最近発表されたIMFのマイナス金利に関する報告書はマイナス金利について金融緩和に対する相応の効果を認めるものであったが、4.6兆ドル(約500兆円)の資産を運用する世界最大の資産運用会社米国ブラックロックのフィンクCEO(最高経営責任者)は、4月10日株主宛の書簡の中でマイナス金利について否定的な見方を示した。
フィンク氏は、マイナス金利による運用資産の金利低下により老後に一定の金額を得るためには運用資産の額を従来よりも増やす必要があり、そのため消費から貯蓄に回る金額が増えるので、消費を増やすことが目的のマイナス金利が、逆の効果を生むと主張する。またマイナス金利は投資家が利回りの高い資産を求める余り、流動性が少なくリスクの高い資産への投資に向かうので、将来金融や経済に甚大な影響を与える可能性があるとも指摘している。
資産運用会社はマイナス金利により運用成績の悪化という最大の悪影響を受けており、日本でもマネーマーケットファンド(MMF)が運用中止となるなどの影響が出ている。
その運用会社のトップがマイナス金利のプラスの側面よりはマイナスの面を強調するのは言わば当たり前かもしれないが、効果が良くわからないものに直面したとき一般の人は、リスク回避の保守的な行動をとることが多いことを考えると、フィンク氏の指摘も理にかなっていると言えるのではないか。我々一般市民は日銀が始めた壮大な実験に対しよくよく注意して対応して行かねばならないと思う。
4月11日付
『ウォールストリートジャーナル』は、「ブラックロックのラリー・フィンク氏書簡:世界経済に悲観的な見方」という見出しで、マイナス金利を含む低金利、寿命の長期化、ふらつく景気が世界経済を金融危機時よりも脆弱にしているというフィンク氏の書簡を紹介した。
4月11日付
『CNBC』(フィナンシャルタイムズ引用)は、「ブラックロックのラリー・フィンク氏、マイナス金利が支出に打撃と警告」という見出しで、世界最大の資産運用グループトップがマイナス金利は消費支出に打撃を与え意図した景気刺激効果を損なう可能性があると警告したと報じた。...
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4月11日付
『ウォールストリートジャーナル』は、「ブラックロックのラリー・フィンク氏書簡:世界経済に悲観的な見方」という見出しで、マイナス金利を含む低金利、寿命の長期化、ふらつく景気が世界経済を金融危機時よりも脆弱にしているというフィンク氏の書簡を紹介した。
4月11日付
『CNBC』(フィナンシャルタイムズ引用)は、「ブラックロックのラリー・フィンク氏、マイナス金利が支出に打撃と警告」という見出しで、世界最大の資産運用グループトップがマイナス金利は消費支出に打撃を与え意図した景気刺激効果を損なう可能性があると警告したと報じた。同氏は、典型的な35歳の人が同額の退職年金を得るためには長期金利が2%の現在は5%であった時代と比較して3倍以上を貯蓄する必要があると指摘したと伝えている。
4月11日付
『ブルームバーグビジネス』は、「フィンク氏、マイナス金利が危険な結果を生む可能性を警告」という見出しで、特に世界経済が社会的政治的リスクの影響で過去10年の中で最も脆弱な時期に、マイナス金利を導入することは懸念されるというフィンク氏のコメントを報じた。フィンク氏は金利に焦点を当てているが、世界経済の脆弱性がエネルギー価格の乱高下、中国経済の減速、技術的な問題や政治の不安定による産業の混乱から生じているとも述べている。また、米国、ドイツにおける選挙の両極化、ブラジルのスキャンダルや英国のEU離脱問題の影響も指摘し、特に米国は貿易、移民、気候変動、寿命の長期化への対応をどうするか十字路に立たされていると言う。同氏はまた、公平にみるとマイナス金利が政府の協調的財政政策がないために中央銀行が過度に期待されているためのものとも付け加えている。
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中国は、南沙諸島の岩礁を埋め立てた人工島に灯台を建設した。これに対し中国による南沙諸島の領有権を認めない米国は、米軍艦船による付近海域のパトロールを行おうとしており、両国間での緊張が高まっている。
10月9日付
『新華社通信』は、中国交通運輸部が南沙諸島の華陽(ファヤン)岩礁2ヵ所に灯台を建設し、運用を開始したと報じた。それによると、これらの灯台は、南沙海域で初めて通行船舶に対し、航路案内、安全情報、緊急時救助などの航行支援をおこなうものである。灯台は高さ50メートルのコンクリート製で、光達距離は22海里、点滅サイクルは8秒である。
南シナ海は太平洋とインド洋に接続し、中国と世界を結ぶ重要な海路であるが、航行支援や救難、原油流出対策などの深刻な不備が、同海域の航行の安全や社会的経済的発展を阻んできた。...
