クイーンズ駅伝日本郵政連覇・様々な人間模様(11月24日)
女子トップランナーたちが奥州路を駆け抜ける。実業団№1を決めるクイーンズ駅伝。五輪代表から復活のベテラン、引退レースとなった名物選手まで多彩なメンバーが激走を繰り広げた
注目を集めた各チームのエースが出場する3区(10.9km)は、東京五輪マラソン代表が顔をそろえた。天満屋・前田穂南は18位でタスキを受け取ると一気に順位を5つ押し上げた。同じくマラソン代表の一山麻緒(ワコ―ル)は6人抜きで10位から4位に浮上する。...
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女子トップランナーたちが奥州路を駆け抜ける。実業団№1を決めるクイーンズ駅伝。五輪代表から復活のベテラン、引退レースとなった名物選手まで多彩なメンバーが激走を繰り広げた
注目を集めた各チームのエースが出場する3区(10.9km)は、東京五輪マラソン代表が顔をそろえた。天満屋・前田穂南は18位でタスキを受け取ると一気に順位を5つ押し上げた。同じくマラソン代表の一山麻緒(ワコ―ル)は6人抜きで10位から4位に浮上する。しかしこの2人を超える圧巻の走りを見せたのが積水化学の新谷仁美だった。世界陸上モスクワで10000mにも出場したが、足の故障で翌2014年に突然の引退。陸上界から姿を消したが、5年間のブランクを経て現役復帰。クイーンズ駅伝の舞台に8年ぶりに帰ってきた。新谷は全盛期を思わせる高速ピッチ走法で区間記録を1分10秒更新。一気に首位に踊り出た。
この3区では思わぬアクシデントも発生。片貝洋美(三井住友海上)の靴紐が緩み、何と両足のシューズが投げてしまった。片貝はその後4km以上靴下で走り切り見事タスキをつないだ。
勝負が動いたのは5区。もう一人の東京五輪代表、日本郵政の鈴木亜由子が2位でタスキを受け55秒差で積水化学を追いかけると、圧巻の走りを見せ7km付近でトップを奪う。逆に29秒差をつけアンカーの大西ひかりへつないで、そのまま差を広げた日本郵政が優勝。2時間13分34秒の大会新記録で2連覇を達成した。
また、今大会をもって駅伝を引退する38歳の福士加代子(ワコール)はアンカーで登場。区間2位の走りを見せていたが、フィニッシュ直前で豊田自動織機に抜かれ4位。最後は悔しさを爆発させ絶叫するいつもの福士節がトラックに響き渡った。悔しさのなか笑顔で爆弾娘は最後の駅伝を締めくくった。
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現役&元大関の優勝決定戦・互いの意地と意地(11月23日)
千秋楽で星の差一つで優勝争いを繰り広げた貴景勝と照ノ富士。十一月場所最大の注目の取組となった結びの一番は、突き放していきたい貴景勝だが照ノ富士は下がらない。一瞬引かれたが照ノ富士の体勢は崩れず、しっかりと動きについていく。逆に右を深く差しと巨体を生かした豪快な浴びせ倒しで貴景勝を土俵に倒した。
自力で相星に引きずりおろした照ノ富士は鬼気迫る表情で土俵をさがる。一方の貴景勝は背中にべっとりと砂を付けたまま控室に下がるが、途中のモニターでじっくりと今の一番を見直していたのが印象的だった。...
