中国;南シナ海におけるドゥテルテ比大統領の身勝手な要求(経済援助は別に、同海域での権利主張)を一蹴【米・台湾メディア】
フィリピンのドゥテルテ大統領は、南シナ海領有権問題について従来政権と違って、中国寄りの方針に転換している。すなわち、2016年7月のハーグ(オランダ)常設仲裁裁判所の裁定(中国の南シナ海領有権主張に法的根拠なし)を得たにも拘らず、これはひとまず棚に上げて、中国側から過分の経済支援を引き出すことに注力している。しかし、反ドゥテルテ派の突き上げもあってか、フィリピンがこれまで主張していた南シナ海諸島周辺での同国による自由な活動について、中国側に柔軟な対応を求めたものの、良い所取りはさせないとばかり、あっさり一蹴されてしまった。
8月16日付米
『ロイター通信』:「中国、フィリピン大統領の南シナ海における主張をあっさり一蹴」
ロドリゴ・ドゥテルテ比大統領は、南シナ海の領有権争いがある諸島に中国が建造した人工島周辺において、中国以外の飛行機や船舶が近づくことを拒否する権限はないとし、中国側の態度“軟化”を求める旨発言した。
これに対して中国外交部(省に相当)は、スプラトリー(南沙)諸島は中国固有の領土であるとした上で、国際法に則って他国の飛行機や船舶の航行の自由を尊重するが、同人工島への異常な接近や同島住民に脅威となるような挑発的行為に対して、必要な措置を講ずる権利があると強調した。...
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8月16日付米
『ロイター通信』:「中国、フィリピン大統領の南シナ海における主張をあっさり一蹴」
ロドリゴ・ドゥテルテ比大統領は、南シナ海の領有権争いがある諸島に中国が建造した人工島周辺において、中国以外の飛行機や船舶が近づくことを拒否する権限はないとし、中国側の態度“軟化”を求める旨発言した。
これに対して中国外交部(省に相当)は、スプラトリー(南沙)諸島は中国固有の領土であるとした上で、国際法に則って他国の飛行機や船舶の航行の自由を尊重するが、同人工島への異常な接近や同島住民に脅威となるような挑発的行為に対して、必要な措置を講ずる権利があると強調した。
ドゥテルテ大統領は就任以来、中国寄り方針に転換して、数十億ドル(数千億円)規模の経済支援や投融資を中国から獲得してきたが、反ドゥテルテ派の主張する、中国に主権を売り渡したとの批評には真っ向から反対していた。
ただ、同大統領はこれまで、中国が行ってきた人工島建設や軍事拠点化について、中国を直接非難する代わりに、中国側活動を止められなかった米国にその責任があるとコメントしていた。
同日付台湾『台北タイムズ』紙(『AFP通信』配信):「ドゥテルテ比大統領、中国に人工島建設活動の“手加減”要請」
ドゥテルテ比大統領は8月14日晩、南シナ海における中国の人工島建設活動を“手加減”すべきだとし、また、同海域における中国外の飛行機や船舶の航行を中国が制限すべきではないと主張した。
これまで、中国寄りの政策に終始してきた同大統領にとっては意外な対応である。
その背景は、フィリピン政府高官によると、中国が人工島を築いたスビ礁の近くにあるフィリピン実効支配のパグアサ島に同国航空機が向かおうとする度に、中国軍による警告発信が何度も行われていることにあるという。
ただ、同大統領は、中国と“争い”は好まないとも付言している。
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北朝鮮がまたも日本人を拉致;日朝平和条約及び太平洋戦争賠償請求交渉を有利に運ぶための切り札?【米・台湾メディア】
既報どおり、北朝鮮は、南北朝鮮首脳会談、中朝首脳会談、そして米朝首脳会談を立て続けに持ち、“朝鮮半島の非核化”をタネに交渉を有利に進めようと、それぞれの関係国間のパワー・バランス等をうまく活用している。一方、日本に対しては、解決済みの拉致問題で北朝鮮を責め続けていて、北朝鮮の関係国との交渉を妨げる存在として、敵視する態度を取っている。これは、日本との平和条約締結や戦後賠償請求交渉を有利に運ぶための北朝鮮の常套手段だとみられるが、その交渉カードを増やすためか、新たに日本人を拉致したとの速報が入っている。
8月11日付米
『ワシントン・ポスト』紙:「北朝鮮が日本人旅行者を拘束したと発表して、日朝間国交正常化交渉は複雑化」
『共同通信』は8月11日、北朝鮮が、同国を訪問中の日本人旅行者をスパイ容疑で拘束したと報じた。
30代の日本人男性は、海外の旅行会社手配で訪朝していたが、同国西部の南浦(ナムポ)において、複数の軍事施設を動画撮影したために拘束されたという。
複数の日本のテレビ局は、拘束された男性は“映像制作者”と称していて、これまで北朝鮮を複数回訪問していると報じている。...
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8月11日付米
『ワシントン・ポスト』紙:「北朝鮮が日本人旅行者を拘束したと発表して、日朝間国交正常化交渉は複雑化」
『共同通信』は8月11日、北朝鮮が、同国を訪問中の日本人旅行者をスパイ容疑で拘束したと報じた。
30代の日本人男性は、海外の旅行会社手配で訪朝していたが、同国西部の南浦(ナムポ)において、複数の軍事施設を動画撮影したために拘束されたという。
複数の日本のテレビ局は、拘束された男性は“映像制作者”と称していて、これまで北朝鮮を複数回訪問していると報じている。
なお、『共同通信』は、政府高官の話として、北朝鮮は、今後日朝間で進められる国交正常化交渉で、拘束された男性の解放を切り札として利用する可能性があると伝えている。
8月12日付台湾『台北タイムズ』紙(『AFP通信』配信):「日本人がスパイ容疑で北朝鮮当局に拘束」
『朝日新聞』の報道では、当該日本人男性が、いつ、そして何故北朝鮮当局に拘束されたか不明だというが、政府関係者の情報として、スパイ容疑だと言われているとする。
同紙によれば、外交筋の話として、日本政府としては、当該男性の安全確保を第一優先に北朝鮮と交渉していくとするが、今後日朝間で行われる国交正常化交渉で切り札に使われる可能性があるとみられているという。
日本政府はこれまで国民に対して、国連のみならず日本独自の制裁の対象となっている北朝鮮への旅行等を慎むよう求めてきていた。
北朝鮮は、1970~1980年代に、日本人等を拉致して同国のスパイ活動に利用しようとしてきた。
一方、北朝鮮は1999年に、ある日本の新聞社の記者をスパイ容疑で逮捕し、2年間拘束している。
なお、安倍晋三首相は8月6日、自身が金正恩(キム・ジョンウン)委員長と会談し、核、ミサイル、日本人拉致被害者問題等あらゆる懸案事項について、解決に向けて尽力していく旨改めて表明している。
日本メディアの推測では、来月ウラジオストック(ロシア)で開催される国際フォーラム(編注;9月11~13日、ロシア主催で開催される“東方経済フォーラム”)の機会を捉えて、両国首脳会談が行われるのではないかとみている。
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