英国、週4日勤務を大々的にテスト(2022/04/08)
英国内の60社、3千人以上の従業員が今年の6月から12月までの間、5日間ではなく4日間働く週休3日制を試行する。この試みは世界最大規模のものになる。週休3日制の導入は、コロナ後の仕事の世界で、企業が従業員を惹きつけるのに役立つことが期待されている。
英
『ガーディアン』 によると、6月から12月まで実施される週休3日制には、王立生物学会、ロンドンの醸造会社、マンチェスターの医療機器会社、ノーフォークのフィッシュ・アンド・チップス店など、さまざまな企業や団体の従業員が参加する。英国国内において、企業が労働条件を改善する方法として、より短い労働日数を採用する必要性が問われている中、大々的に行われるものになる。
このパイロットプログラムに参加する従業員は、同じ給与を保ったまま、週5日間の代わりに週4日間だけ働くことになる。...
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英
『ガーディアン』 によると、6月から12月まで実施される週休3日制には、王立生物学会、ロンドンの醸造会社、マンチェスターの医療機器会社、ノーフォークのフィッシュ・アンド・チップス店など、さまざまな企業や団体の従業員が参加する。英国国内において、企業が労働条件を改善する方法として、より短い労働日数を採用する必要性が問われている中、大々的に行われるものになる。
このパイロットプログラムに参加する従業員は、同じ給与を保ったまま、週5日間の代わりに週4日間だけ働くことになる。英『メトロ』 によると、最新の調査では、英国のサラリーマンの約72%は週4日勤務を希望しているという。
この大規模な社会的実験は、オックスフォード大学、ケンブリッジ大学、米国ボストンカレッジの研究者らが、週休3日制の普及を目指す団体「4 デイ・ウィーク・グローバル」、「4デイ・ウィーク・UK」、シンクタンクの「オトノミー」と協力して運営する。
王立生物学会の最高責任者であるマーク・ダウンズ氏は、週休3日制の試行決定は、「信じられないほど競争の激しい」労働市場への対応という側面もあると述べている。「現在いるスタッフを引き付け、維持するために、革新的で良い雇用主であるようもっと努力しようということです。このような勤務形態が、大きな違いを生みます。誰にとっても素晴らしいことです」。と述べている。王立生物学会は、週5日の営業は継続しながら、月曜日から木曜日と火曜日から金曜日のシフト制を採用する予定になっている。
4 デイ・ウィーク・グローバルの最高責任者であるジョー・オコナー氏は、パンデミック以前の世界に戻ることは不可能だと述べている。「経営者や管理職は、労働時間の長さではなく、アウトプットの質に焦点を当てた新しい労働モデルをますます受け入れている。労働者たちはパンデミックを体験し、健康的なライフワークバランスについて、これまでとは異なる期待を持つようになっている。」と説明している。
仏『レゼコー』 によると、この大規模な社会的実験は英国では初めての試みになるものの、年初に週休3日制への扉を開いたスペインや、2015年から2019年まで英国と同様のプログラムを実施したアイスランドなど、すでに週休3日制を導入した国もある。アイスランドでは、約2500人の公務員が、週40時間から35時間に労働時間を短縮した。その結果、労働時間の短縮は、必ずしも生産性の低下やサービスの低下にはつながらなかった。逆に、従業員はストレスが少なく、ワークライフバランスが良いと主張している。こうした結果を受けて、企業内でこの措置を延長する交渉が行われ、現在ではアイスランドの労働者のほぼ9割が労働時間を短縮している。
また、今回の英国の実験には参加していないものの、週休3日制を試行している企業には、一般消費財メーカーのユニリーバ、日本の電機メーカーのパナソニック、ロンドンのモバイル用銀行のアトムバンクなどがある。
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英国、新型コロナウイルスの死亡者数が間違っていた可能性(2022/03/22)
英国での新型コロナウイルスによる死亡者数は、データの収集方法によって過大に報告されていた可能性があることが示唆されている。
英紙
『メトロ』 と英
『デイリーメイル』 によると、専門家たちは、パンデミックの初期に死亡した人の多くは、新型コロナウイルスの陽性反応が出なかったか、あるいは全く別の原因で死亡していた可能性があることを指摘している。オックスフォード大学と慈善団体コラテラル・グローバルの科学者たちは、一般市民が介護施設や医療機関に送った情報公開請求に対する800件の回答に目を通した。
科学者たちは、新型コロナウイルスによる死亡診断書に記載されていた表現として、「新型コロナウイルスに感染」、「新型コロナウイルス関連」、「新型コロナウイルスが原因」、「陽性反応から28日または60日以内に死亡」など14の異なる用語が使われていることを発見した。...
