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パラアスリートたちの躍動・スポーツの力(最終回)(8月31日)
東京パラリンピック2020開幕から一週間。日本選手団主将の車いすテニス・国枝慎吾と、聖火の最終ランナーを務めた上地結衣は危なげないゲーム運びでそろって8強入りを決定。この日、国枝は真田卓と組んだ男子ダブルスでも準々決勝進出を果たしている。前回のリオ大会でシングルスの大会連覇が途切れ、母国開催の今大会に並々ならぬ決意で臨んでいるレジェンドのリベンジへの道は続いていく。
パラスポーツの花形種目・男子車いすバスケもリオ大会4位の強敵・トルコを撃破し、女子に続き決勝トーナメント進出を決定した。...
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東京パラリンピック2020開幕から一週間。日本選手団主将の車いすテニス・国枝慎吾と、聖火の最終ランナーを務めた上地結衣は危なげないゲーム運びでそろって8強入りを決定。この日、国枝は真田卓と組んだ男子ダブルスでも準々決勝進出を果たしている。前回のリオ大会でシングルスの大会連覇が途切れ、母国開催の今大会に並々ならぬ決意で臨んでいるレジェンドのリベンジへの道は続いていく。
パラスポーツの花形種目・男子車いすバスケもリオ大会4位の強敵・トルコを撃破し、女子に続き決勝トーナメント進出を決定した。そのほか注目競技のボッチャ、ブラインドサッカーなども始まり、大会は益々盛り上がりを見せている。明日以降も日本選手団の活躍に期待するとともに、パラアスリートたちの魂の輝きに心震わせたい。
※当コラムは2015年9月からスタートし、スポーツに関する題材を扱い、週6日のペースで更新を続けてきました。この間2回の夏季オリンピック大会と1回の冬季オリンピックが開催。いままさに東京五輪・パラ大会が開催中ですが、今回でこの連載は終了となります。第1回のテーマはプロ野球の観客動員についてでした。それが今は昨年来のコロナ禍で、様々な競技で無観客試合が常態化してしまうことになろうとは。改めてスポーツを取り巻くこの厳しい現実を思い知らされます。
一方、この連載ではこれまであらゆるスポーツ競技を取り上げることを目標としてきました。マイナーな競技のほか、モータースポーツやeスポーツ、果てはマインドスポーツに至るまで網羅することが出来たことは大きな収穫だったと感じます。もし一人でもこのコラムを通じて少しでも興味を持ったスポーツが出来た方がいらっしゃったなら、これほど嬉しいことはありません。
最後にスポーツの神に愛されたアスリートたちが、この今の世界に満ちた閉塞感を打ち破り、希望の光を灯してくれることを祈りつつ、ペンを置きます。5年11か月もの間本当にありがとうございました。
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異例尽くしの甲子園・逆境を乗り越えた球児達(8月30日)
史上初の兄弟校による対決となった第103回全国高校野球選手権大会決勝戦。奈良の智弁学園と和歌山・智弁和歌山の一戦は、初回に和歌山が一挙4得点を奪う猛攻をみせる。智弁学園もすぐに反撃したが、和歌山は終盤に2本のホームランなどで突き放し9-2と本家を圧倒した。智弁和歌山は21年ぶり3度目の優勝。全国3603チームの頂点に輝いた。
昨年12月、智弁和歌山は元マリナーズのイチローを招き3日間指導を受けた。...
