バイデン米政権は、トランプ前政権下での「最大限の圧力」の4年間の方針を転換し、イラン核合意への復帰に向け、イランと協議する用意があると発表している。多国間協議により、過去のトランプ前政権による痛手の修復を目指す。
2月18日付米国
『NYT』は「バイデン政権がイランとの核交渉再開を正式打診」との見出しで以下のように報道している。
バイデン大統領が、イランの核開発計画を制限する交渉復帰に向けて動いている。制裁解除を求めるイランが交渉に合意するかは不透明。
バイデン政権当局によると、米国は、トランプ元政権が廃止したイラン核合意を回復するという大きな方針転換を行い、4年ぶりにイランと交渉に乗りだそうとしている。...
全部読む
2月18日付米国
『NYT』は「バイデン政権がイランとの核交渉再開を正式打診」との見出しで以下のように報道している。
バイデン大統領が、イランの核開発計画を制限する交渉復帰に向けて動いている。制裁解除を求めるイランが交渉に合意するかは不透明。
バイデン政権当局によると、米国は、トランプ元政権が廃止したイラン核合意を回復するという大きな方針転換を行い、4年ぶりにイランと交渉に乗りだそうとしている。これはバイデン大統領の公約の一つであった。米政権は、イランが2019年までの制限を再度守る場合のみ、交渉を再開するとしている。
この発表は非常にデリケートな交渉に道筋を開くものである。国務省は、イラン側の対応はまだ分からないが、核合意復帰に向けたプロセスの第一歩であるとしている。イラン政府がこの日までにトランプ元政権が課した国連の制裁が緩和されなければ、核合意に基づく核関連施設への抜き打ち査察を認めないとする最終期限日が21日となっている。
イランの大統領選を4か月後に控え、イランの最高指導者ハメネイ師や政府や軍部の指導者がこれを支持するかは不透明となっている。米政府内部では、中国、ロシア等の他国が参加すれば実現すると考えているが、サウジアラビア、イスラエル、アラブ首長国連邦が同意するかは疑問視されている。
同日付『AP通信』は「バイデン、対イランでトランプ路線から転換、核合意交渉再開か」との見出しで以下のように報道している。
バイデン政権は18日、イラン他世界大国との核合意への復帰を模索していると発表した。国連制裁の復活や外交官のイランへの渡航制限などドナルド・トランプの圧力外交から転換を図る意向。G7首脳との会談前に発表されたが、イラン政策のタカ派からは批判され、イスラエル他中東諸国からも懸念の声があがるものとみられる。
米国はイラン国内の人権問題違反や核弾頭プログラムを懸念。イランに再度制裁を行う「スナップバック」と呼ばれる制裁復活手続きから撤退したことを通知、国連大使代行Richard Mills氏は国連にトランプ元政権路線からの転換を示す書簡を送ったという。米高官によると、外交官のイラン渡航制限は緩和されたという。合同声明でブリンケンは、「イランが核プログラムの制限を再び順守するなら、米国は同様に向き合う用意がある」としている。
イランのロウハニ大統領は18日、国営テレビで、バイデン政権核合意に復帰し、トランプ時代の国連制裁を解除することに期待を示した。メルケル首相は今秋ロハウニ大統領と電話会談。 IAEAの幹部は今週末査察継続の解決策を求め、イランへ渡航する予定。
閉じる
ドナルド・トランプ大統領夫人のメラニア・トランプ氏がこの程、ホワイトハウス(WH)の中庭、通称ローズガーデンを改築した。これについて、同大統領の天敵とされる
『ニューヨーク・タイムズ(NYT)』紙元記者が、米市民となって日が浅いファーストレディーがホワイトハウスの伝統を壊したと非難すれば、同じく天敵の
『CNNニュース』のキャスターは移民を理由に非難するのは不条理だと批評し、ジャーナリスト間で物議を醸している。
8月24日付
『Foxニュース』:「NYT元記者が、メラニア・トランプ氏のWHローズガーデン改築に対して“外国人が勝手な真似をした”と非難したことで物議」
『NYT』元記者のカート・イーチェンワルド氏は8月22日、ファーストレディーのメラニア・トランプ氏がWHローズガーデンを改築したことに対して、“外国人の彼女が伝統を台無しにしたことに激怒している”と非難した。
同氏は、“同氏はG.W.ブッシュ政権2期目(2005~2009年)の最中に米市民権を得たばかりなのに、伝統あるローズガーデンを自分好みに改築するなど、これまでどのファーストレディーも行ったことがない図々しい行い”だとツイートした。...
