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今問われる五輪開催の意義と組織委員会の見識(2月5日)
五輪憲章ではIOCの役割について「五輪ムーブメントの妨げとなるあらゆる差別と闘う」とし、「男女平等の完全実施を目指す」ものと定めている。だが、いま日本国内で大会を推進する立場のトップの発言が大きな波紋を呼んでいる。
東京五輪パラリンピック組織委員会の森会長がJOCの評議委員会で、女性の理事を増やす目標に対して「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」などと発言した。JOCは今年6月の役員改選に向けた規定の改正で、女性の理事の割合を40%以上にする目標を定めている。...
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五輪憲章ではIOCの役割について「五輪ムーブメントの妨げとなるあらゆる差別と闘う」とし、「男女平等の完全実施を目指す」ものと定めている。だが、いま日本国内で大会を推進する立場のトップの発言が大きな波紋を呼んでいる。
東京五輪パラリンピック組織委員会の森会長がJOCの評議委員会で、女性の理事を増やす目標に対して「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」などと発言した。JOCは今年6月の役員改選に向けた規定の改正で、女性の理事の割合を40%以上にする目標を定めている。森会長は、自身が会長や名誉会長を歴任した日本ラグビー協会で女性の理事が増えていることを例に挙げ「今までの倍時間がかかる。女性というのは競争意識が強い。誰か1人が手をあげて言うと自分も言わなきゃいけないと思うのだろう」などと論評した。これに対しJOC・山口香理事や開催都市の小池都知事などから異論が噴出。さらに、橋本聖子女性活躍相は「あってはならないことと伝えた」と森会長に強く注意したと明らかにした。今回の発言は多分に性差に対するバイアスのかかった発言であり女性蔑視と取られても仕方ないだろう。
森会長は4日、発言の撤回と謝罪の会見を行ったが、その応対がかえって反発を煽るような状況に陥っている。海外メディアも問題視しており、ニューヨークタイムズは「一番のニュースは、その場にいた誰もこの差別を止めなかったこと」と指摘。AFP通信は「日本は男女平等に関して遅れをとっている」と厳しく断じた。
東京オリンピックでは史上初めて各国の五輪委員会に男女メンバーが最低1人ずつ含まれている。また、出場する全てのチームに女性が参加する予定だ。緊急事態宣言が延長されているコロナ禍のなか、大会組織委員会は五輪・パラを開催する意義を高め、国民の理解を得る必要性に迫られているが、関係者にはジェンダー平等の実現を目標とするその根幹の志を改めて見つめ直してもらいたい。
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彩の国生まれ初の幕内優勝・大栄翔が市民表彰(2月4日)
「本当に世界が変わった」そうはにかみながら笑顔で答えるのは大相撲初場所で埼玉出身力士として初めての幕内優勝を果たした大栄翔。3日、出身地である埼玉県朝霞市の市役所を表敬訪問し、富岡勝則市長と面会。朝霞市の市民体育賞特別賞を贈られた。
平成5年(1993)、朝霞市で生を受けた大栄翔は、小学1年生から相撲を始めて週1回隣の入間市の少年相撲クラブに通って稽古を積んだ。高校は相撲の強豪校・埼玉栄高校に進学。...
