韓国ソウル・釜山市長選、いずれも野党保守派候補者が当選(2021/04/09)
韓国の人口の4分の1を占めるソウルと釜山の2大都市で7日、市長選が行われた。来年3月の大統領選の前哨戦と位置付けられた今回の選挙は、保守系最大野党「国民の力」の候補者がソウルと釜山の2つの市長選で圧勝した。
仏紙
『ル・フィガロ』によると、「韓国の保守派の野党が、韓国の2大都市であるソウルと釜山で行われた選挙で地滑り的な勝利を収めた。この結果は、大統領選挙を1年後に控えた文在寅大統領の民主党にとっては大きな敗北となった。民主党の手中にあった2つの都市では、昨年から市長が不在だった。前ソウル市長と前釜山市長は在任中にセクハラの告発を受け、前ソウル市長は自殺し、前釜山市長は辞任した。
ソウルと釜山を合わせると、韓国の人口の約4分の1を占めており、今回の選挙結果は、来年3月に実施される大統領選挙の前哨戦として位置づけられていた。...
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仏紙
『ル・フィガロ』によると、「韓国の保守派の野党が、韓国の2大都市であるソウルと釜山で行われた選挙で地滑り的な勝利を収めた。この結果は、大統領選挙を1年後に控えた文在寅大統領の民主党にとっては大きな敗北となった。民主党の手中にあった2つの都市では、昨年から市長が不在だった。前ソウル市長と前釜山市長は在任中にセクハラの告発を受け、前ソウル市長は自殺し、前釜山市長は辞任した。
ソウルと釜山を合わせると、韓国の人口の約4分の1を占めており、今回の選挙結果は、来年3月に実施される大統領選挙の前哨戦として位置づけられていた。首都ソウルでは、保守系最大野党「国民の力」のオ・セフン(呉世勲)氏が与党民主党の候補者を57.5%対39.2%の得票率で破り、首都圏の25地区すべてで勝利を収めた。釜山では、保守党の勝利はさらに圧倒的で、34.4%に対して62.7%の得票率で完勝した。
中東カタールのメディア『アルジャジーラ』によると、投票率は、ソウルで58.2%、釜山で52.7%となり、地方選挙としては初めて50%を超えた。2人の新市長は、前任者の4年の任期のうち、残りの14ヶ月を務めることになる。
韓国ギャラップ社の調査によると、韓国の憲法で1期限りと定められている文大統領の支持率は先週、過去最低の32%に急落し、58%が自分の仕事に不服を持っているという。
今回の市議会選挙の結果は、民主党が地滑り的な勝利を収め、国民議会で大多数を占めた昨年の議会選挙の結果と対照的となった。
「コリアタイムズ」のコラムニスト、チェ・ソンジン氏は今回の結果について、ドイツ国際放送『ドイチェ・ヴェレ』に対し、「リベラル派の役人は、公共の利益よりも個人の利益を優先するという点で、保守派に劣らないことを証明した。有権者は失望した。」と説明している。
文在寅大統領と民主党は、不動産価格の高騰、格差の拡大、高官による数々の汚職や性的暴行のスキャンダルなどにより、ここ数ヶ月で支持率が急落している。大統領報道官によると、文在寅は市長選の結果を受けて、「国民の制裁を厳粛に受け止める」と述べ、「これまで以上に責任感を持って国政を処理する」と約束した。また、新型コロナウイルス危機の克服、経済の活性化、汚職の根絶など、国民の「切実な要求」に応えるために努力していくと述べたとされている。
『ドイチェ・ヴェレ』は、北朝鮮との平和構築を優先していた文大統領が、国内問題をより重視するようになるだろうと伝えている。今後の課題は、今回の保守派の勝利が、国政にどのような影響を与えるか、そして来年3月に予定されている大統領選挙にどのような影響を与えるかという点だと報じている。
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EU国防相会議;13種類の防衛技術開発計画の推進で合意、米国とは別に独自で(2019/11/13)
欧州連合(EU)は12日、ブリュッセルで国防相会議を開き、米国とは別に独自で13種類の新たな防衛技術開発プロジェクトを推進し、防衛力強化で協力していくことで合意した。新型巡視船や航空機用の電波妨害対策機器、弾道ミサイル追跡技術などを開発する。
『ロイター通信』や独
『ドイチェ・ヴェレ(DW)』などが報じた。英国のEU離脱の決定を受けて、仏独を始めとする25カ国が2017年12月、軍備の開発、配備や資金供出などの防衛協力協定「常設軍事協力枠組み(PESCO)」に署名し、現在47件ほどの共同防衛プロジェクトが進められているが、新プロジェクトもPESCOの下で実施される。
フランスのマクロン大統領は、7日に英経済誌「エコノミスト」に掲載されたインタビューで、北大西洋条約機構(NATO)は、協力体制の欠如や米国の動きが不透明であるとして「脳死状態」にあると指摘。...
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『ロイター通信』や独
『ドイチェ・ヴェレ(DW)』などが報じた。英国のEU離脱の決定を受けて、仏独を始めとする25カ国が2017年12月、軍備の開発、配備や資金供出などの防衛協力協定「常設軍事協力枠組み(PESCO)」に署名し、現在47件ほどの共同防衛プロジェクトが進められているが、新プロジェクトもPESCOの下で実施される。
フランスのマクロン大統領は、7日に英経済誌「エコノミスト」に掲載されたインタビューで、北大西洋条約機構(NATO)は、協力体制の欠如や米国の動きが不透明であるとして「脳死状態」にあると指摘。EU内の防衛面での協力を深める必要性を強調していた。
今回合意された13の新プロジェクトでは、新たな艦船や弾道ミサイル追跡技術などのほか、特殊部隊の医療訓練センター、サイバー訓練センターなど、幅広い分野の兵器や軍事技術を開発する。これらには、ポルトガル、フランス、スぺイン、スウェーデンなど海岸線が長い国が共同開発する対潜水艦システム、ドイツなどが開発する電子戦軍事システム、イタリアやフランスなどが開発する小型の新戦艦、スペイン、フランス、スウェーデンなどが開発する電波妨害対策機器などが含まれている。
EUの28加盟国の内、NATOに加盟しているのは22カ国だが、EUは2021年から、兵器開発のために数十億ユーロ規模の資金を集めたいとしており、加盟国に新たな戦車、艦船、防衛技術などの開発について協力を求めていく考えだ。
今般、新たな13プロジェクトを決定するにあたっては、数カ月の交渉期間を要した。これまでも、陸・海・空・サイバーなど全ての領域のいかなる新たな兵器についても、NATOの意向に沿って配備が可能であったが、トランプ米大統領がNATOの意義に疑問を挟んだことで、欧州独自の防衛力強化の取り組みを推進する機運が高まっていた。
マクロン仏大統領は、NATOの安全保障上の基本原則である集団的自衛権にも疑問を示しているが、他加盟国は同氏のNATOに対する見方については、同意していない。NATOは12月4日、ロンドンで首脳会議を開催予定であり、議論の行方が注目される。
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