卓球とバドミントン・熾烈な代表争いの行方は(12月13日)
卓球の女子シングルスの東京五輪代表争いが決着した。石川佳純(世界ランク10位)と平野美宇(同11位)が残り一つの椅子を巡って、WTグランドファイナル(中国・鄭州)に出場。ともに中国の強豪選手との初戦を戦った。
グランドファイナルは一発勝負のトーナメント戦。ノースアメリカンOPでの直接対決を制した石川が135ポイント差でリードしているものの、平野が一つでも先に勝ち進めばその時点でポイントは逆転する。...
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卓球の女子シングルスの東京五輪代表争いが決着した。石川佳純(世界ランク10位)と平野美宇(同11位)が残り一つの椅子を巡って、WTグランドファイナル(中国・鄭州)に出場。ともに中国の強豪選手との初戦を戦った。
グランドファイナルは一発勝負のトーナメント戦。ノースアメリカンOPでの直接対決を制した石川が135ポイント差でリードしているものの、平野が一つでも先に勝ち進めばその時点でポイントは逆転する。注目の石川の1回戦の相手は抽選の結果、今年の世界選手権覇者・劉詩雯に。いきなり11連敗中の強敵との対決となってしまった。一方の平野はランキング的には平野より下位の18位の王芸迪に決定。過去1勝2敗と決して勝てない相手ではない。先に試合のあった石川は劉に必死に挑むが圧倒され、ストレート負けを喫した。これで平野は勝てば悲願のシングルス代表がその手に届く状況となったが、平野も3ゲームを連続で落としてしまう。何とか4ゲームを取り返したものの続く第5ゲームを奪われ敗退。この瞬間、石川のシングルス代表入りが確実となった。試合後、平野は目を真っ赤にして「自分のなかではこれが精一杯だった」と声を振り絞った。石川も「辛いシーズンだったがシングルスに出られるのですごく嬉しい」というコメントとは裏腹にその顔に笑顔はない。「もう日本人同士で戦わなくて済む」というその言葉が本音だろう。
同じく代表レースが熾烈を極めているのがバドミントンだ。こちらも中国・広州で現在WTファイナルズが開催中。女子ダブルスは世界ランク2位の福島由紀/廣田彩花、同3位の永原和可那/松本麻佑ペア、4位の髙橋礼華・松友美佐紀ペアが代表枠を争う状況となっている。大会2日目の12日、グループリーグで福島/廣田ペアは地元中国の若手組と対戦。第1ゲームを先取されると第2ゲームでもリードを許し、マッチポイントに。だが、そこから驚異的な粘りで逆転すると、勢いに乗り第3ゲームも圧倒して逆転勝ち。2連勝を決めた。一方、フクヒロペアを破り今年の世界選手権を制した永原/松本ペアは思わぬつまずきが…韓国ペアとの対戦は逆転負けで1勝1敗となり準決勝進出に黄色ランプが灯った。今年の国際大会でも韓国勢には大きく負け越しているナガマツペア。苦手を克服して代表の座を掴み取ることが出来るか?
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ラグビーW杯の感動再び…社会を変えたONE TEAM(12月12日)
「沢山の子供たちが僕たちを応援してくれて『ありがとう』という言葉を言ってくれるのが本当にうれしいです」W杯三大会連続出場のスクラムハーフ・田中史朗は男泣きに濡れた。ラグビーW杯で史上初のベスト8の成績を残した日本代表の選手たちが東京・丸の内で800mに渡ってパレードを行った。「ONE TEAMパレード“たくさんのBRAVEをありがとう”」と銘打たれた凱旋の場は、ファンと選手との最高の邂逅の場となった。...