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史上初の兄弟校による対決となった第103回全国高校野球選手権大会決勝戦。奈良の智弁学園と和歌山・智弁和歌山の一戦は、初回に和歌山が一挙4得点を奪う猛攻をみせる。智弁学園もすぐに反撃したが、和歌山は終盤に2本のホームランなどで突き放し9-2と本家を圧倒した。智弁和歌山は21年ぶり3度目の優勝。全国3603チームの頂点に輝いた。
昨年12月、智弁和歌山は元マリナーズのイチローを招き3日間指導を受けた。最終日に「ずっと見ているから、ちゃんとやってよ」と言葉をかけたイチローに最高の結果で報いた。イチローも所属事務所を通じて「野球の面白さを改めて教えてくれたこと、見事でした。おめでとう」との祝福メッセージを送った。
29日の決勝戦という史上最も遅い閉幕となった今年の夏の甲子園。雨による順延は実に7日間にも及んだ。ベスト16で東日本勢が姿を消すなか、8強がすべて近畿勢というこれまた史上初めてのケースが発生。相次ぐ日程延期は遠方からの出場校にとっては不利に働いたのかも知れない。
さらに大会中にコロナ感染で2校が辞退するという異例の事態。当事者にとっては実にやりきれない結果になってしまった。一般客を制限したなかで行われた夢舞台は、今年も球児たちの数々なドラマを生み出した。史上初めて女子高校野球が甲子園球場で開催されたことも特筆すべきことだ。コロナ禍や異常気象など、高校野球の世界も他の競技と同様厳しい状況に見舞われているが、困難を乗り越えてこれからもスポーツの力を示し続けてほしい。
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女子バレーと女子サッカー・代表監督が辞任へ(8月29日)
東京五輪で華々しい成績を上げた各競技の日本代表。一方で残念ながら期待に大きく届かなかった代表格が女子バレーボールと女子サッカーではないだろうか。奇しくも先週末の同日、両代表監督が退任することとなった。
5年間指揮を執った中田久美監督の退任が決まった女子バレーボール。五輪では1勝4敗で1次リーグ敗退。五輪決勝トーナメントに進出できなかったのは25年ぶりのことだ。初戦でエース・古賀紗理那が右足首を負傷するアクシデントが発生、2試合を欠場という想定外の事態に見舞われる不運もあった。...
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東京五輪で華々しい成績を上げた各競技の日本代表。一方で残念ながら期待に大きく届かなかった代表格が女子バレーボールと女子サッカーではないだろうか。奇しくも先週末の同日、両代表監督が退任することとなった。
5年間指揮を執った中田久美監督の退任が決まった女子バレーボール。五輪では1勝4敗で1次リーグ敗退。五輪決勝トーナメントに進出できなかったのは25年ぶりのことだ。初戦でエース・古賀紗理那が右足首を負傷するアクシデントが発生、2試合を欠場という想定外の事態に見舞われる不運もあった。これまでの国際大会では主力選手に代わるスーパーサブが台頭してチームの危機を救う場面が見られた。しかし、東京五輪ではそういったニューヒロインは誕生せず、選手層の薄さが感じられた。
ほかにもウィークポイントが指摘されていたのは正セッター。リオから5年の準備期間がありながら大会直前で新しいセッターを起用するなど、チームとしての練度を叩き上げるところまで至っていなかった印象がある。
女子サッカーなでしこジャパンも高倉麻子監督が契約満了となった。五輪での成績は1勝1分け2敗。メダルを期待された2大会ぶりの五輪はベスト8敗退という結果に終わった。ロンドン五輪で金メダルを逃した雪辱に燃える岩渕真奈を筆頭に、長谷川唯、田中美南ら海外組を擁した布陣で臨んだが、大会では諸外国との力の差を見せつけられる結果となってしまった。
五輪でメダルを獲得し、弾みをつける公算だった9月から開幕する初のプロサッカーリーグ「WEリーグ」にとっては大きな誤算となったと言える。これまで五輪の結果が人気の大きなバロメーターだった女子サッカー界だけに厳しい船出となるだろう。また、近年の中高女子サッカー人口の減少という構造的な問題も深刻だ。代表チームだけでなく、協会を挙げて人気回復に取り組まなければなるまい。
女子バレーと女子サッカー。ともに世界の頂点を極め、国内で屈指の人気を誇った女子スポーツだ。必ず復権する日が来ることを信じたい。
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パラ水泳で史上最年少メダル・ベテランも奮起(8月26日)
いよいよ始まった東京パラリンピック2020。競泳では初日の競技から日本勢のメダル獲得が続いた。競泳女子100m背泳ぎで10あるクラスのうち2番目に障害が重い「運動機能障がい」S2では14歳の山田美幸が決勝に出場。見事銀メダルを獲得して今大会、日本のメダル第1号となった。
「いま聞いてとてもびっくりしています」自身が史上最年少のメダリストだということを知らなかったという山田。水泳を始めたのは5歳の時からだという。...
