トランプ候補のメキシコ訪問(2016/09/01)
米共和党トランプ候補は8月31日メキシコのペニャニエト大統領の招きで同国を訪問し同大統領と会談した。ペニャニエト大統領は民主党クリントン候補も招待しており、同候補も後日メキシコを訪問する予定である。メキシコからの不法移民を防ぐために、国境に壁を作り費用はメキシコに負担してもらうという主張は、ポピュリズムに訴えたトランプ候補の主張の中でも最たるものであり、同候補がメキシコでどのように対応するかが注目されたが、今回壁を作る話はしたものの、費用をメキシコに負担してもらうという話は出なかったようである。同候補は同日メキシコから帰国後アリゾナ州フェニックスで新たな移民政策を発表する予定であるが、これまでの主張を修正するのか注目される。
9月1日付
『ヤフーニューズ』(AFP通信引用)は、「トランプ候補、メキシコ大統領と会談するも選挙戦テーマは避ける」という見出しで、トランプ候補は1年以上に亘ってメキシコを米国の職と安全を脅かす敵であると非難し続けたが、急ぎ足での今回の訪問では融和的態度を示し、両国の結束を強調したと報じた。今回の訪問で同候補は明らかに、最も意見が割れている国境の壁建設とその資金負担の問題は回避した。会談後メキシコ大統領との共同会見でトランプ候補は、「壁の話はしたが費用の話まではしなかった。...
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9月1日付
『ヤフーニューズ』(AFP通信引用)は、「トランプ候補、メキシコ大統領と会談するも選挙戦テーマは避ける」という見出しで、トランプ候補は1年以上に亘ってメキシコを米国の職と安全を脅かす敵であると非難し続けたが、急ぎ足での今回の訪問では融和的態度を示し、両国の結束を強調したと報じた。今回の訪問で同候補は明らかに、最も意見が割れている国境の壁建設とその資金負担の問題は回避した。会談後メキシコ大統領との共同会見でトランプ候補は、「壁の話はしたが費用の話まではしなかった。それは後日やる」と述べた。
この会談の数時間後には、フェニックスで移民政策について演説を行う予定であるが、同候補が最近これまで多くの支持を得て来た保守層を超えて支持を広げようとする中でその移民政策は不明確になって来ており、穏健なものに修正するのかどうかが注目される。一方ペニャニエト大統領はこれまでトランプ候補をヒトラーやムッソリーニに例えるほど批判して来たが、両国共通の利益につき対話を進めるために招待したとしている。トランプ候補が短時間で招待に応えてメキシコを訪問したことに対し、同大統領は「様々なことで意見が異なるが、今回の訪問は多くの共通点も有していることを示している」と評価した。トランプ候補は重々しい表情で会見に臨み、メキシコ人の友人や従業員は素晴らしい人たちだと称えはしたが、安全な国境を持つことは国家の主権であり、両国の利益となると自分の主張を繰り返したと報じている。
8月31日付
『USニューズ&ワールドレポート』は、「トランプ候補、ペニャニエト大統領ともメキシコシティに多くのファンはいないのでは」という見出しで、トランプ米共和党大統領候補とペニャニエト大統領というメキシコでは不人気な二人が、米墨両国国民を驚かせた動きの中で、水曜日会談を行ったと報じた。メキシコ大統領への最近の不支持率は63%に及んでおり、一方のトランプ候補の支持率も32%と低迷している。またトランプ候補は対メキシコ政策や移民政策を穏健化したと思われるリスク、ペニャニエト大統領は同候補の政策に暗黙の了解を与えたと思われるリスクがあり、今回の会談は二人にとり利益になるとは思われていなかったため、驚きをもって迎えられた。
メキシコのメディアは、トランプ候補に対し会談の際に同国民へ謝罪すべきであり、またそれがなければペニャニエト大統領は同国民からの信頼をなくすと主張する。メキシコの元大統領は、トランプ候補はメキシコで歓迎されておらず、ペニャニエト大統領の今回の行動は間違いであり、トランプ候補に甘いとみなされるだけだと批判したとも報じている。