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10月9日付
『新華社通信』は、中国交通運輸部が南沙諸島の華陽(ファヤン)岩礁2ヵ所に灯台を建設し、運用を開始したと報じた。それによると、これらの灯台は、南沙海域で初めて通行船舶に対し、航路案内、安全情報、緊急時救助などの航行支援をおこなうものである。灯台は高さ50メートルのコンクリート製で、光達距離は22海里、点滅サイクルは8秒である。
南シナ海は太平洋とインド洋に接続し、中国と世界を結ぶ重要な海路であるが、航行支援や救難、原油流出対策などの深刻な不備が、同海域の航行の安全や社会的経済的発展を阻んできた。中国交通運輸部は、将来的に南シナ海における国際的責任と義務を果たすため、今後も航行支援や海難救助関連の設備を継続して建設し、近隣諸国や航行船舶に航行の安全を提供していくとしている。
10月10日付
『ABCニュース』は、中国が領有権を巡り争点となっている南沙諸島ファヤン岩礁の2ヵ所に灯台を建設し、運用を開始したと報じた。
スプラトリー諸島は、ほとんど不毛の岩礁とサンゴ礁から成り、世界でも指折りの交通量の多い水路に位置している。付近には石油や天然ガス資源が埋蔵されているとみられており、台湾、マレーシア、フィリッピン、ベトナム、ブルネイが領有権を主張している。中国が、実質的に南シナ海全体に及ぶ領有権を強硬に主張し始めたことによって、同海域での緊張が高まってきた。米国とフィリッピンは、中国のこれらの岩礁の開発が軍事目的に使用され、領有権の主張や航行の自由が脅かされるとして懸念を表明している。これに対し中国は、米国がこの地域へ干渉していると非難し、岩礁島を開発することは中国の主権に基づくものであると主張している。
10月9日付
『ロイター通信』は、米軍司令官が、南沙諸島付近の海域での航海の自由を確保するためのパトロールを実施すると発言したと報じた。但し、同司令官は、中国がスプラトリー岩礁に造った人工島の12海里内に入るかどうかについては言及を避けている。
一方、
『フィナンシャルタイムズ』紙は、米軍艦船が2週間以内に、中国がスプラトリー諸島に構築し、自国の領土と主張する人工島の12海里内を航行する計画であると報じている。また、米国当局者は、作戦は現在オバマ政権の承認待ちであり、数日中に行動を開始する予定であると述べている。
10月11日付マレーシア
『スターオンライン』は、ロイター電として、中国が、米軍艦船が南シナ海で中国の人工島に付近を航行するという情報について、航行の自由という名目で領海を侵犯することを許さないと述べたと報じている。
中国外交部の華春瑩報道官は、「中国は航海や飛行の自由を守るという名目で、スプラトリー諸島の領海や領空を侵害することを許さない」と述べ、「当事者が挑発行為を止め、地域の平和と安定のため責任ある行動と執ることを望む」と付言した。
米国は、中国のスプラトリー諸島で構築した人工島の主権を認めておらず、国際法に則り作戦をおこなうと述べており、米中での緊張が高まっている。
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