台湾でコロナ感染拡大(2021/05/17)
新型コロナウィルス対策が世界の中でも優れていて封じ込めに成功していた台湾で、数週間前から感染が広がり始め、ロックダウンや規制強化が行われているという。
5月16日付英国
『Guardian』は「新規感染者増加の台湾でロックダウン、買い占めも」との見出しで以下のように報道している。
台湾では約3週間前から国内のエアラインや関連ホテルで新型コロナ感染者が発生し、対策を強化した前日15日の180人を超え、16日には206人の感染者が確認された。
世界で最もコロナ対策が進んでいると考えられた台湾での突然の感染拡大により、台北など2都市で一部ロックダウンが敷かれ、市民は外出を控えるようになり、賑わいを見せていたショッピング街や寺などからは人がいなくなった。...
全部読む
5月16日付英国
『Guardian』は「新規感染者増加の台湾でロックダウン、買い占めも」との見出しで以下のように報道している。
台湾では約3週間前から国内のエアラインや関連ホテルで新型コロナ感染者が発生し、対策を強化した前日15日の180人を超え、16日には206人の感染者が確認された。
世界で最もコロナ対策が進んでいると考えられた台湾での突然の感染拡大により、台北など2都市で一部ロックダウンが敷かれ、市民は外出を控えるようになり、賑わいを見せていたショッピング街や寺などからは人がいなくなった。
16日の会見で疾病対策センターは 207人の新規感染者が出ているとし、一人は海外からの感染者だという。
患者の多くは高齢者だが、5歳から80歳と幅広い年齢の感染者がいるという。台北では89人の新規感染者のうち58人はバーや風俗業で100人以上のクラスターを出した万華区の人々。他97人は台北近郊の新北市の感染者。
台北と新北で警戒レベルが4段階中のレベル3に引き上げられた翌日、陳時中保健相は、学校でのリモート学習や病床がひっ迫する病院でのコロナ患者優先ガイドライン等の対策を発表。「個々人の責任感が非常に重要だ」と述べ、衛生管理を徹底し、不要な移動や交流を避けるよう注意を呼び掛けた。
警戒レベル3は台湾の人口2400万人のうち約650万人を対象に、集会を制限しマスクの着用を義務付け一部の店舗や公共機関に休業を要請するもの。飲食店はソーシャルディスタンスを保てる場合は、開業可としている。
通常の生活を送りながらも海外の感染拡大を見てきた台湾の人々は、警戒感を強めている。15日午後にはスーパーで買占めが起き、メトロでは客が60%減少、首都は人込みや車が減り、川べりの飲食店客や商店街を歩く歩行者は見られなくなった。感染拡大により、ワクチン接種も増加しており、この日は1日の接種としては最大の3万2千人が接種したという。蔡英文総統は7月には台湾独自開発のワクチンがはじまるとする。
同日付台湾『Taiwan News』は「台北、新北で公務員にフレックスタイム導入」との見出しで以下のように報道している。
16日台湾行政院人事総局 (DPGA) は、新型コロナ感染拡大を避けるため5月17~28日までの間、台北と新北の公務員にフレックスタイム制が導入されることを発表。通勤者のラッシュアワーの混雑緩和するため、出勤を午前7:30~10:00、退勤を午後4:30-~7:00へと分散させる方針とした。これにより同時に交通機関を使う人の数を減らせるとしている。政府機関も、必要なら同制度を取り入れることができるが、2都市の学校職員は教育省とは違う方針を取るという。
台湾の感染者が180人に達し、感染対策による規制はレベル3に引き上げられた。不要な移動や集会は行わず、リモートワークやフレックスタイムなど、従来の感染予防対策に加え、企業も個人と職場の衛生管理を徹底する。
閉じる
米国、意欲失くした警察官の退職者続出で治安悪化の恐れ(2021/05/14)
昨年5月のミネアポリスで起きたジョージ・フロイド事件の後、全米で人種差別や警察による残虐行為に対する抗議運動が起こり、警察の「廃止」や「予算打ち切り」を求める声が高まった影響で、数カ月の間に退職者が続出した。警察署では経験豊富な警官が大量に退職している一方で新たな志願者が少なく、治安の悪化を招き始めている。
米紙
『ワシントン・タイムズ』によると、全国の警察官が、予算削減、政策変更、反残虐行為への抗議の中で、記録的な速さでバッジを返却しているという。昨年、ニューヨーク警察では推定5,300人の警官が早期または定年退職し、シアトルでは200人以上の警官が離職し、首都のワシントンD.C.では、昨年夏にワシントンD.C.議会が大幅な警察改革を実施して以来、3,700人強の警察官の内300人が早期退職した。
D.C.警察組合の会長グレッグ・ペンバートンは、ワシントン・タイムズ紙に対し、「警察官は驚くべき速さで辞めており、様々な地域で犯罪が急増している」と語った。...