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千秋楽で星の差一つで優勝争いを繰り広げた貴景勝と照ノ富士。十一月場所最大の注目の取組となった結びの一番は、突き放していきたい貴景勝だが照ノ富士は下がらない。一瞬引かれたが照ノ富士の体勢は崩れず、しっかりと動きについていく。逆に右を深く差しと巨体を生かした豪快な浴びせ倒しで貴景勝を土俵に倒した。
自力で相星に引きずりおろした照ノ富士は鬼気迫る表情で土俵をさがる。一方の貴景勝は背中にべっとりと砂を付けたまま控室に下がるが、途中のモニターでじっくりと今の一番を見直していたのが印象的だった。
賜杯の行方は決定戦に持ち越しとなり、両雄は12分後に再び土俵で対面。勝負は立ち合いの瞬間に大勢が決したと言ってもいいだろう。貴景勝は本割での嫌なイメージを完全に払拭し、迷いの無い鋭い出足で照ノ富士を突き出して一気に勝負をつけた。自身二度目、大関昇進後は初めての優勝だ。書決着の瞬間、大関の表情には万感の思いが迫るものがあったように見えた。一方土俵下の照ノ富士は「してやられた」という感じで天を仰いだ。二番とも両者の持ち味が如何なく発揮された素晴らしい相撲だった。
「大関に上がってからあまり良いこと無かって…」優勝インタビューでは大阪弁で心情を吐露。昇進直後に大きな怪我もあり、大関陥落も経験した。強行出場には批判も寄せられ、悔しい思いもしただろう。「ようやく報われた」賜杯を抱く記念撮影ではそんな笑顔が眩しかった。
敗れた照ノ富士も最終盤までの優勝争いは立派。史上最長期間を空けての大関復帰はもう目の前にあるようだ。次は喜色満面の彼を見てみたい。
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コロナ禍の日本シリーズ開幕・鷹の5番が爆発(11月22日)
二年連続ソフトバンクホークスと読売ジャイアンツの対戦となった日本シリーズ。東京ドームが順延となった都市対抗野球で使用されているためジャイアンツのホームゲームとなる第1・2・6・7戦は京セラドーム大阪で行われることとなった。
コロナ禍での初のシリーズは異例の対応が取られている。観客数は収容人数の50%までに制限されたほか、ルール上にも大きな変更がある。大きな変更点はセ・パのホームゲーム球場にかかわらず、全試合でDH(指名打者制)が適用されること。...
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二年連続ソフトバンクホークスと読売ジャイアンツの対戦となった日本シリーズ。東京ドームが順延となった都市対抗野球で使用されているためジャイアンツのホームゲームとなる第1・2・6・7戦は京セラドーム大阪で行われることとなった。
コロナ禍での初のシリーズは異例の対応が取られている。観客数は収容人数の50%までに制限されたほか、ルール上にも大きな変更がある。大きな変更点はセ・パのホームゲーム球場にかかわらず、全試合でDH(指名打者制)が適用されること。これは1985年(昭和60)のタイガースvsライオンズ以来35年ぶり。投手の負担が増加するなか、故障のリスクを軽減するためのものだ。
一方で延長は延長12回までとレギュラーシーズンより長く設定。そして、万が一新型コロナウイルス感染急拡大などで大会の開催が不可能となった場合はその時点でシリーズを打ち切り。勝利数が多いチームを優勝とする(勝敗が同じ場合は、得失点率差で決定)。
さて、注目の第1戦はホークス・千賀滉大、ジャイアンツ・菅野智之の両リーグを代表するエースの先発。両投手共に立ち上がりは完ぺきな内容だったが、2回表、この日5番に入った栗原陵矢が初球を狙い打った2ランで先制。追いかけるジャイアンツは千賀の代名詞“お化けフォーク“を見極め、四球を選び攻め立てる。しかし得点圏に毎回ランナーを出すものの攻略ができないまま中盤へ。ここでまたこの男、栗原が6回にランナー2人を置いて2点タイムリー。ホークスが5-1で初戦をものにした。
投手戦が予想されたエース対決だったが、終わってみれば一方的な展開に。ホークスは新記録のシリーズ9連勝。盤石の試合運びだが、一つ気がかりなのは抑えの森がCSに続き不安定な投球だったこと。この日も満塁から犠飛で1点を失ったが、ジャイアンツとすれば終盤まで僅差に持ち込めば攻略の鍵が見えるかもしれない。
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ITTFファイナルで張本・石川が初戦敗退の波乱(11月20日)
18日の記事の通り、国内のTリーグが3か月遅れで開幕したが、張本智一や伊藤美誠、石川佳純らは現在卓球のワールドツアー獲得ポイント上位者で争われる国際大会に出場中だ。
この19日から22日まで中国で開催されるITTFファイナルの初日で大きな波乱があった。日本のエース・世界ランキング4位の張本はシングルス1回戦で韓国のチャン・ウジンと対戦。5日前のワールドカップで破った相手に、序盤から試合のペースを握り11-6、11-2と圧倒した内容で2ゲームを連取。...