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日中韓三ヶ国外相会議開催(2016/08/26)
8月24日日中韓三ヶ国外相会議が2015年3月以来約1年半ぶりに開催された。8月に中国の公船が尖閣諸島周辺の領海侵入を繰り返したことから予定通り開催されるか心配されたが、何とか開催に漕ぎ着けた。中国の王毅外相は2013年の就任以来初来日である。24日午前北朝鮮が潜水艦ミサイルの発射実験を行ったため、3各国は対北朝鮮問題で連携強化することで一致した。また今年日本で開催予定の三ヶ国首脳会議の開催へ協力することを確認した。海外メディアの報道ぶりを紹介する。
8月24日付
『USニューズ&ワールドレポート』(AP通信引用)は、「日中韓、北朝鮮ミサイル非難で一致」という見出しで、中日韓の外相が水曜日北朝鮮の潜水艦ミサイル実験を激しく抗議することで、三国間では珍しい合意形成が出来たと報じた。三ヶ国は領土問題や戦争中の歴史問題を含め多くの争いを抱えており、三ヶ国外相会議は日中間の領土問題による2年間の中断後昨年再開されたばかりである。日中間は東シナ海の島と海底ガス開発で引き続き緊張関係にあり、また韓国が米国のミサイル防衛システム配備を承認したため、中国側が安全保障への脅威であると反対しており、中韓間にも綻びが生じている。...
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8月24日付
『USニューズ&ワールドレポート』(AP通信引用)は、「日中韓、北朝鮮ミサイル非難で一致」という見出しで、中日韓の外相が水曜日北朝鮮の潜水艦ミサイル実験を激しく抗議することで、三国間では珍しい合意形成が出来たと報じた。三ヶ国は領土問題や戦争中の歴史問題を含め多くの争いを抱えており、三ヶ国外相会議は日中間の領土問題による2年間の中断後昨年再開されたばかりである。日中間は東シナ海の島と海底ガス開発で引き続き緊張関係にあり、また韓国が米国のミサイル防衛システム配備を承認したため、中国側が安全保障への脅威であると反対しており、中韓間にも綻びが生じている。今回の会議では、明らかに災害予防、環境など対立が少ない問題に焦点があてられた模様であると報じている。
8月24日付
『ブルームバーグポリティクス』は、「来月G20時の習安倍首脳会議へのドアは半開きと中国語る」という見出しで、中国の王毅外相は水曜日日本が要請している日中首脳会議は検討中であり、両国が開催に向け雰囲気作りをしなければならないと日中韓三ヶ国外相会議の後開催された日中外相会議後に記者団に語ったと報じた。王毅外相は、現在日中間には困難な課題とチャンスが並存しており、あたかも潮流に逆らう船のようで前進も後退もあり得るとも語ったと報じている。
8月25日付中国の
『チャイナデイリー』は、「王毅外相:中国は日本がG20首脳会議で建設的な役割を担うことを歓迎する」という見出しで、王毅外相が、三ヶ国外相会議後安倍首相と会談した際に語ったと報じた。王毅外相はまた、三ヶ国がそれぞれ二国間で障害に直面している時期に三ヶ国協調を基調とすることに合意出来たこと、協力は政治、経済、貿易、文化の四分野で行われるべきだとの提案を行ったことを語った。王毅外相は滞日中に二階自民党幹事長、河野元衆院議長、福田元首相とも会談し、二階幹事長に対しては、日中関係は前進も後退もあり得ると語ったと報じている。
8月25日付韓国の英文版
『朝鮮日報』は、「韓中日三ヶ国首脳会議東京で開催へ」という見出しで、韓中日三ヶ国は首脳会議を今年中に東京で開催することに合意したと報じた。朴大統領、習主席にとって共に就任以来初めての訪日になる。三ヶ国はまた北朝鮮の潜水艦ミサイル実験を非難したこと、韓中間でミサイル防衛システム配備についての応酬があったことも報じている。
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