全部読む
8月24日付
『Foxニュース』:「NYT元記者が、メラニア・トランプ氏のWHローズガーデン改築に対して“外国人が勝手な真似をした”と非難したことで物議」
『NYT』元記者のカート・イーチェンワルド氏は8月22日、ファーストレディーのメラニア・トランプ氏がWHローズガーデンを改築したことに対して、“外国人の彼女が伝統を台無しにしたことに激怒している”と非難した。
同氏は、“同氏はG.W.ブッシュ政権2期目(2005~2009年)の最中に米市民権を得たばかりなのに、伝統あるローズガーデンを自分好みに改築するなど、これまでどのファーストレディーも行ったことがない図々しい行い”だとツイートした。
これに対して、まず中東カタールのメディア『アル・ジャジーラ』(2006年設立)米支社ジャーナリストのメディ・ハッサン氏が、“恐ろしい反移民政策以外の何物でもないので、謝罪の上で同ツイートを削除すべき”だと批評した。
そして、『CNNニュース』のキャスターのジェイク・タッパー氏も、“外国人恐怖症の間違った考えで偏見でしかない”とハッサン氏の意見に同調するツイートをしている。
トランプ夫人は中欧のスロベニア(1991年旧ユーゴスラビアから独立)生まれ・育ちで、2006年に米市民権を得ている(同大統領と結婚したのは2005年)。
同夫人は8月22日夜のツイートで、“伝統を重んじ、明るい将来に期待を抱かせて、ローズガーデンの改築工事が終わった。伝説的で華麗な場所の再生に関わった人たちに感謝したい”と述べている。
同夫人の広報担当は、『Foxニュース』からのジャーナリスト批判ツイートに関わる問いかけに何ら回答してきていない。
ただ、ファーストレディー側近チームからは、“ローズガーデンは大統領が要人を歓待したり、また、記者会見を行ったりすることもある「伝説的な」庭である”とした上で、“「米障害者法(注後記)」に則って、障害者のアクセス等が支障なく行われるように、また、庭の自然な美しさがいつまでも楽しめるよう改築された”と発表されている。
8月23日付『ABCニュース』:「メラニア・トランプ氏が改築されたローズガーデンを披露」
今回のローズガーデン改築は、ケネディ政権(1961~1963年)下において、園芸家・庭師・慈善活動家であるレイチェル・ランバート・メロン氏(1910~2014年)によって設計された構築物を見直す目的で行われた。
WH公式発表では、“メロン氏が設計してから何十年も経過したこともあって、構造物や排水設備の改善、植物の生育環境の再整備を行うことにした”という。
メラニア・トランプ氏は7月28日、“ローズガーデンはこれまで、逞しさと継続の素晴らしさを見せる伝統的な場所であるが、後世まで長くその伝統と美を残し、伝えていけるように改築される”とツイートしている。
『C-SPAN』(1979年設立の政治専門ケーブルテレビ)によると、石灰岩が敷き詰められた通路が中庭の芝の端にでき、また、10本のクラブアップル(ヒメリンゴと呼ばれる小粒のリンゴの実がなる)の木がWHの他の場所に移植されたという。
前者は、米障害者法に則って障害者のアクセス等が容易にできるようにし、後者については、成長したクラブアップルがバラ等の花々への日光を遮断しがちとなっていたためと説明されている。
なお、ファーストレディーは8月25日、共和党全国大会開催に当たって、ローズガーデンからスピーチを届ける予定である。
(注)米障害者法:1990年に制定された連邦法で、障害による差別を禁止する適用範囲の広い公民権法の一つ。1964年の公民権法は、人種(race)、肌の色(color)、信仰(religion)、性別(sex)または出身国(national origin)による差別を違法と規定するものであるが、障害者に対する差別に関する規定はなかったために、新たに制定されたもの。なお、2008年に改正されて、従来に比較して障害者の範囲が拡大されている。
閉じる