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18日の記事の通り、国内のTリーグが3か月遅れで開幕したが、張本智一や伊藤美誠、石川佳純らは現在卓球のワールドツアー獲得ポイント上位者で争われる国際大会に出場中だ。
この19日から22日まで中国で開催されるITTFファイナルの初日で大きな波乱があった。日本のエース・世界ランキング4位の張本はシングルス1回戦で韓国のチャン・ウジンと対戦。5日前のワールドカップで破った相手に、序盤から試合のペースを握り11-6、11-2と圧倒した内容で2ゲームを連取。第3ゲームを落としたものの第5ゲームでマッチポイントを握りながら決めきれず、このゲームを失うと続く第6ゲームも2-11であっさり奪われ、試合の行方は最終ゲームに突入する。狂ってしまった画車は最後まで戻らず、結局ゲームカウント3-4でフルセット負け。世界ランク18位の格下相手にまさかの初戦敗退となった。
異変は張本だけにとどまらない。女子シングルスの石川(世界ランク9位)も初戦、先週W杯で破ったソ・ヒョウォン(同23位)と対戦。得意としている相手だが、ミスを連発し1ゲームしか奪えず1-4で完敗。こちらも1回戦で姿を消すこととなった。佐藤瞳、加藤美優も敗れ、初日は日本勢の全敗という結果に終わった。
残る日本勢・伊藤美誠と丹羽孝希は20日の試合に出場する。大会後、25日からWTTマカオ大会が行われるが日本勢は出場せず、張本らは帰国してTリーグで戦うことになる。海外勢と対決は来年2月の世界選手権団体戦(韓国・釜山)まで持ち越しとなるが、Tリーグでの熱戦で復調し、リベンジを図ってほしいところだ。
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十一月場所・貴景勝が一敗守る・追う照ノ富士(11月19日)
大相撲一年納めの十一月場所も残すところ四日間。上位陣が次々と休場するなか、一人気を吐いている東正大関の貴景勝は琴勝峰との一番。関脇2人を倒して勢いに乗る新鋭を相手に激しい突っ張りの応酬からの突き落としで危なげなく退けた。
実は二人は同じ埼玉栄高校の出身。3学年下の後輩との初対戦について貴景勝は「埼玉栄から育ってくれていることはすごく嬉しい」と母校愛を語った。自分より番付上位がいない終盤戦のスタート。...
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大相撲一年納めの十一月場所も残すところ四日間。上位陣が次々と休場するなか、一人気を吐いている東正大関の貴景勝は琴勝峰との一番。関脇2人を倒して勢いに乗る新鋭を相手に激しい突っ張りの応酬からの突き落としで危なげなく退けた。
実は二人は同じ埼玉栄高校の出身。3学年下の後輩との初対戦について貴景勝は「埼玉栄から育ってくれていることはすごく嬉しい」と母校愛を語った。自分より番付上位がいない終盤戦のスタート。一敗をキープして優位な位置に立つが、「やるだけですね、そこで勝つか負けるかだけなので」と気を引き締めていた。
二敗で追う照ノ富士は十日目には動き回られるとうるさい翔猿相手にがっちりと両腕を極めて、豪快な吊り出し。この日も妙義龍にもろ差しに入られながらも焦ることなく極め出しで完勝した。「優勝は意識していない」としつつも貴景勝との直接対決も残っており、今年二度目の賜杯となれば一番の目標としている大関復帰にも大きく近付くことになるだろう。
もう一人の一敗は前頭十七枚目の志摩ノ海だ。二場所連続十両優勝を決め、昨年五月場所に炎鵬と共に新入幕を果たし、「令和初の新入幕力士」として注目を浴びた。新入幕場所でも二桁を挙げ、敢闘賞を受賞し期待を集めた。だがその後7場所中、勝ち越しは2場所のみ。幕内の壁にぶつかり、今場所は幕尻と後がなくなってしまった。その不退転の覚悟で初日から五連勝。七日目からも再び連勝を重ね自己最高の十勝目に到達した。今年は徳勝龍、照ノ富士と二人の幕尻優勝者が出る異例の展開となっているが、果たして二度あることは三度…となるだろうか?
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