ウィリアム英王子夫妻がパキスタンを訪問、これまでで最も「複雑」な旅(2019/10/16)
英国のウィリアム王子と妻のキャサリン妃は、14日から5日間の日程でパキスタンを訪問している。英ケンジントン宮殿は、今回の訪問について、移動や治安などへの考慮の観点から、これまでで最も複雑な外遊になると説明した。
『ザ・テレグラフ』など英メディアのほか、米
『USAトゥデイ』、
『AFP通信』などが伝えている。ウィリアム王子夫妻は14日遅く、英政府専用機でパキスタンの首都イスラマバード近郊のラワルピンディにあるヌール・カーン空軍基地に到着し、マクドゥーム・シャー・マヘムード・クレーシ外相の出迎えと花束の歓迎を受けた。
パキスタンでは長年政情不安が続いてきたが、同国政府は今回の英王子夫妻の訪問により、治安の改善を訴えたいところだ。...
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『ザ・テレグラフ』など英メディアのほか、米
『USAトゥデイ』、
『AFP通信』などが伝えている。ウィリアム王子夫妻は14日遅く、英政府専用機でパキスタンの首都イスラマバード近郊のラワルピンディにあるヌール・カーン空軍基地に到着し、マクドゥーム・シャー・マヘムード・クレーシ外相の出迎えと花束の歓迎を受けた。
パキスタンでは長年政情不安が続いてきたが、同国政府は今回の英王子夫妻の訪問により、治安の改善を訴えたいところだ。但し、夫妻の住まいである英ケンジントン宮殿は、今回の訪問について、「移動や治安の考慮などの点で、ウィリアム王子夫妻による過去最も複雑な外遊」になるとしている。
ウィリアム王子夫妻にとって、今回の外遊はパキスタンへの初めての公式訪問となるが、移動距離も長く、警備が非常に厳しくなることが予想される。夫妻の3人の子どもたちであるジョージ王子、シャーロット王女、ルイ王子は同行しない。英王室では、2006年に王子の父のチャールズ皇太子とカミラ夫人が訪問して以来のこととなる。
チャールズ皇太子夫妻の2006年の訪問は、軍が宗教系の学校に空爆を行い、80人が死亡するという事件が発生したため、治安上の懸念から途中で中止された。しかし、その後治安は劇的に改善し、同国政府は外国人観光客や海外からの投資を呼び込もうとしている。
ケンジントン宮殿は今月に入り、ウィリアム王子夫妻の訪問は、英国のパキスタンとの歴史的な関係に敬意を表し、両国の絆を深めるものだが、パキスタンの気候変動への取り組みや地域の複雑な治安情勢など、同国の現状を視察することが主な目的になると述べた。
5日間の滞在日程の詳細は明らかにされていない。訪問場所については、現首都のイスラマバードに加え、ムガール帝国時代の古都ラホール、北部の山岳地帯、アフガニスタンとの国境近くの西部地域などと報じられている。また、ウィリアム王子の母、故ダイアナ元皇太子妃と親交のあったイムラン・カーン首相にも面会する予定だという。ダイアナ元妃は、パキスタンが紛争などで政情不安となる前の1990年代に、公式にまたは個人的にパキスタンを何度も訪問しており、王子夫妻の訪問は元妃の足跡を辿る旅にもなる。
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スペイン最高裁、フランコ総統の墓の移設認める(2019/09/25)
スペインの最高裁判所は24日、1930年代から70年代にかけて長期独裁体制を敷いたフランコ総統の墓を国立の慰霊施設から移設する計画の中止を求めていた遺族の訴えを棄却し、遺体の掘り起こし作業を認める決定を下した。
『AFP通信』や英
『ザ・テレグラフ』、米
『FOXニュース』などの報道によると、今回の最高裁判断は6人の判事の全員一致によるものだった。最高裁は、「フランシスコ・フランコの遺体掘り起こしに関連して遺族が申し立てた上訴を完全に棄却する」と判示した。
最高裁はまた、フランコ総統の遺体を、首都マドリード近郊の国立墓地内にある妻のカルメン・ポロが埋葬されている墓の隣に改葬するというスペイン政府の計画についても認めている。...
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『AFP通信』や英
『ザ・テレグラフ』、米
『FOXニュース』などの報道によると、今回の最高裁判断は6人の判事の全員一致によるものだった。最高裁は、「フランシスコ・フランコの遺体掘り起こしに関連して遺族が申し立てた上訴を完全に棄却する」と判示した。
最高裁はまた、フランコ総統の遺体を、首都マドリード近郊の国立墓地内にある妻のカルメン・ポロが埋葬されている墓の隣に改葬するというスペイン政府の計画についても認めている。同墓地には多くの政治家らの墓があるという。
フランコ総統の遺体は、1936~39年のスペイン内戦で戦死した兵士を讃えるためにマドリード郊外に建設された慰霊施設「戦没者の谷」の聖堂内に埋葬されており、多くの観光客などが訪れている。1975年にフランコ総統が死亡して終了した独裁体制をめぐり、スペインの世論は今なお対立を続けており、同総統の遺体を他の墓地に移す計画については、意見が二分されている。
ペドロ・サンチェス首相率いる中道左派の政権は、独裁者を賛美し続けるべきではないとして、同総統の墓を戦争の犠牲者から離れた別の場所へと移設することを昨年決定し、政権の優先課題としていた。サンチェス首相は、最高裁判断が示された後、「スペイン民主主義にとって偉大な勝利」であると歓迎した。
スペイン政府は6月10日にフランコ総統の遺体を移動する計画であったが、同国の裁判所は、遺族の意義申し立てが行われているとして、遺体掘り起こし作業を中断する命令を下していた。24日の最高裁判断は、墓の移設計画に対する4件の申し立ての内、最も重要で影響力が大きいとされる1件に対するものであり、判事らは他の申し立てについても同様の判断を下すものとみられている。
遺族やフランコ総統の支持者らは、最高裁判断に反発しており、今後も戦っていく構えを見せている。最高裁の判断自体はさらに上訴できないが、遺族側の弁護士はスペインメディアに対し、フランコ総統の尊厳を守るという遺族の思いを受けて、憲法裁判所や欧州人権裁判所への申し立てを行うとの意向を示した。
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