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「本当に世界が変わった」そうはにかみながら笑顔で答えるのは大相撲初場所で埼玉出身力士として初めての幕内優勝を果たした大栄翔。3日、出身地である埼玉県朝霞市の市役所を表敬訪問し、富岡勝則市長と面会。朝霞市の市民体育賞特別賞を贈られた。
平成5年(1993)、朝霞市で生を受けた大栄翔は、小学1年生から相撲を始めて週1回隣の入間市の少年相撲クラブに通って稽古を積んだ。高校は相撲の強豪校・埼玉栄高校に進学。3年生の時にインターハイ団体2位&個人3位、団体2位など輝かしい実績を残し、在学中の2012年1月に追手風部屋で初土俵を踏んでいる。生粋の埼玉生まれ埼玉育ちの力士である。
ちなみに今回受賞した市民体育賞特別賞はこれまでリオ五輪陸上男子50キロ競歩銅メダリストの荒井広宙、同競泳男子800メートルリレー銅メダルの江原騎士の両名も受賞している。富岡市長から大好きなヒマワリの花束を渡され、「大関、そしてその先の横綱を目指して頑張ってほしい」と激励を受けた大栄翔は、「優勝したことは本当に嬉しかったが、一場所だけいい結果を残しても仕方ないので来場所以降もいい結果を残せるように頑張りたい」と抱負を語った。また、特別にまわしを付けた市のキャラクター「ぽぽたん」相手に突き押しのパフォーマンスも披露。春場所を前に和やかなひと時を過ごしていた。
ちなみに昨年富山県出身力士として103年ぶりに優勝した朝乃山は県スポーツ特別栄誉賞を受賞した。埼玉県のPRに大きく貢献した大栄翔には県からも同様の表彰があるかもしれない。
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コロナ禍の節分に思う・日本相撲協会の改革(2月3日)
124年ぶりに節分の日となった2月2日。プロ野球のキャンプ地では恒例の新人選手らによる豆撒きが行われ、DeNAベイスターズのドラフト1位ルーキー1位・入江大生らが参加して福を呼んだ。一方、同日10都府県の緊急事態宣言の延長も決まるなか、各地の名刹では節分会の豆撒きが例年とは違う形で行われていた。スポーツ選手の参加もほとんどが見送られることとなっている。
例年大相撲の横綱らが参加して角界の著名人とともに豪快に豆撒きを行うことで知られる千葉県成田市の成田山新勝寺。...
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124年ぶりに節分の日となった2月2日。プロ野球のキャンプ地では恒例の新人選手らによる豆撒きが行われ、DeNAベイスターズのドラフト1位ルーキー1位・入江大生らが参加して福を呼んだ。一方、同日10都府県の緊急事態宣言の延長も決まるなか、各地の名刹では節分会の豆撒きが例年とは違う形で行われていた。スポーツ選手の参加もほとんどが見送られることとなっている。
例年大相撲の横綱らが参加して角界の著名人とともに豪快に豆撒きを行うことで知られる千葉県成田市の成田山新勝寺。通常ならば5万人もの人が詰めかける新春の風物詩も今年は規模を大幅に縮小。角界からの参加もなく年男たちが30秒ほどの豆撒きをする形で執り行われた。
昨年この節分会に参加していた横綱・白鵬は新型コロナウイルスに感染し初場所を全休。2日、すでにけいこを再開して、四股や筋力トレーニングに励んでいるというという報道があった。所属している宮城野部屋で基本的な稽古をしているという。コロナ罹患により出場辞退となった初場所はともかく4場所連続の休場で風当たりも強まっているが、三月場所への出場は果たせるのだろうか。気がかりなところだ。
相撲協会では緊急事態宣言下の初場所中に時津風親方が麻雀に興じていたことが発覚し、相撲協会を退職する見込みとなっている。度重なるコンプライアンス違反に対し、協会側がどのような処分を下すかはまだ明らかにされていないが、コロナ禍のなかこのところ規律の緩み、乱れが指摘される角界で、災厄を祓って福を呼び込む改革が推進されることに期待をしたい。
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プロ野球、宮崎&沖縄で無観客のキャンプイン(2月2日)
政府の緊急事態宣言が1か月延長の見通しとなるなか、プロ野球は異例の無観客でのキャンプインとなった。全12球団は主に宮崎県と沖縄県内で分散して恒例のキャンプを行うが、両県からの要請を受け、国の緊急事態宣言と県独自に出している緊急事態宣言の両方が解除されるまでの間は観客を入れないことを決定した。また新型コロナ対策としてイーグルスが久米島から沖縄本島の金武町に変更している(離島でのキャンプは石垣島のマリーンズのみ)。...
