したたかな中国、伝統的親米国の南米コロンビアを懐柔【米・ブラジル・キューバメディア】(2023/10/26)
米国と世界覇権争いを展開している中国は、南米における影響力拡大も模索してきていて、これまで10ヵ国と“戦略的パートナーシップ(SP)”関係を作りあげてきた。そしてこの程、伝統的な親米国のコロンビア(注1後記)と11ヵ国目となる“SP”を構築している。
10月25日付
『ブライトバート』オンラインニュース、ブラジル
『リオ・タイムズ』紙、キューバ
『プレンザ・ラティーナ(ラテンアメリカ通信社)』等は、中国がこの程、伝統的な親米国のコロンビアと“SP”を構築したと詳報している。
中国は10月25日、伝統的親米国のコロンビアと“SP”関係を構築したと発表した。
習近平国家主席(シー・チンピン、70歳、2012年就任)が、中国を訪問中のコロンビア初の左派政権を率いるグスタボ・ペトロ大統領(63歳、2022年就任、左翼ゲリラ「4月19日ツ運動(M-19、1990年武装解除)」の元メンバー)と会談した際に合意したものである。...
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10月25日付
『ブライトバート』オンラインニュース、ブラジル
『リオ・タイムズ』紙、キューバ
『プレンザ・ラティーナ(ラテンアメリカ通信社)』等は、中国がこの程、伝統的な親米国のコロンビアと“SP”を構築したと詳報している。
中国は10月25日、伝統的親米国のコロンビアと“SP”関係を構築したと発表した。
習近平国家主席(シー・チンピン、70歳、2012年就任)が、中国を訪問中のコロンビア初の左派政権を率いるグスタボ・ペトロ大統領(63歳、2022年就任、左翼ゲリラ「4月19日ツ運動(M-19、1990年武装解除)」の元メンバー)と会談した際に合意したものである。
中国は、南米全12ヵ国との“SP”関係構築に励んでいるが、コロンビアは11ヵ国目となり、残ったのはガイアナ(1966年英国より独立)だけとなる。
大統領府発表によると、今回両国で経済連携強化を柱とした12の協定が締結されたという。
それらは、コロンビア牛肉の輸出、ITを駆使したデジタル経済関係構築、“脱炭素”社会形成のための相互協力等である。
なお、両首脳の会見及び共同声明で以下の点が強調されている。
● イスラエル・ハマス戦争
・“イスラエル・ハマス間戦闘の激化及び人道的被害拡大を憂慮し、双方の即時停戦を求める”と表明。
・但し、両国とも10月7日のハマス側のテロ攻撃を非難することはなく、むしろペトロ大統領は、イスラエルをナチドイツのようだとし、ガザ地区を忌むべきアウシュビッツ強制収容所(注2後記)にしようとしていると非難。
(これに対して、イスラエル側は即座に保安関連装備品のコロンビア宛輸出を停止)
● 首都ボゴタの地下鉄建設
・目下、西安地下鉄道有限公司(2011年開業)及び中国港湾工程有限公司(2005年設立)が2026年2路線開業を目標に取り組んでいるプロジェクト促進を支援することで合意。
・今回訪問時にペトロ大統領は上記2社幹部とも面談、2012~2015年に同大統領がボゴタ市長時代に話を進めていたこともあり、その進展に特に関心。
(注1)コロンビア:1819年にスペインから独立した共和制国家。1822年に米国と国交樹立して以来、伝統的な親米国となっていて、2009年には軍事同盟を発効させている。
(注2)アウシュビッツ強制収容所:ドイツが第二次世界大戦中に国家を挙げて推進した人種差別による絶滅政策(ホロコースト)及び強制労働により、最大級の犠牲者を出した強制収容所。収容者の90%がユダヤ人。
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映画「バービー」、西側制裁下のロシアでは海賊版を上映【米・英国メディア】(2023/08/12)
実写版映画「バービー」は、既報どおり、中国の領土問題を容認しているとの非難から、ベトナムで既に上映禁止となっていて、中東のクウェート・レバノンでは、イスラム教が禁ずる同性愛を推奨しているとの理由で、同じく上映禁止に追い込まれようとしている。そうした中、西側諸国の制裁下にあるロシアでは、報復措置として欧米諸国制作の映画上映が禁止されているが、海賊版の「バービー」が堂々と上映されている。
8月10日付米
『ブライトバート』オンラインニュース(2005年設立)、英国
『デイリィ・スター』紙(1978年設立)等は、西側諸国の制裁下にあるロシアでは、大ヒット米映画「バービー」の海賊版が堂々と上映されていると報じた。
実写版映画「バービー」は、7月下旬の上映公開以来、米国はじめ多くの国で高い評価を得ており、累計興行収入10億ドル(約1,450億円)超えと2023年公開映画最大のヒット作となるとみられている。...
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8月10日付米
『ブライトバート』オンラインニュース(2005年設立)、英国
『デイリィ・スター』紙(1978年設立)等は、西側諸国の制裁下にあるロシアでは、大ヒット米映画「バービー」の海賊版が堂々と上映されていると報じた。
実写版映画「バービー」は、7月下旬の上映公開以来、米国はじめ多くの国で高い評価を得ており、累計興行収入10億ドル(約1,450億円)超えと2023年公開映画最大のヒット作となるとみられている。
そして、女性監督としてもグレタ・ガーウィグ氏(40歳)が初の大台達成を果たすことになる。
しかし、既報どおり、同映画に中国が南シナ海で一方的に領有権として主張する九段線を模倣した地図が描写されていることから、ベトナムでは上映禁止に追い込まれている。
また、中東のクウェート、レバノンでは、イスラム教が禁ずる同性愛を推奨するものだとの理由から、同様に上映禁止に追い込まれようとしている。
更に、世界初の原子爆弾を開発した科学者の生涯を描いた「オッペンハイマー」が同時期に上映されることから、「バービー」の米配給元が宣伝ビデオ中に“キノコ雲”を登場させたことから、広島・長崎での原爆投下78周年を迎えた日本では、被爆者を愚弄するものとして非難の声が上がっている。
そうした中、8月9日付ロシア『モスクワ・タイムズ』紙報道によると、ロシアのチュメニ(西シベリア)の映画館で「バービー」が上映されて人気を博しているという。
何故なら、米映画産業がロシアのウクライナ侵攻以来、ロシアに制作映画等を提供することを中止しているばかりか、ウラジーミル・プーチン大統領(70歳、2000年就任)が西側諸国の制裁への報復として、西側諸国のエンターテインメント作品の興行を禁じていることから、むしろロシア市民にとって米国映画等を渇望しているからである。
但し、上記背景もあって、同映画は正規ルートで配給を受けたものではなく、違法に手に入れた海賊版である。
同紙報道によると、違法配給者の収益増のためか、“ギャンブルのポップアップ広告(注後記)”が映像中に出てきているという。
それでも、ロシア市民は米映画が楽しめるということで満足しているとみられる。
(注)ポップアップ広告:ある特定のウェブページを開いた時に自動的に一番手前に表示される広告用の小さなウィンドウの事。主に、無料レンタルサーバによるウェブサイトで行われることが多い。
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