ドナルド・トランプ大統領夫人のメラニア・トランプ氏がこの程、ホワイトハウス(WH)の中庭、通称ローズガーデンを改築した。これについて、同大統領の天敵とされる
『ニューヨーク・タイムズ(NYT)』紙元記者が、米市民となって日が浅いファーストレディーがホワイトハウスの伝統を壊したと非難すれば、同じく天敵の
『CNNニュース』のキャスターは移民を理由に非難するのは不条理だと批評し、ジャーナリスト間で物議を醸している。
8月24日付
『Foxニュース』:「NYT元記者が、メラニア・トランプ氏のWHローズガーデン改築に対して“外国人が勝手な真似をした”と非難したことで物議」
『NYT』元記者のカート・イーチェンワルド氏は8月22日、ファーストレディーのメラニア・トランプ氏がWHローズガーデンを改築したことに対して、“外国人の彼女が伝統を台無しにしたことに激怒している”と非難した。
同氏は、“同氏はG.W.ブッシュ政権2期目(2005~2009年)の最中に米市民権を得たばかりなのに、伝統あるローズガーデンを自分好みに改築するなど、これまでどのファーストレディーも行ったことがない図々しい行い”だとツイートした。...
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8月24日付
『Foxニュース』:「NYT元記者が、メラニア・トランプ氏のWHローズガーデン改築に対して“外国人が勝手な真似をした”と非難したことで物議」
『NYT』元記者のカート・イーチェンワルド氏は8月22日、ファーストレディーのメラニア・トランプ氏がWHローズガーデンを改築したことに対して、“外国人の彼女が伝統を台無しにしたことに激怒している”と非難した。
同氏は、“同氏はG.W.ブッシュ政権2期目(2005~2009年)の最中に米市民権を得たばかりなのに、伝統あるローズガーデンを自分好みに改築するなど、これまでどのファーストレディーも行ったことがない図々しい行い”だとツイートした。
これに対して、まず中東カタールのメディア『アル・ジャジーラ』(2006年設立)米支社ジャーナリストのメディ・ハッサン氏が、“恐ろしい反移民政策以外の何物でもないので、謝罪の上で同ツイートを削除すべき”だと批評した。
そして、『CNNニュース』のキャスターのジェイク・タッパー氏も、“外国人恐怖症の間違った考えで偏見でしかない”とハッサン氏の意見に同調するツイートをしている。
トランプ夫人は中欧のスロベニア(1991年旧ユーゴスラビアから独立)生まれ・育ちで、2006年に米市民権を得ている(同大統領と結婚したのは2005年)。
同夫人は8月22日夜のツイートで、“伝統を重んじ、明るい将来に期待を抱かせて、ローズガーデンの改築工事が終わった。伝説的で華麗な場所の再生に関わった人たちに感謝したい”と述べている。
同夫人の広報担当は、『Foxニュース』からのジャーナリスト批判ツイートに関わる問いかけに何ら回答してきていない。
ただ、ファーストレディー側近チームからは、“ローズガーデンは大統領が要人を歓待したり、また、記者会見を行ったりすることもある「伝説的な」庭である”とした上で、“「米障害者法(注後記)」に則って、障害者のアクセス等が支障なく行われるように、また、庭の自然な美しさがいつまでも楽しめるよう改築された”と発表されている。
8月23日付『ABCニュース』:「メラニア・トランプ氏が改築されたローズガーデンを披露」
今回のローズガーデン改築は、ケネディ政権(1961~1963年)下において、園芸家・庭師・慈善活動家であるレイチェル・ランバート・メロン氏(1910~2014年)によって設計された構築物を見直す目的で行われた。
WH公式発表では、“メロン氏が設計してから何十年も経過したこともあって、構造物や排水設備の改善、植物の生育環境の再整備を行うことにした”という。
メラニア・トランプ氏は7月28日、“ローズガーデンはこれまで、逞しさと継続の素晴らしさを見せる伝統的な場所であるが、後世まで長くその伝統と美を残し、伝えていけるように改築される”とツイートしている。
