英国で最も稼ぐCEOらの収入、今年に入りわずか3日で一般労働者の平均年収を超える(2020/01/08)
英国で最も稼ぐ最高経営責任者(CEO)たちの収入は、今年に入ってからわずか3営業日が経過した1月6日までに、同国の一般労働者の年収の平均額を超えたとの新たな研究結果が発表された。
英紙
『ガーディアン』『インデペンデント』や
『AFP通信』などが報じた本研究は、英独立系シンクタンク「ハイ・ペイ・センター(High Pay Centre)」と英国人材開発協会(CIPD)によるものだが、同国の賃金格差の大きさを示すものとして注目される。
本研究では2018年度のデータを使用している。これによると、ロンドン証券取引所のFTSE100指数を構成する企業のCEOの平均年収は346万ポンド(約4億9400万円)で、平均的な労働者の年収は2万9,559ポンド(約421万7,200円)だった。...
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英紙
『ガーディアン』『インデペンデント』や
『AFP通信』などが報じた本研究は、英独立系シンクタンク「ハイ・ペイ・センター(High Pay Centre)」と英国人材開発協会(CIPD)によるものだが、同国の賃金格差の大きさを示すものとして注目される。
本研究では2018年度のデータを使用している。これによると、ロンドン証券取引所のFTSE100指数を構成する企業のCEOの平均年収は346万ポンド(約4億9400万円)で、平均的な労働者の年収は2万9,559ポンド(約421万7,200円)だった。
従って、英国で最も高給を得ているCEOらの平均年収は、一般労働者の117倍に上り、CEOらは計算上、わずか3日働いただけで労働者の年収分の金額を得ることになる。英国は、他の欧米諸国と同様、年明けは1日だけが休日であるため、今年は6日が第3営業日に当たり、この日時点で労働者の年収を既に稼いだという。最高額の報酬を得たCEOは、3900万ポンド(約56億円)の年間報酬に加え、8500万ポンド(約121億円)のボーナスを受け取っていた。
英国では、賃金格差と世界金融危機以降の10年にわたる厳しい緊縮財政の影響について、長い間懸念が高まっていた。賃金格差については、透明性を増すために新たな法的措置が導入され、従業員が250人超の上場企業は、今年から毎年、CEOと平均的な従業員の収入の差を公開し、それが正当であることを示すよう義務付けられた。調査に当たった研究者らは、高額の報酬が今年の重要課題の1つになると考えている。
CIPDのピーター・チーズCEOは、企業はトップの報酬につき説明責任を負うことになるが、金額の開示は始まりに過ぎず、一般労働者の収入との関係で高い金額の正当性の根拠を明示する必要があると述べた。ハイ・ペイ・センターのルーク・ヒルドヤード所長は、収入の格差によって、英国は「欧州で最も不平等な国の1つ」になったと指摘した。
社会的不平等への対応は、先月の英総選挙でも主要な争点となり、特に野党・労働党は、与党・保守党が貧富の格差解消に消極的であると追及した。貧富の格差拡大は、国際的にも大きな課題であり、国連でも取り組みを強化している。
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米フェイスブック、2億6700万人超のユーザーの個人情報がネット上に流出し調査開始(2019/12/21)
米フェイスブックは19日、2億6700万人超のユーザーの氏名や電話番号などの個人情報を含むデータベースが、誰でもアクセス可能な状態でインターネット上に公開されていたとの報告を受けて、調査を開始したと発表した。
『AFP通信』や米経済誌
『フォーブス』などの報道によれば、ITメディア「コンパリテック(Comparitech)」が、当該データベースは先週、犯罪組織のものと思われるインターネット上のハッカーフォーラムでダウンロード可能な状態になっていたと報告した。
フェイスブックの広報担当者は、「本問題については調査中だが、当社は個人情報保護の改善のために、過去数年にわたり対策を講じてきており、それ以前に流出した情報であると思われる。...
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『AFP通信』や米経済誌
『フォーブス』などの報道によれば、ITメディア「コンパリテック(Comparitech)」が、当該データベースは先週、犯罪組織のものと思われるインターネット上のハッカーフォーラムでダウンロード可能な状態になっていたと報告した。
フェイスブックの広報担当者は、「本問題については調査中だが、当社は個人情報保護の改善のために、過去数年にわたり対策を講じてきており、それ以前に流出した情報であると思われる。」と説明した。影響を受けた殆どのユーザーは米国在住とのことである。
コンパリテックによれば、同社とセキュリティ研究者のボブ・ディアチェンコ氏が共同で、フェイスブックユーザーの氏名、ユーザーID、電話番号が含まれるデータベースの存在を確認したが、今月4日から2週間ほどの間、誰でもアクセス可能な状態になっていたという。同社などの報告後、19日までにデータベースへのアクセスはできなくなった。
ディアチェンコ氏らは、データ流出の経緯について、フェイスブックの友達リスト、グループ、写真などに開発者がアクセスするためのインターフェースを通じて発生したなど、いくつかの可能性を指摘した。ベトナムの犯罪組織が関わった証跡もみられるとしている。また、漏えいしたデータは、信頼できない情報源からのものではなく、フェイスブックそのものに由来する真正なもののようであり、電話による販売・広告業者やスパムメールの発信者らにとって情報の宝庫になると警告した。新たなフィッシング詐欺などに使われる可能性も十分にあるという。
フェイスブックは現在、ユーザーの個人情報保護をめぐる社会の懸念を払拭し、信頼を回復することに努めている。昨年明らかになった、英コンサルティング会社ケンブリッジ・アナリティカを通じ、フェイスブックユーザーの個人情報が本人の同意なく政治利用された事件では、同社調査で約8700万人分の情報が流出したことが判明した。
フェイスブックは7月、連邦取引委員会(FTC)によるケンブリッジ・アナリティカ事件の調査について、個人情報保護の不備をめぐる問題への制裁金としては過去最高額となる50億ドル(約5400億円)を支払うことでFTCと和解している。
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