米FRB、政策金利を据え置き(2016/09/23)
米連邦準備理事会(FRB)は9月20、21日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置くことを決定した。7~8月に掛けてFRBのイエレン議長を始め多くの高官が9月利上げを示唆する発言を繰り返していたが、今回のFOMCでは、最近発表された経済指標が示すところは景気が過熱し始めているとまでは言えないとして9月は引き上げず、12月引き上げに含みを持たせた形となった。最近は市場関係者も金利据え置きの見方が大勢を占めていたので、株式市場もこの決定に安心し、ニューヨーク株式市場のダウ平均は前日比0.9%高で引けた。FOMCは大統領選直前の11月1、2日にも開催されるが、選挙への影響を考慮して政策金利の変更は行われないと見られており、今後はその次の12月13日、14日に開催予定のFOMCまでに良好な経済指標が発表されてFRBの思惑通り引き上げが出来るかどうかが焦点となって来た。
9月21日付
『ニューヨークタイムズ』は、「FRB、賛否割れる中金利据え置く 景況感改善は指摘」という見出しで、FRBは水曜日賛否が割れる中政策金利を据え置いたが、金利引き上げの圧力が増す中更に数週間景気刺激策を継続することになると報じた。イエレン議長はFOMC後の記者会見で、(FOMC委員のうち3名は金利引き上げを主張したが)多数のFRB高官は政策を変更する理由がないとみている。低金利は景気回復を刺激しているが過熱感はない。...
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9月21日付
『ニューヨークタイムズ』は、「FRB、賛否割れる中金利据え置く 景況感改善は指摘」という見出しで、FRBは水曜日賛否が割れる中政策金利を据え置いたが、金利引き上げの圧力が増す中更に数週間景気刺激策を継続することになると報じた。イエレン議長はFOMC後の記者会見で、(FOMC委員のうち3名は金利引き上げを主張したが)多数のFRB高官は政策を変更する理由がないとみている。低金利は景気回復を刺激しているが過熱感はない。景気の現状に満足しているがもう少し改善する余地があると述べたと報じている。
9月21日付
『USニューズ&ワールドレポート』は、「今年中の利上げの機会が狭まる中、FRB金利を据え置く」という見出しで、FRBは政策金利を据え置いたが、FOMCメンバーの中で意見の違いが広がっていると報じた。イエレン議長は記者会見で、FRBは景気回復の更なる証拠を待つことを決断したが、それは景気の現状を信頼していないわけではないと強調した。あるアナリストは今の状態が続けば12月には利上げがあることをイエレン議長は示唆していると見ていると報じている。
12月21日付
『ウォールストリートジャーナル』は、「イエレン議長、FRBは金利を政争の具とせずと語る」という見出しで、イエレンFRB議長が記者会見で、共和党のトランプ候補がFRBは政治的に金利決定を行っていると示唆したことに反論したと報じた。イエレン議長は、FOMCで政治を論じたことはなくまたその決定に政治を考慮することもない。水曜日の金利据え置きの決定は経済的要因によるもので政治的なものではないと語った。トランプ候補は、FRBは金利をわざと低くすることにより現オバマ政権の下で経済が健全に推移しているという幻想を生み出しており、結果的に民主党のクリントン候補を助けていると発言していたと報じている。
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トランプ候補、移民政策を発表(2016/09/02)
米共和党トランプ大統領候補は、8月31日メキシコ大統領との会談後アリゾナ州フェニックスで移民政策について演説した。トランプ候補の移民政策については、共和党主流派やヒスパニックへも支持基盤を広げるため、またメキシコ大統領との会談も融和的に終わったことも手伝って、演説前には従来の強硬路線を軟化させるのではとの観測もあったが、結果的には従来の強硬路線を堅持し、不法入国者に対する強制送還措置を厳格にすると主張した。厳格な移民政策は同候補が支持を広げた原点であり、ここで軟化すればこれまで同候補を支持して来た本来の支持層からの支持を失うリスクがあり、原点回帰を優先したものとみられる。この決定が今後の選挙戦にどう影響するかが注目される。
9月1日付
『ニューヨークタイムズ』は、「今ドナルド・トランプは移民政策で何を望むか」という見出しで、ドナルド・トランプは水曜日フェニックスで、所謂聖域都市の廃止、強制送還のための機動部隊創設、不法移民犯罪者の徹底取り締まりを含む10項目の移民政策を発表したが、本来の支持層へ強く訴える強硬且つ非妥協的路線へ回帰するものであったと報じた。同候補は、推定で1,100万人居ると言われる不法入国者の即時強制送還までは語らなかったが、近い将来これらの人々に合法的地位を与えることには反対の態度を示した。...
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9月1日付
『ニューヨークタイムズ』は、「今ドナルド・トランプは移民政策で何を望むか」という見出しで、ドナルド・トランプは水曜日フェニックスで、所謂聖域都市の廃止、強制送還のための機動部隊創設、不法移民犯罪者の徹底取り締まりを含む10項目の移民政策を発表したが、本来の支持層へ強く訴える強硬且つ非妥協的路線へ回帰するものであったと報じた。同候補は、推定で1,100万人居ると言われる不法入国者の即時強制送還までは語らなかったが、近い将来これらの人々に合法的地位を与えることには反対の態度を示した。今回の政策には、実際の運用が難しいと思われるもの、オバマ政権の政策と大きくは違わないものも含まれるが、大半は現状よりも法の強制力を強めるものである。現実には難しいだろうが、同候補は2百万人の強制送還を含めすべてを就任後数ヶ月以内には実施すると語った。以下は同候補の移民政策の概要である。
犯罪歴のある不法入国者の強制送還を早期に実施する。人数は2百万人と言われており、軽犯罪者も含まれるものとみられる。オバマ政権と比べ、送還対象者が広がり、送還手続きのスピードが加速化されるとみられる。また、強制送還のための機動部隊を創設する。
現在デンバー、ニューヘイブン、ニューヨーク、カリフォルニア州の多くの郡などは、「聖域都市」といわれ各自治体が現地の治安維持に不法入国者の協力が必要だという理由で、拘留等の連邦政府の犯罪者への法律執行への協力を行っていない。トランプ候補はこれら「聖域都市」に対する連邦政府の資金援助を停止すると主張する。
同候補は不法入国者に合法的地位を与えることについては完全に否定し、合法的地位を得るためには一旦帰国して、正式な移民手続きを取らなければならないとした。また、メキシコ国境に壁を築く件については、メキシコ大統領は会談後同国はその費用を負担しないとトランプ候補との会談で述べたと主張しているにも関わらず、費用はメキシコが負担すると繰り返したと報じている。
9月1日付
『USニューズ&ワールドレポート』は、「トランプ候補の移民演説、ラテン系住民の反発を受ける」という見出しで、トランプ候補の水曜日のアリゾナ州での移民演説は、いくつかの大きなラテン系トランプ支持団体の離反を招いたのと、それに乗じるクリントン陣営の戦術もあって、トランプ候補がヒスパニックの過半の票を得ることを難しくしたと思われると報じた。あるヒスパニック系のトランプ支持団体の人は、演説を聞く前はトランプ候補が現実的で思いやりのある移民政策を発表すると信じて支持していたが、演説を聞いて団体を退団したと語る。
また、クリントン陣営はメキシコ大統領との会談でトランプ候補の外交能力のなさが示されたと評する。また、移民演説も最悪の演説だったとみて、従来共和党の勢力が強いアリゾナ、ジョージア、ユタ州で攻勢をかけようとしているとも報じている。
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