東京オリンピック;中国は米国には金メダル数でも負けたくなく、香港・台湾獲得の金メダルを含めて自国が最多獲得国だとアピール【米メディア】(2021/08/15)
中国は、米国との大国争いに躍起になっていて、軍事力や経済力はもとより、他国への経済支援額やワクチン提供回数等までも自国が優っていると主張している。そうした中、今度は東京オリンピックで獲得した金メダル数についても、自国の領土である香港・台湾が獲得した金メダルを加えれば米国を上回るとアピールしている。
8月14日付
『Foxニュース』:「中国、香港・台湾分を含めれば米国を抜いて金メダル最多獲得国だとアピール」
東京オリンピックにおいて、米国はメダル獲得総数に加えて金メダル数も参加国最多となっている。
しかし、中国国営メディアがこの程、中国こそが金メダル最多獲得国だと言い出した。
『中国中央テレビ』及び「微博(Weibo、2009年立ち上げのミニブログサイト)」が今週ツイートしたところによれば、自国の領土である香港及び台湾が獲得したメダルを加えれば、それぞれ金41、銀37、銅27、合計106個となるとする。...
全部読む
8月14日付
『Foxニュース』:「中国、香港・台湾分を含めれば米国を抜いて金メダル最多獲得国だとアピール」
東京オリンピックにおいて、米国はメダル獲得総数に加えて金メダル数も参加国最多となっている。
しかし、中国国営メディアがこの程、中国こそが金メダル最多獲得国だと言い出した。
『中国中央テレビ』及び「微博(Weibo、2009年立ち上げのミニブログサイト)」が今週ツイートしたところによれば、自国の領土である香港及び台湾が獲得したメダルを加えれば、それぞれ金41、銀37、銅27、合計106個となるとする。
因みに、米国の獲得数は金39、銀41、銅33、合計113個で、中国の正式な記録では金38、銀32、銅18、合計88個となっている。
しかし、国際オリンピック委員会(IOC)の正規記録上では、香港及び台湾(IOC登録上はチャイニーズタイペイ)は個別のオリンピック委員会をベースに参加しており、中国のそれとは区別されている。
なお、『台湾日報(1949年創刊の英字紙)』によれば、別の記事では、中国が、マカオ特別行政区の獲得分も含めて、合計42個の金メダルを獲得したと主張しているという。
一方、中国政府は、東京オリンピックを通して西側メディアに対して複数回攻撃している。
例えば、在ニューヨーク中国総領事館は米『NBC』に対して、開会式で中国チームが入場した際に、同メディアが台湾及び南シナ海の諸島を含めていない地図を画面に表示したとして、“中国国民の尊厳と感情を傷つけた”と非難する声明を発表している。
同総領事館は、“オリンピックの機会を狙って政治的「策略」を仕掛けたり、真意を隠して自己宣伝しようとも、成功するはずがない”とも言及している。
また、在スリランカ中国大使館が『ロイター通信』に対して、同メディアが重量挙げ49㎏級金メダリストの侯志慧選手(ホー・チーフイ、24歳、注後記)の“醜い”写真をわざと掲載したとして、“政治的かつイデオロギー”に根差した悪意ある報道だと非難している。
(注)侯志慧選手:インドメディア『ANI』(1971年開局)が7月26日、同選手のドーピング有無について国際検査機関(ITA、2018年設立の非営利団体)が調査しており、もし世界反ドーピング機関(WADA、1999年設立)が疑義ありと認めれば、同選手の金メダルが没収され、2位のインド人ミラバイ・チャヌー選手(27歳)が繰り上げ優勝となると報道。しかし、中国側からの非難はもとより、WADA自身がかかる事態を否定したことから、『ANI』が7月30日に誤報として訂正報道をするという事態が発生していた。
閉じる
習国家主席、”貧困脱却”と喧伝するも、都市部と農村部の収入格差は逆に拡大【インドメディア】(2021/06/15)
習近平国家主席(シー・チンピン、68歳)は昨年12月、重要課題として取り組んできた貧困撲滅運動の目標が達成できたと高らかに宣言した。中国統計結果より、確かに平均年収の底上げが進んだが、一方で、都市部と農村部の収入格差が大きく拡大している。
6月14日付インド
『アジアン・ニュース・インターナショナル(ANI)』(1971年設立):「中国農村部の住民、都市部との収入格差拡大に喘ぐ」
中国政府はこれまで、重要課題の一つとして、生活水準を改善し貧困層の撲滅に注力してきた。
その結果、農村部における平均年収が底上げされてきたが、一方で、都市部住民との収入格差拡大に苦しんでいる。
『日経アジア』紙(2011年刊行の英字紙、2020年9月『日経アジアン・レビュー』から改称)報道によると、習近平国家主席は昨年12月、長い間の貧困対策が奏功して、ついに貧困問題が解決したと高らかに宣言した。...
全部読む
6月14日付インド
『アジアン・ニュース・インターナショナル(ANI)』(1971年設立):「中国農村部の住民、都市部との収入格差拡大に喘ぐ」
中国政府はこれまで、重要課題の一つとして、生活水準を改善し貧困層の撲滅に注力してきた。
その結果、農村部における平均年収が底上げされてきたが、一方で、都市部住民との収入格差拡大に苦しんでいる。
『日経アジア』紙(2011年刊行の英字紙、2020年9月『日経アジアン・レビュー』から改称)報道によると、習近平国家主席は昨年12月、長い間の貧困対策が奏功して、ついに貧困問題が解決したと高らかに宣言した。
しかし、農村部と都市部の年収格差はむしろ拡大しており、田舎の居住者の生活は依然苦しい。
養豚場を営む54歳の男性によると、“直近数年で生活様式は若干改善してきているが、依然困窮していることに変わりはない”と証言している。
同氏の年収は、依然3万人民元(約51万円)に届いていない。
中国の約9億人が都市部で暮らし、残り約5億人が農村部で居住する。
政府統計資料によると、2020年における前者の平均年収は4万3,834人民元(約74万5,200円)で、後者は1万7,131人民元(約29万1千円)である。
『日経アジア』紙によると、7年前と比較して、前者と後者の年収格差は57%も広がってきているという。
これは、農村部においては、農業以外の選択肢がほとんどないことに加えて、農業分野での事業拡大の可能性がないからである。
東京大学の田原史起教授(54歳、社会学者・歴史学者、中国社会論専門)は、“都市部の企業は、農村部からの移住者を低賃金で雇用することで利益を上げ、「世界の工場」と呼ばれる程成長を続けてきた”とし、“言わば農村部を植民地として活用してきているので、今後も収入格差が縮まることはあるまい”と解説している。
実際問題、多くの農村部住民が都市部に移住して就職しており、彼らの獲得する平均年収は2020年実績で4万8千人民元(約81万6千円)にも達している。
しかし、それでも都市部の正規社員に比べると、依然遥かに低い収入レベルである。
(参考)中国の貧困問題:習主席は昨年12月、貧困対策で目標を達成したと表明した上で、中国共産党は今年7月、創設100年の節目を迎えるが、貧困脱却が誕生日プレゼントになると力説。しかし、海外の一部の政策専門家は、中国が貧困の定義を緩めに設定しており、貧困地域の開発継続には持続的な投資が必要だと指摘。何故なら、中国は、農村部の極度の貧困を1人当たりの年収4千人民元(620ドル、約6万8千円)未満と定義していて、これは1日当たり約1.69ドル(約186円)に相当するが、世界銀行の設定する国際貧困ライン1日当たり1.90ドル(約209円)より1割余りも低いからである。
閉じる
その他の最新記事