【Globali】
米・豪メディア;中国、TPPなんて怖くない?(2)(2015/10/16)
10月13日付「中国、TPPなんて怖くない?」の中で、“米国主導と言われた環太平洋経済連携協定(TPP)成立によって、これまで西側諸国と一線を隔し、独自の経済圏を築こうとしていた非TPP国の中国に対して、太平洋圏における経済活動への制約が加えられると期待される。しかし、したたかな中国は着々と手を打っており、中国に与える影響は軽微ではなかろうか”と報じた。そして、TPP締約国によって、経済的のみならず軍事的な中国包囲網が強化されるのを防ぐためか、中国は早速TPP参加国を含む東南アジア諸国連合(ASEAN、注後記)10ヵ国に対して、軍事的アプローチの上、ASEAN諸国を取り込もうと画策していると各国メディアが伝えた。
10月16日付
『ワシントン・ポスト』紙(米国、
『AP通信』記事引用)は、「中国、南シナ海で緊張高まる中、ASEAN10ヵ国国防相との会合設定」と題して、「米国が南シナ海に首を突っ込むことにより緊張が高まると予想される中、中国は10月16日、ASEAN10ヵ国の国防相を招いて、北京で初めて国防相会議を開いた。ASEANのうち4ヵ国(フィリピン、マレーシア、ブルネイ、ベトナム)は、南シナ海の諸島の領有権を中国と争っている。...
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10月16日付
『ワシントン・ポスト』紙(米国、
『AP通信』記事引用)は、「中国、南シナ海で緊張高まる中、ASEAN10ヵ国国防相との会合設定」と題して、「米国が南シナ海に首を突っ込むことにより緊張が高まると予想される中、中国は10月16日、ASEAN10ヵ国の国防相を招いて、北京で初めて国防相会議を開いた。ASEANのうち4ヵ国(フィリピン、マレーシア、ブルネイ、ベトナム)は、南シナ海の諸島の領有権を中国と争っている。同会議の冒頭、中国の常万全(チャン・ワンクァン)国防部長(66歳、国防相に相当)は、中国はASEAN諸国と協力して地域の平和と安全を築きたいと述べた。」とし、「なお、米国防総省の高官が先週語ったところによると、中国が主権範囲と主張する声明に抗って、中国が一方的に埋め立てて築いた人工島の12海里(21キロメーター)以内を、米艦船に監視航行させる予定だという。」と報じた。
同日付
『Yahooニュース』(米国、
『ロイター通信』記事引用)は、「中国、南シナ海でASEAN諸国と共同海事訓練画策」と題して、「常国防部長は10月16日のASEAN諸国との国防相会議で、領有権を争う南シナ海で、ASEAN諸国と共同海事訓練を実施したいと語った。中国は、イスラム過激派等のテロリスト・グループの脅威から、地域の平和と安全を守るため、共同で当ることを提案している。」と伝えた。
また、同日付
『ザ・マーキュリー』紙(豪州)は、「中国がASEAN10ヵ国との初会合主催」と題して、「同会合に出席したASEAN10ヵ国のうち、南シナ海で中国と領有権を争っている4ヵ国の国防相は、開催場所が北京だったこともあり、表だって領有権問題を話題にすることは難しく、また、中には中国との貿易に依存している国もあり、ASEANの中で団結して中国に対抗していこうとする力強さはないとみられる。」と報じた。
(注)ASEAN:東南アジア10ヵ国の経済、社会、政治、安全保障、文化に関する地域協力機構で、本部所在地はジャカルタ(インドネシア)。加盟国は、1967年創設メンバーのインドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、マレーシアに加えて、ブルネイ(1984年加盟)、ベトナム(1995年)、ミャンマー・ラオス(1997年)、カンボジア(1999年)。域内の総人口は6億2千万人超で、欧州連合の5億人を超える。加盟国の合計の国内総生産(GDP)は2兆4千億ドル(約288兆円)で、日本のGDPの約半分。なお、シンガポール、マレーシア、ブルネイ、ベトナムの4ヵ国はTPP参加国でもある。
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大洋州メディア;日本の景気動向に注目(2015/10/05)
豪州にとって日本は、輸出入貿易額で中国に続く2位で、今年1月には日豪経済連携協定が締結されている。また、ニュージーランドも、中国、豪州、米国に次ぐ4位と、やはり双方にとって重要なパートナーであり、豪州とともに環太平洋戦略的経済協力協定(TPP)の加盟交渉国となっている。従って、両国にとって、日本の景気動向も大変気になるところで、直近の日銀短観や家計消費、求人倍率等の景気指標について両国メディアが伝えている。
10月1日付
『ニュージーランド・ヘラルド』紙(
『AP通信』記事引用)は、「日銀短観、企業景気見通し悪化」との見出しで、「日本銀行は10月1日、直近四半期の“短観(全国企業短期経済観測調査)”を発表したが、それによると大企業製造業の業況判断は、前回6月に比べて3ポイント悪化した。ただ、大企業非製造業の見通しは2ポイント改善しており、景況感は錯綜している。従って、経済評論家の多くは、日銀による更なる景気刺激策(編注;2013年4月の金融緩和策、2014年10月追加金融緩和策実施)の検討、実施は時期尚早とみている。...
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10月1日付
『ニュージーランド・ヘラルド』紙(
『AP通信』記事引用)は、「日銀短観、企業景気見通し悪化」との見出しで、「日本銀行は10月1日、直近四半期の“短観(全国企業短期経済観測調査)”を発表したが、それによると大企業製造業の業況判断は、前回6月に比べて3ポイント悪化した。ただ、大企業非製造業の見通しは2ポイント改善しており、景況感は錯綜している。従って、経済評論家の多くは、日銀による更なる景気刺激策(編注;2013年4月の金融緩和策、2014年10月追加金融緩和策実施)の検討、実施は時期尚早とみている。」と報じた。
10月2日付
『ザ・マーキュリー』豪州タスマニア州オンラインニュース(
『AFP通信』記事引用)は、「日本の失業率若干上昇」との見出しで、「10月2日日本政府(総務省)発表の8月の失業率は3.4%と、前月比0.1%悪化した。これは経済評論家の予想を上回るものである。但し、同日(厚生労働省)公表の求人倍率は1.23倍と、23年振りの高水準となっており、日本の労働市場は強含みとみられる。更に、家計消費額(総務省発表)も昨年同月比2.9%増となっている。」と伝えた。
また、同日付
『パース・ヘラルド』西豪州紙(
『ロイター通信』記事引用)は、「日本の家計消費額増で、景気後退懸念を軽減」との見出しで、「7月に一旦減少したものの、8月の家計消費が2.9%と前年同月比上昇したのは、特に車の購買額増が大きい。」とし、みずほ証券の宮川シニア・エコノミストのコメントを引用して、「家計消費額増と労働市場の活況より、日本の景気回復は底堅いとみられる。特に、今年4月の軽自動車の増税で一旦落ち込んだ自動車販売が、再び活況を取り戻したことは景気動向にとって良い兆しと言える。従って、10月6~7日に予定される、日銀の金融政策決定会合において、更なる景気刺激策(金融緩和策)が検討、実施されることはないだろう。」と報じた。
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