全部読む
米紙
『ワシントン・タイムズ』によると、全国の警察官が、予算削減、政策変更、反残虐行為への抗議の中で、記録的な速さでバッジを返却しているという。昨年、ニューヨーク警察では推定5,300人の警官が早期または定年退職し、シアトルでは200人以上の警官が離職し、首都のワシントンD.C.では、昨年夏にワシントンD.C.議会が大幅な警察改革を実施して以来、3,700人強の警察官の内300人が早期退職した。
D.C.警察組合の会長グレッグ・ペンバートンは、ワシントン・タイムズ紙に対し、「警察官は驚くべき速さで辞めており、様々な地域で犯罪が急増している」と語った。メリーランド州ボルチモアの警察友愛会の会長マイク・マンキューソは、昨年から300人近くの警官が減り、「刑事も人手不足で事件処理に追われている」と述べている。また、「凶悪犯罪者の捜索はおろか、911番通報に対応する時間もほとんどないため、犯罪撲滅に直接的な影響を与えている」と語った。
警察友愛会「ウエスタン・ニューヨーク・ロッジ103」の元会長ポール・ビークマン・ジュニア氏は、警察の予算打ち切りを求める動きを「これまでで最も誤った考えの一つ」と述べた。ビークマン氏は6月に『タイムズ』紙に対し、この運動により35年間の警察官としてのキャリアを打ち切ったと語っている。同氏は、警察官が少なくなることによって「残業が余儀なくされ、疲れた警察官がパトロールを行うことになる。」と指摘。「通常であれば落とされるような候補者を採用せざるをなくなる。こうしたことが、より大きな問題を引き起こすことになるだろう。」と懸念を述べた。
警察の予算打ち切りを求める声が大きくなるにつれ、警察予算の大幅な削減に応じる地方議員も出てきた。しかし、タイムズ紙が分析したデータによると、昨年、警察予算を大幅に削減した少なくとも9つの都市では、殺人件数が68%近く増加している。比較的小規模で象徴的な範囲でのみ警察予算の削減を行ったワシントンD.C.のような都市でも、凶悪犯罪が大幅に増加した。
米『ワシントン・ニュースポスト』によると、バウザーD.C.市長の2020年予算案には、メトロポリタン警察への約1800万ドル(約20億円)の増額が含まれていたが、議会で承認された最終予算は、前年の予算と比較して減額されたものとなった。70万人以上の人口を抱える同市では、2020年末までに198件の殺人事件を記録し、過去16年間で最高となった。
また、ペンバートンD.C.警察組合会長によると、警察官の数は3,300人以下で、これは過去数十年で最も少ない数だという。同会長は、警察官の減少は、「壊滅的な状況に向かっている」とし、「警官は、疲れて、消耗して、ヘトヘトになっている」と述べた。5月5日時点でのワシントンDCの犯罪統計によると、市内の殺人事件は昨年の同時期に49件だったのが66件と35%増加している。
なお、昨年以降に退職した警官のほとんどは、夏に可決されたD.C.議会の緊急警察改革法案を理由にしていたという。ペンバートン会長は、議会がいくつかの条項を変更しない限り、「警察から人が離れていき、犯罪は急増し続けるだろう」と述べ、「これは正しい事ではない。なぜなら、最も被害を受けているのは、最も脆弱な地域であり、それは通常、少数民族の地域だからだ」と指摘している。「殺人、銃撃、レイプ、強盗などの被害が毎日のように発生しており、こうした地域や人々は安全だと感じていない。」と述べた。
閉じる
その他の最新記事