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「沢山の子供たちが僕たちを応援してくれて『ありがとう』という言葉を言ってくれるのが本当にうれしいです」W杯三大会連続出場のスクラムハーフ・田中史朗は男泣きに濡れた。ラグビーW杯で史上初のベスト8の成績を残した日本代表の選手たちが東京・丸の内で800mに渡ってパレードを行った。「ONE TEAMパレード“たくさんのBRAVEをありがとう”」と銘打たれた凱旋の場は、ファンと選手との最高の邂逅の場となった。
列島を熱狂の渦に巻き込んだ日本初開催のW杯。関係者ですら果たして大会前にこんな場面が訪れるとは予想していただろうか。大成功のうちに終わったその陰には、選手・スタッフはもとより、日本ラグビー協会の長年にわたる努力の積み重ねがあってのものだ。ティア(tier)1と呼ばれる伝統国が主導してきたラグビーの歴史の中に日本というアジアの国が割って入ることは並々ならぬ苦闘が必要だった。改めてW杯開催を勝ち取ったその功績を讃えたい。
ラグビーを取り巻く環境は冬の時代が長く続いた。建設費高騰問題では新国立競技場がW杯に間に合わないという悲運も。前回イングランド大会ではTV局公式サイトが不適切なセクシー動画でルール解説をするような騒動もあり、関係者やファンを失望させたこともあった。バラエティー番組とのコラボ企画であったが、競技そのものへの敬意が感じられないようなものが平気で作られてしまう。そんな状況に代表チームの躍進が終止符を打ってくれたことは非常に喜ばしい。スポーツそのものの持つ魅力が世論も社会も変えていく。ONE TEAMはこの国に貴重な財産を残してくれたと言えよう。
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五感を駆使したパラスポーツ・ゴールボール(12月11日)
日本のパラリンピックでの金メダル獲得が期待されるゴールボール。10日まで千葉ポートアリーナでアジアパシフィック選手権が行われ、女子日本代表が決勝で中国を2-1で破り大会3連覇を達成。男子も韓国との3位決定戦を制し銅メダルに輝いた。
女子日本代表は現在世界ランク3位。2012年のロンドンパラリンピックでは金メダルを獲得し、一躍脚光を浴びた。競技の内容について簡単に説明すると、ゴールボールは視覚に障害を持った選手たちが鈴の入ったボールを使って行うパラスポーツである。...
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日本のパラリンピックでの金メダル獲得が期待されるゴールボール。10日まで千葉ポートアリーナでアジアパシフィック選手権が行われ、女子日本代表が決勝で中国を2-1で破り大会3連覇を達成。男子も韓国との3位決定戦を制し銅メダルに輝いた。
女子日本代表は現在世界ランク3位。2012年のロンドンパラリンピックでは金メダルを獲得し、一躍脚光を浴びた。競技の内容について簡単に説明すると、ゴールボールは視覚に障害を持った選手たちが鈴の入ったボールを使って行うパラスポーツである。1チーム3人で行われ、アイシェードと呼ばれる目隠しを着用し、バレーボールと同じ広さのコートでボールを転がすように投げ合ってゴールを競う。守備側は音を頼りに攻撃を防ぐことになる。単純に聴覚だけではなく、振動や気配を察知してボールをキャッチするという、まさに五感全体を駆使したスポーツと言える。ゴールボールの世界ではこれは「サーチ力」と呼んでいる。選手は相手の位置を把握したうえで、コースやスピードを予測する高度な駆け引きも必要となってくる。また、投球時に他選手が足音を出してかく乱するフェイントも有効な攻撃法。攻守双方の読み合い・探り合いも非常に面白い。
近年主流になってきている攻撃方法は球を床に叩き付けて弾ませるバウンドボールだ。日本代表はリオパラリンピックではこの戦法に苦戦し、惜しくもメダルを逃している。今大会ではバウンドボールを上手く取り入れ、多くの得点を挙げた。女子キャプテンの天摩由貴は「(東京で)一番良い表彰台にあがれるようにさらに強くなってパラリンピックに行きたい」と意気込みを語る。国内でのゴールボール自体の知名度も徐々に上がってきた。協会による体験会も行われており、より一層の普及を期待したい。
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石川vs平野・卓球女子シングル五輪代表争い(12月10日)
いま各競技で東京オリンピックの代表枠をかけた熱き闘いが繰り広げられている。なかでも卓球の女子シングルは残り1枠を巡り、かつてない熾烈な争いとなっている。
ノースアメリカンオープン・女子シングルスに出場した石川佳純(世界ランク10位)と平野美宇(11位)。大会前の獲得ポイントでは平野が65ポイント差で一歩リードしていた。互いに世界の強豪を撃破し決勝戦に進出。2人の直接対決が実現した。試合はまず石川が2ゲームを連取しリード。...