『C-SPAN』(1979年設立の政治専門ケーブルテレビ)によると、石灰岩が敷き詰められた通路が中庭の芝の端にでき、また、10本のクラブアップル(ヒメリンゴと呼ばれる小粒のリンゴの実がなる)の木がWHの他の場所に移植されたという。
前者は、米障害者法に則って障害者のアクセス等が容易にできるようにし、後者については、成長したクラブアップルがバラ等の花々への日光を遮断しがちとなっていたためと説明されている。
なお、ファーストレディーは8月25日、共和党全国大会開催に当たって、ローズガーデンからスピーチを届ける予定である。
(注)米障害者法:1990年に制定された連邦法で、障害による差別を禁止する適用範囲の広い公民権法の一つ。1964年の公民権法は、人種(race)、肌の色(color)、信仰(religion)、性別(sex)または出身国(national origin)による差別を違法と規定するものであるが、障害者に対する差別に関する規定はなかったために、新たに制定されたもの。なお、2008年に改正されて、従来に比較して障害者の範囲が拡大されている。
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同紙の報道は、米政治専門紙
『ザ・ヒル』なども報じている。トランプ氏は2017年1月20日の就任式の朝、国民に初のメッセージを発信して以来、怒りの表明や、政権の成果を自慢するためなどにツイッターを活用し、33カ月で1万1,390件の投稿をしてきた。
NYTは、トランプ氏の就任以降のツイッター利用について、その全ての内容とリツイートやフォロワーの動向などを検証し、50人近くの現在および過去の政権幹部へのインタビューを行った上で、分析結果をまとめ発表した。...
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同紙の報道は、米政治専門紙
『ザ・ヒル』なども報じている。トランプ氏は2017年1月20日の就任式の朝、国民に初のメッセージを発信して以来、怒りの表明や、政権の成果を自慢するためなどにツイッターを活用し、33カ月で1万1,390件の投稿をしてきた。
NYTは、トランプ氏の就任以降のツイッター利用について、その全ての内容とリツイートやフォロワーの動向などを検証し、50人近くの現在および過去の政権幹部へのインタビューを行った上で、分析結果をまとめ発表した。
就任当初、ツイート数は1日に平均約9件だったが、最近では、かつてないほどに件数が増加している。ロシア疑惑の捜査終結とウクライナ疑惑を受けて議会の弾劾調査が開始された以降は顕著で、過去3カ月では、就任1年目の2017年の3倍程度にまで増加した。10月の最初の2週間は500件以上となり、特に第2週は271件と最高件数を記録した。
トランプ大統領のツイッターには、全てが真正か不明だが6600万人超のフォロワーがおり、ツイートすることで自らの指示や決断を世界に直接知らせることができる。これに対し、側近らは何の手出しをすることもできない。トランプ氏のツイッターは政権運営の一部として完全に取り込まれており、大統領職や大統領の権力の性質を変化させた。
大統領は、敵と認識した人物などを攻撃する場合にもツイッターを利用する。NYTによれば、誰か或いは何かを攻撃したツイート件数は、総ツイート件数の半数以上の5,889件に上り、630の人物や物事を攻撃した。攻撃対象としては、ロシア疑惑の調査、民主党議員や同党出身の首長が率いる州や地方自治体、メディアなどが多いが、連邦準備制度理事会(FRB)、過去の政権、巨大IT企業、敵対するアスリートや企業幹部など様々だ。こうした攻撃ツイートの大半は、側近らが傍にいない朝6~10時頃か夜遅くに発信されている。
トランプ氏のツイートは、人々を攻撃するだけでなく称賛するものも多い。誰かを攻撃の上、対照的な別の人物を褒めることもある。誰かを認め、称賛するツイートも4,876件に上ったが、最も称賛した人物は自分自身で、2,026回の自慢話を投稿している。
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