EU委員会: エジプトに、今後の流入する移民対策として経済的な支援を提案(2024/03/20)
『フランス・モンド紙』3月16日付け は、EUの代表団がカイロでEUとエジプトのアル・シシ政権間で17日にパートナーシップ協定に調印すると伝えている。
3人のEU諸国の首相とウルズラ・フォン・デア・ライエンEU委員会が調印式に立ち合うことになっている。調印式ではEU側とエジプトのアル・シシ大統領により共同声明が発せられ、正式にパートナーシップ協定が発効することになる。 、
『フィナンシャルタイムズ誌』3月13日付け、によるとエジプトに総額74億ユーロ(=約1.2兆円)が供与されるパートナーシップ協定だという。
今回の協定の発表は、3月初めに国際通貨基金(IMF)からエジプトへの73億ユーロの借款の発表と、2月中旬にアラブ首長国連邦(UAE)によるエジプトへの350億ドル(=約5.3兆円)の資本投資計画の発表の後に行われた。...
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3人のEU諸国の首相とウルズラ・フォン・デア・ライエンEU委員会が調印式に立ち合うことになっている。調印式ではEU側とエジプトのアル・シシ大統領により共同声明が発せられ、正式にパートナーシップ協定が発効することになる。 、
『フィナンシャルタイムズ誌』3月13日付け、によるとエジプトに総額74億ユーロ(=約1.2兆円)が供与されるパートナーシップ協定だという。
今回の協定の発表は、3月初めに国際通貨基金(IMF)からエジプトへの73億ユーロの借款の発表と、2月中旬にアラブ首長国連邦(UAE)によるエジプトへの350億ドル(=約5.3兆円)の資本投資計画の発表の後に行われた。しかしEUからの金額は、UAEの投資に比べると‘けち臭い’ように感じられる。
しかし、EUとしてはエジプト経済の崩壊を避けることが目的であった。コビッド19感染症の流行とそれに続く ウクライナ戦争により、エジプトは,財政赤字に苦しめられており、さらにイスラエルのガザ地区での戦闘の結果に直接、対処しなければならない厳しい状況におかれている。
すなわち、紅海でのフーシ派武装集団による一般船舶への攻撃により、スエズ運河を運航する商船数の著しい減少のよりエジプトの船舶通関収入の減少をもたらしている。
さらに、エジプトの外貨収入の重要な部分を占める観光業も、昨年2023年には1500万人の観光客が訪れたのに対して、今年はエジプトの玄関口のイスラエル、ガザ地区での戦争の影響を受け、観光客数が大きく減少することが危惧されている。
EU委員会としては、エジプトに総額50億ユーロ(=8000億円)を金額の支援が必要と考えている。この中の10億ユーロ(=1600億円)は、6月までに必要な緊急援助で、それ以外の40億ユーロ(=6400億円)は流入移民対策などの長い期間をかけての支援に使われるという。
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英国:大学は、経済的理由で外国人留学生を多く受け入れている(2024/01/19)
『仏モンド誌』1月18日付けで、英国の多くの学部では2/3の学生が外国人留学生だという。理由としては, 外国人学生の方が、大学の学費を2~3倍高く支払ってくれることにあるという。大学側としては、学生の資質に対する要求を低くしても海外留学生を多くとりたがる傾向にある。
ヨーク大学の情報学科の責任者が同僚たちに送った次の手紙には上記の内容が良く現われている。「現在の財政問題を解決するため、大学の全ての課程で、外国人の入学を許可する上で要求する成績レベルを下げることを決断した。」という内容である。
なお、ヨーク大学は、英国の高等教育で権威あるラッセルグループ、24校の1つに数えられるが、今回、基準学力レベルに満たない外国人学生を受け入れることを決定した。
『フィナンシャルタイムズ誌』によって明らかにされた以上の内部情報によると、外国人学生を受け入れるのは経済的な理由によるものと見られる。...
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ヨーク大学の情報学科の責任者が同僚たちに送った次の手紙には上記の内容が良く現われている。「現在の財政問題を解決するため、大学の全ての課程で、外国人の入学を許可する上で要求する成績レベルを下げることを決断した。」という内容である。
なお、ヨーク大学は、英国の高等教育で権威あるラッセルグループ、24校の1つに数えられるが、今回、基準学力レベルに満たない外国人学生を受け入れることを決定した。
『フィナンシャルタイムズ誌』によって明らかにされた以上の内部情報によると、外国人学生を受け入れるのは経済的な理由によるものと見られる。
英国の学生は、大学に納める学費として2012年より英国内一律で、年間10800ユーロ(=約165万円)支払うことが規定されている。しかし、海外からの留学生に対しては、国の規定がなく、国内学生の学費の2~3倍を納めることとなっている。例えば、ヨーク大学の場合、年間21950ポンド(=約413万円)となっている。
一方、2012年から大学の学費を英国で一律と規定してから、国家が大学に供与する助成金は、減少しているという。現在、英国が学生1人当たりに供与される助成金は、過去25年間で最も低いレベルにあるという。
そのため、海外留学生の支払う学費は、大学にとって乏しい財源を補うための拠り所となっている。海外留学生の学費は、大学の収入の20%を占めており、過去10年間で2倍に増加している。
英国の全大学の海外留学生に関する責任者のチャーリー・ロビンソン氏は、大学の財源の最適なバランス(国内学生からの学費、国の助成金、留学生からの学費)について早急に全国規模の討議を行う必要がある、と主張している。
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