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政府の緊急事態宣言が1か月延長の見通しとなるなか、プロ野球は異例の無観客でのキャンプインとなった。全12球団は主に宮崎県と沖縄県内で分散して恒例のキャンプを行うが、両県からの要請を受け、国の緊急事態宣言と県独自に出している緊急事態宣言の両方が解除されるまでの間は観客を入れないことを決定した。また新型コロナ対策としてイーグルスが久米島から沖縄本島の金武町に変更している(離島でのキャンプは石垣島のマリーンズのみ)。
5年連続日本一を目指すホークス、9年ぶりのV奪還にかけるジャイアンツはともに1軍キャンプ地の宮崎入り。宮崎空港では恒例の歓迎セレモニーが中止。静かなキャンプインとなった。ホークス・王貞治会長は「(コロナ禍の)そういう時だからこそ、むしろ意識を新たに。またファンの人たちに伝えるという思いをプラスして取り組んでいきたい」と抱負を述べた。
一方のジャイアンツはコロナ対策の一環として宮崎以外に選手を全4か所に分散。坂本、菅野ら主力組は東京ドームでのキャンプインとなり、15年ぶりに古巣に復帰した桑田真澄投手チーフコーチ補佐がシートノックに登場した。
なお、2次キャンプ地の沖縄では既に球団側で那覇市内にPCR検査センター「スポーツ健康検査センター」を設置しており、他球団やJリーグクラブなど他競技団体のほか、宿泊施設や報道関係者も検査を受けることができる。
さらに那覇での春季キャンプのスローガンに、「コロナ禍でのキャンプに感謝! ありがとう沖縄」を掲げ、全選手に医療従事者への募金を呼びかけ。集まった募金の一部は、沖縄県の医療従事者に寄付する予定となっている。
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一山麻緒、マラソン五輪代表の一騎打ちを制す(2月1日)
40回目を迎える大阪国際女子マラソン。今年は感染対策の観点から無観客かつ、長居公園周辺を15周する異例の周回コースでの開催となった。世界陸連の認証を受け記録が公認される今回のコースに、東京五輪代表の前田穂南と一山麻緒が参戦。前田は「2時間20分は切りたい」、一山は「(野口みずきの)2時間19分12秒を切れたら最高」と両選手とも高い目標タイムを掲げ、日本記録更新への期待が高まった。
国内選手のみで行われたレース。...
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40回目を迎える大阪国際女子マラソン。今年は感染対策の観点から無観客かつ、長居公園周辺を15周する異例の周回コースでの開催となった。世界陸連の認証を受け記録が公認される今回のコースに、東京五輪代表の前田穂南と一山麻緒が参戦。前田は「2時間20分は切りたい」、一山は「(野口みずきの)2時間19分12秒を切れたら最高」と両選手とも高い目標タイムを掲げ、日本記録更新への期待が高まった。
国内選手のみで行われたレース。コロナ禍で海外からの入国が難しくペースメーカーの手配にも支障が出ていた。そのため大会史上初めてとなる男子のペースメーカーを導入。大役を引き受けた一人が世界選手権日本代表4回の川内優輝だった。レース前川内は「みんなで笑顔になれる瞬間に立ち会えるように一生懸命がんばりたい」と話していた。
レースは予想通り前田・一山の二人が牽引する展開に。1周目から2人の一騎打ちで周回を重ねていく。序盤は日本記録ペースで推移。異変が起こったのは5周目。周回コースであることはあまり気にしていないと話していた前田だが、14キロ手前付近から遅れ始める。一方の一山は他の選手を周回遅れにしながらハイペースにくらいついていく。20キロ過ぎまで日本記録更新ペースを続け、そのまま競技場に入って1位でゴール。タイムは2時間21分11秒と16年ぶりの日本新記録達成とはならなかったが、大会記録を18年ぶりに更新した。インタビューでは「悔しい」と涙も流した一山。大会関係者やペースメーカーらへの感謝を述べ、最後は「もっともっと強くなれるように、これからまだまだ頑張っていきたい」と決意を述べた。
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