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いよいよ始まった東京パラリンピック2020。競泳では初日の競技から日本勢のメダル獲得が続いた。競泳女子100m背泳ぎで10あるクラスのうち2番目に障害が重い「運動機能障がい」S2では14歳の山田美幸が決勝に出場。見事銀メダルを獲得して今大会、日本のメダル第1号となった。
「いま聞いてとてもびっくりしています」自身が史上最年少のメダリストだということを知らなかったという山田。水泳を始めたのは5歳の時からだという。生まれつき両腕が無く、両足も左右の長さが異なるというハンデを克服して力強いキックによる泳法を鍛え上げた。この日予選を全体の3位で突破し、挑んだ決勝でトップのシンガポールの選手にくらいつき、見事2位でフィニュッシュ。試合後、「言葉で言い表せない感覚と言いますか…とても嬉しいとしか言えないです」と喜びをあらわにした。
山田とは20歳差の38歳のベテランも続いた。日本パラ水泳選手団のキャプテン鈴木孝幸は5大会連続の出場。鈴木はこれまで北京大会での金メダルを含め、通算5個のメダルを獲得。初日は障害が3番目に重いクラスのSB3(運動機能障がい)男子50m平泳ぎに出場。序盤からペースを上げ先頭に立つと、中盤で追い抜かれたものの最後までトップ争いを演じ3位に。ロンドン大会以来9年ぶりのメダル獲得となった。明日以降も100m自由形など4種目に出場する予定となっている。
またS14(知的障害)男子100mバタフライに決勝した山口尚秀は惜しくもメダルには手が届かなかったものの4位入賞を果たした。
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東京パラリンピック2020・いよいよ開幕!(8月25日)
57年ぶり2度目となる東京でのパラリンピックが幕を開けた。同一都市で夏のパラリンピックが2度開催されるのは初めてのこととなる。開会式の6時間前、東京の国立競技場上空では航空自衛隊のアクロバット飛行チーム・ブルーインパルスが、カラースモークで赤・青・緑3色のパラリンピックシンボルカラーを描いた。
東京パラリンピック2020には史上最多の161の国と地域に難民選手団を加えた4403人の選手が参加。...
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57年ぶり2度目となる東京でのパラリンピックが幕を開けた。同一都市で夏のパラリンピックが2度開催されるのは初めてのこととなる。開会式の6時間前、東京の国立競技場上空では航空自衛隊のアクロバット飛行チーム・ブルーインパルスが、カラースモークで赤・青・緑3色のパラリンピックシンボルカラーを描いた。
東京パラリンピック2020には史上最多の161の国と地域に難民選手団を加えた4403人の選手が参加。日本はこれまでで最多の254人が出場する。日本選手団の旗手はオリンピックと同じく男女1人ずつ。トライアスロンの谷真海と卓球の岩渕幸洋が大役を務めた。開会式のコンセプトは「WE HAVE WINGS(私たちには翼がある)」。誰もが人生の逆風に立ち向かう翼があるという思いが込められた。会場は空港をイメージしたプロジェクションマッピングが施され、「パラエアポート」に世界各国から多様な乗り物たちが集う様が表現された。主役の「片翼の少女」を演じたのは障害を持つ演技経験のない13歳の少女。周囲から勇気をもらった少女が一歩を踏み出す様子を描く演出は、ストレートでわかりやすく、評価の賛否が分かれたオリンピックの開会式よりもSNSなどネットの反応も良かったようだ。
聖火は発祥の地・イギリスと、日本各地で採火され集められた灯が一つになったもの。聖火リレーの最終走者は3人のパラアスリートたち。今大会に出場する車いすテニス・上地結衣と、次の大会出場を目指すボッチャ・内田峻介、パワーリフティング・森崎可林の3人が聖火台に火を灯した。いよいよ25日からは13日間に渡る熱戦と感動が繰り広げられることとなる。
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