見出しで、「韓国と日本は今年、国交正常化50周年を迎える。将来的には両国はフランスとドイツのような共同記念行事を共同で開催し、和解を促進させることもできるだろうが、現在の状況を考えると首脳会談の開催でさえ難しい。しかし、両国には歴史問題に立脚しない形で和解の道を探っていくしか採るべき道はない」と報じた。
3月5日付『ビューズアンドニュース』(韓国)は、「パククネ大統領は最近の演説(3月1日)で”両国(韓国と日本)は、自由、民主主義と市場経済の価値を共有し、北東アジアの平和と繁栄を一緒に追求していく重要な隣国だ”と述べた。...
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