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いま各競技で東京オリンピックの代表枠をかけた熱き闘いが繰り広げられている。なかでも卓球の女子シングルは残り1枠を巡り、かつてない熾烈な争いとなっている。
ノースアメリカンオープン・女子シングルスに出場した石川佳純(世界ランク10位)と平野美宇(11位)。大会前の獲得ポイントでは平野が65ポイント差で一歩リードしていた。互いに世界の強豪を撃破し決勝戦に進出。2人の直接対決が実現した。試合はまず石川が2ゲームを連取しリード。平野も第3ゲームを取り返すと、その後第5ゲームまで交互にゲームを奪う一進一退の攻防に。そして迎えた第6ゲーム。デュースにまでもつれたが、最後に勝利の女神が微笑んだのは石川だった。この結果、石川が平野を逆転して10830ポイントに到達。その差は135ポイントとなった。試合終了直後、石川の目には涙があふれた。「年齢はいま私が一番上ですけど、関係なく本当に他の選手からすごく学ばせてもらっています」一方の平野は悔し涙に濡れ、唇を噛んだ。それでもまだその心は投資を失ってはいない。「オリンピックの代表になることはそう簡単なことではないですし。これが現実かなと思うので…あと一大会最後までやり切りたいなと思います」と決意を誓う。
そう、気落ちしている暇はない。12日から選考レース最終戦となるグランドファイナルが開幕する。世界トップ16選手によるトーナメント。ここで相手よりも一つでも多く勝ち進んだ方が代表の座を手にすることになる。石川が3大会連続で切符を手にするか?それとも平野が悲願の初代表となるのか?激闘の模様はテレビ東京の卓球チャンネル(YouTube)で配信予定だ。
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Jリーグ2019閉幕・アウォーズ受賞の顔ぶれ(12月9日)
最終節までもつれたJ1優勝争いは横浜Fマリノスが15年ぶり4回目のJ1制覇。その余韻も冷めやらぬ8日、サッカー2019Jリーグアウォーズが都内で開催された。
文字通りの優勝決定戦。首位・マリノスと2位・FC東京の直接対決というドラマティックな展開となった日産スタジアムにはリーグ史上最多6万3854人もの観客が詰めかけた。FC東京の逆転優勝は4点差以上での勝利という厳しい条件。しかし前半26分にマリノスのティーラトン(タイ代表)が絶妙なループシュートを決めると、前半終了間際にもエリキが追加点。...
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最終節までもつれたJ1優勝争いは横浜Fマリノスが15年ぶり4回目のJ1制覇。その余韻も冷めやらぬ8日、サッカー2019Jリーグアウォーズが都内で開催された。
文字通りの優勝決定戦。首位・マリノスと2位・FC東京の直接対決というドラマティックな展開となった日産スタジアムにはリーグ史上最多6万3854人もの観客が詰めかけた。FC東京の逆転優勝は4点差以上での勝利という厳しい条件。しかし前半26分にマリノスのティーラトン(タイ代表)が絶妙なループシュートを決めると、前半終了間際にもエリキが追加点。最後は遠藤渓太の3点目が決まり東京を突き放したマリノスが完勝。連覇を成し遂げた2004年以来15年ぶり4回目のJ1王座に返り咲いた。
昨季の12位からのV字回復を見せたマリノス。アウォーズにも4名が名を連ねた。MVPは身長161cmの小さな巨人・仲川輝人が得点王、ベストイレブンとのトリプル受賞となった。現在は10日から韓国で開幕するEAFF E-1サッカー選手権に代表初召集を受け、合宿参加中。27歳で開花した苦労人は、「自分の努力もついに実ったのかな」と喜びをあらわにした。
惜しくも初優勝こそ逃したもののクラブ史上最高の2位となったFC東京からはマリノスを上回る6名の選手がベストイレブンに選出された(1チームから6名の選出はJ最多記録)さらに年間の反則ポイントが最も少ない「フェアプレー賞高円宮杯」の受賞の栄誉にも浴した。
なお、新人王にあたるベストヤングプレーヤー賞は21歳の田中碧(川崎フロンターレ)が受賞した。田中もE-1選手権に代表初選出されている。仲川とともに初代表での活躍に注目したい。
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