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英紙
『メトロ』 と英
『デイリーメイル』 によると、専門家たちは、パンデミックの初期に死亡した人の多くは、新型コロナウイルスの陽性反応が出なかったか、あるいは全く別の原因で死亡していた可能性があることを指摘している。オックスフォード大学と慈善団体コラテラル・グローバルの科学者たちは、一般市民が介護施設や医療機関に送った情報公開請求に対する800件の回答に目を通した。
科学者たちは、新型コロナウイルスによる死亡診断書に記載されていた表現として、「新型コロナウイルスに感染」、「新型コロナウイルス関連」、「新型コロナウイルスが原因」、「陽性反応から28日または60日以内に死亡」など14の異なる用語が使われていることを発見した。
医療機関によって異なる表現が使われてきたため、新型コロナウイルスが直接死を引き起こしたものなのか、それとも何か他の要因が根底にあったのか、確認することができない状況に陥っている。さらに、病院によっては、コロナによる死亡を証明するための検査を行っていなかったところもあり、死亡者数に関する公式的な発表の信頼性は決して高いと言えない。
介護施設では、医師がビデオ通話で新型コロナウイルスによる死亡かどうかを判断していたため、新型コロナウイルスで死亡した人数が過剰に報告された可能性が指摘されている。また、これらの施設の多くは、死亡した人々の基礎疾患を考慮に入れることを怠っていたという。
ウォルバーハンプトンに住む59歳のゲーリー・ワイルドさんは、母親ジェシーさんが認知症と重度の肺病を患い、呼吸が困難な状態であったことから、新型コロナウイルス以外で死亡した確信している。しかし、ジェシーさんが2020年4月に亡くなったとき、検査は行われなかったにもかかわらず、医師は彼女の死因を新型コロナウイルスと表記したという。息子のゲーリーさんは、「検査が行われなかった場合、死亡診断書にコロナと書くように勧められていると医師から説明を受けました」と話している。
同様に、レスターシャー州の57歳の公務員、ジュリー・パーキンスさんも、83歳の父親テッドさんが2020年5月に脳卒中を起こして死亡したと考えている。老人ホームで暮らしていた父親は、6日間高熱が続いたものの検査は陰性であった。しかし、死亡診断書には新型コロナウイルスで死亡したと書かれたという。
オックスフォード大学Centre for Evidence-Based Medicineのカール・ヘネガン教授は、「コロナによる死亡者としてカウントされている人の中には、ウイルスに感染していなかった人もいるかもしれない。このデータの正確さは極めて重要である。なぜなら、このデータをもとに、莫大な社会経済的コストを伴うロックダウンや規制が行われたからである。もし、死亡者数が最初からずっと間違っていたのなら、国民の信頼を失うことになる。そして、この問題を解決しなければ、さらなるロックダウンや制限を求める声が上がる可能性がある」と指摘している。
昨年初め、国家統計局の監査で、コロナで亡くなったとされる人の約90%は、死亡診断書でコロナが直接の原因として記載されていたことが判明した。しかし、英国慈善団体コラテラル・グローバルが行った調査では、英国の8つの病院での1500以上の死亡診断書には、新型コロナウイルスのみが死亡原因として記載されていたことが明らかになった。調査に加わったトム・ジェファーソン教授は、心臓病や認知症などの基礎疾患を持つ人々が新型コロナウイルスで死亡する可能性がはるかに高いことから、「そうした表記はありえないことであり、その診断書に書かれていることは信用できない」と述べている。
エディンバラ大学が実施した8万人の新型コロナウイルスの患者を対象とした調査では、2020年3月から8月の間に、ほぼ3分の1の症例でPCR検査が実施されていなかったことも明らかになっている。これは、英国で記録された新型コロナウイルスの死亡者数は、公式に発表されている数とだいぶずれている可能性が十分ありうることを示唆している。
なお、新型コロナウイルスの死亡者数に関する懸念は、2020年半ばに初めて問題適された。今は亡きイングランド公衆衛生局が、ある時点で新型コロナウイルスの陽性反応が出た人が死亡したかどうかをNHSのデータベースだけで確認し、死亡者数に含めていたことが明らかになったのである。その際、死亡の何日前に検査結果が出たかは考慮されなかった。ある政府関係者は当時、「例えば2月に陽性と判定され、何の症状もなく、7月にバスに轢かれた場合、新型コロナウイルスによる死亡として記録される」ことを認めていた。
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