英国、コロナ検査大手が顧客のDNAを含むデータを同意なしに転売か(2021/11/16)
英国の情報保護監視機関であるInformation Commissioner's Office (ICO)は、11月14日、コロナ検査を実施している会社に対して調査を開始した。英国政府公認のサプライヤーであるCignpost Diagnostics社は、機密性の高い医療データを第三者と共有しようとしている疑いがかけられている。
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『デイリー・テレグラフ』によると、新型コロナウィルス検査を提供するイギリスの大手企業が、顧客のDNAを含む綿棒を転売することを、患者にその意向を明確に伝えることなく計画していたことが判明した。
イギリスのCignpost Diagnostics社は今年、政府から新型コロナウィルスの検査を認可された。同社は、医療データを「人間の健康についてもっと知る」ために販売し、新しい薬や製品を開発したいと主張している。...
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『デイリー・テレグラフ』によると、新型コロナウィルス検査を提供するイギリスの大手企業が、顧客のDNAを含む綿棒を転売することを、患者にその意向を明確に伝えることなく計画していたことが判明した。
イギリスのCignpost Diagnostics社は今年、政府から新型コロナウィルスの検査を認可された。同社は、医療データを「人間の健康についてもっと知る」ために販売し、新しい薬や製品を開発したいと主張している。
しかし、同社の検査予約ウェブサイトでは、個人のデータがコロナ検査以外の目的で使用されることを明確にされていなかったという。その代わりに、4千語以上に上るプライバシーポリシーに同意するボックスにチェックを入れるよう求め、そのボックスには同社の「研究プログラム」を説明する別の文書へのリンクが貼られていたという。
10月21日に更新された「研究プログラム」を説明する文書によると、同社は「生物学的サンプル」および「そのサンプルから得られたDNA」を含むデータを保持しており、また「ジェノタイピングや全ゲノムまたは部分ゲノム配列決定などの様々な技術を用いて顧客のDNAサンプルを処理した結果得られた遺伝情報」も保持しているという。また、このポリシーによると、同社は、顧客のDNAサンプルやその他の個人情報を、大学や民間企業を含む、共同または独立して活動する「協力者」と共有することがあり、その見返りとして「報酬を受け取ることがある」としている。
一般的に、機密性の高い医療情報の分析は、明確なインフォームド・コンセントがなければ実施できない。
仏ニュースサイト『BFMTV』によると、Cignpost diagnostics社は、英国内に71の検査所を持ち、昨年6月以降、300万件もの検査を実施したと報告されている。同社はPCR検査を35ポンド(約5千円)から120ポンド(約1万8千円)で提供しており、検査料金だけで数千万ポンドを稼いでいると推定されている。
今のところ、販売された医療データの数は情報保護監視機関には知らされていない。同機関の要請以降、同社はこの転売に関するすべての記述を自社の規則から削除した。
ICOの副長官であるスティーブ・ウッド氏は、「DNAほど慎重に扱うべき個人情報はありません。人々は、情報を得た上で判断できるように、明確で透明性のある正直な方法で、個人情報がどうなるかを知らされる必要があります。」と述べている。
Cignpost Diagnostics社は、英国市場で最も安いテストを提供している。9月には、他の類似企業と共同で、迅速で安価な「信頼できる」検査方法を推進する団体「LTIO」を設立している。
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英国EU離脱:英国のスーパー大手M&Sの仏での出店数を半分以上減らす(2021/09/18)
『フランス24』TVチャンネルによると、9月16日木曜日、英国のスーパーチェーン大手のマーク&スペンサーは英国EU離脱の影響による生鮮食品の物流問題を理由にフランスにおける20店のうち、11点を閉店することを発表した。
フランスのマーク&スペンサーグループは、「英国からEUへの輸出手続きが複雑で長時間かかるため、英国からEUへの生鮮食品や冷凍食品の物流量が限定されてしまう。そのため、フランスでの英国からの生鮮食品流通に支障をきたしてしまう。」と閉店理由を説明した。
コミュニケによると、これまでの英国のマーク&スペンサーとフランスのSFH社とのパートナー契約は解消され、フランチャイズチェーンの主にパリに開業している11店舗は今年の年末までに閉店することになるという。...
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フランスのマーク&スペンサーグループは、「英国からEUへの輸出手続きが複雑で長時間かかるため、英国からEUへの生鮮食品や冷凍食品の物流量が限定されてしまう。そのため、フランスでの英国からの生鮮食品流通に支障をきたしてしまう。」と閉店理由を説明した。
コミュニケによると、これまでの英国のマーク&スペンサーとフランスのSFH社とのパートナー契約は解消され、フランチャイズチェーンの主にパリに開業している11店舗は今年の年末までに閉店することになるという。
これらの11店舗の閉店により約100人の従業員の職が奪われることとなるが、パートナーのSFH社が従業員たちの新しい雇用の相談に乗っているという。
一方、マーク&スペンサーとLTR社とパートナー契約をしている9店舗は営業を継続するという。これらの店舗は、空港、鉄道や地下鉄の駅にあり、生鮮食品を扱わないので営業を継続できるという。
英国とEU間で去年のクリスマス前に取り交わされた同意にも関わらず、英国のEU離脱により生鮮食品や肉製品の輸出入手続きを複雑化しているという。そのため、チェコのマーク&スペンサーの店舗では今年4月、生鮮食品の販売を中止し、冷凍食品や常温で保存できる食品の販売のみに専念することを決定している。
英国側でもEU離脱以降、EU諸国からの輸入製品の物流についての複雑な手続きのため、支障をきたしているという。そのため9月14日火曜日、EU製品の完全な安全性試験方法の導入を来年2022年まで延期することを発表している。
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